田中慎弥のレビュー一覧

  • 共喰い
    暴力的な描写や、情景の描写が映像を見ているかのように強烈にイメージできた。作者の強烈なインパクトの受賞会見が今も記憶に残っているが、この作品もずっと鮮明に私の記憶に残ると思う。瀬戸内寂聴との対談も源氏物語に触れられており、とても面白かった。
  • 孤独論 逃げよ、生きよ
    あなたは孤独であり孤独ではない。
    現役であるかぎり、能力に磨きを書い続けなければ、たちまち錆びつく
    本の奴隷になってはいけない
    主体的に生きろ
    1日1回机の前に座る
    最初に応募したのは29歳のとき
    持ち上げられてもそういう状態に慣れるのはよくない
    人生は棚からぼたもち


    すごく面白かった。
  • 共喰い
    間違いなく出会った作品の中で一番記憶に残っている。短編ながら深い。文字の形をした登場人物が紙の上で繰り広げるドラマ。方言や、土地柄、主人公。入り込みずらい設定だと思うがスッと身体の中に入ってくる。
    刃物のような作品だ。我が生涯の問題作。
    進んで薦める事はないが、間違いなく手に取って欲しい作品。
  • 孤独論 逃げよ、生きよ
     「共喰い」で芥川賞を受賞した田中慎弥の人生論。「共喰い」の著者とは思えないほど、その筆致は強烈さなどとはほど遠く丁寧である。
     一つにある仕事に対して、思考停止状態の奴隷状態であれば、そこから「逃げる」ことを推奨する。単純に逃げろというても、色々と難しくはあろうが、実際に自身が高校卒業から大学受験...続きを読む
  • 共喰い
    頂き本。共喰いの意味がハッとさせられる。父親のようにはなるまいと遠馬がやはり同じような感覚を覚えた瞬間。恋人の千種に首をしめたり、やらないとは自信がなくなっていく様子。実母の仁子さんが最後にとった行動は、やはり母そのものに思えた。
  • 共喰い
    この作品は引き込まれた。登場人物全てが魅力的で遠馬のどうしようもない血の濃さに哀しみを感じた。後半の作品も瀬戸内寂聴さんとの対談も面白く非常に満足する作品であった。
    皆さんに読んでみて欲しい。
  • 地に這うものの記録
    ねずみが言葉を喋ると言うことを通して、言葉とは何かを炙り出す。

    言葉とエゴ(さなぎ)、言葉の起源(パパ)、言葉の恣意性(ドンの議員)、言葉の限界(恋愛)、言語の暴力(さなぎ)。

    言葉を使うには弱くなければならないというフレーズが印象的だった。

    最後の市議会でのやりとりは熱かった。

    その後の闘...続きを読む
  • ひよこ太陽
    売れない作家の日常、書くことに関する不安と葛藤が目まぐるしく現れてます。
    白い帽子の男の子もGも夢なのか現実なのかわからないけれど、わからないからいい事もあるかも。
  • 田中慎弥の掌劇場
    「扉の向こう側の革命」は秀逸。こうなってほしくはないけれど、それで腐りきった政府が一層されるのなら、それもいいと思わせてしまうところが怖い作家だよねぇ。
  • 文藝春秋 2015年 6月号

    イイネ

    10年前から毎月購読していますが、本の整理が大変ですので3年前から電子ブックに変更。もう少し、普通の書籍に比べて安くなるとありがたいですが...
  • 切れた鎖
    大好きな小説集。何度も折り入って読み返しているんだけれど、なかなかレビューを書けなかった。書いてみます。
    この小説集には『不意の償い』『蛹』『切れた鎖』の3篇が収録されている。三島賞と川端賞をダブル受賞したそうな。賞の裏付けもある通り、初期の傑作と言えるだろう。中でも衝撃的なのは社会化されていく自己...続きを読む
  • 文藝春秋2月号

    文芸春秋3月号

    年間購読にしているのですがどうしたら読めますか
  • 田中慎弥の掌劇場
    不思議な触り心地のする、黒と黄が印象的なカバー。装釘もどことなく妖しく美しい本文を想像させる。

    本書は田中慎弥氏が毎日新聞西部本社版に2008年から2012年の1月まで連載していた掌編小説を編んだ物である。
    新聞連載のため、時事を取り込んだ作品も多い。
    例えば《扉の向こうの革命》《感謝》などは震災...続きを読む
  • 田中慎弥の掌劇場
    不思議な触り心地のする、黒と黄が印象的なカバー。装釘もどことなく妖しく美しい本文を想像させる。

    本書は田中慎弥氏が毎日新聞西部本社版に2008年から2012年の1月まで連載していた掌編小説を編んだ物である。
    新聞連載のため、時事を取り込んだ作品も多い。
    例えば《扉の向こうの革命》《感謝》などは震災...続きを読む
  • 図書準備室(新潮文庫)
    「図書準備室」「冷たい水の羊」の2編入り。「冷たい水の羊」、すごすぎた。いじめられっこの主人公は「いじめられたと感じたらそれをいじめ」といういじめの定義を採用し、「自分はいじめられていない」とし、ひたすらいじめを受け続ける。いじめの内容もかなり陰惨な部類に入る。主人公はただただ自分の中の論理でいじめ...続きを読む
  • 切れた鎖
    田中さんの作品としては、これが読んだの二つ目でした。


    短編の作品が三つ入っていて、各々、不意の償い、蛹、切れた鎖です。


    共食いと同様、文章が力強くて、短編なのに物凄く疲れるものでした。


    疲れるとはいっても、不快感はなく、本文といい意味で対峙している感覚になれます。


    三つとも印象には残...続きを読む
  • 田中慎弥の掌劇場
    面白かった。少し寒気するような話、陰鬱な話。「男たち(一幕)」は声に出して笑ってしまった。

    動作の描写が素晴らしいと思いました。
  • 田中慎弥の掌劇場
    面白かった。少し寒気するような話、陰鬱な話。「男たち(一幕)」は声に出して笑ってしまった。

    動作の描写が素晴らしいと思いました。
  • 田中慎弥の掌劇場
    ゼミの課題図書でした。

    手に取ったときの印象は「随分と短いな」ということ、それとカバーのするりとしたちょっと変わった感触。指紋がつきやすそうだなぁ、と。



    読んでみての感想というか、読みながらの感想になるのですが。
    タイトル通り「掌編小説」が「陳列」されている、全体としてそんな雰囲気の本でした...続きを読む
  • 田中慎弥の掌劇場
    ゼミの課題図書でした。

    手に取ったときの印象は「随分と短いな」ということ、それとカバーのするりとしたちょっと変わった感触。指紋がつきやすそうだなぁ、と。



    読んでみての感想というか、読みながらの感想になるのですが。
    タイトル通り「掌編小説」が「陳列」されている、全体としてそんな雰囲気の本でした...続きを読む