田中慎弥のレビュー一覧

  • 田中慎弥の掌劇場

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    今の私には読みずらい本でした。
    あと、50冊ほど小説を読み漁りまたこの本に出会いたいです。
    3割程度しか理解出来なかったのが、残念でした。

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    2012年07月11日
  • 切れた鎖

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    2008年(平成20年)「切れた鎖」で第138回芥川賞候補となった。
    2008年(平成20年)、「蛹」により第34回川端康成文学賞を、当時としては史上最年少で受賞する。
    同年「蛹」を収録した作品集『切れた鎖』で第21回三島由紀夫賞を受賞。

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    2012年07月07日
  • 切れた鎖

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    シュールレアリスムの絵画を見ているような印象。
    彼らが色彩と形象なら、これは
    感情と言語をむき出しにしようとしたのだと思われる。

    それにしてもルンサンチマン満載で
    かえっておかしみすら出てくる。
    想像通りに田中君はかわいいです。

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    2012年06月15日
  • 切れた鎖

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    第146回芥川賞受賞作家の機嫌が悪い方。
    田中慎弥さんの孤独感漂う短編集。

    いや、この人はすごい。多分すごいんだと思う。
    文学的水準の高さを見せつけられた思いがします。これでもかと。

    特に3編のうちの真ん中、「蛹」は面白かった。
    井伏鱒二の「山椒魚」をふと思い出したりしました。
    やはり孤独を描いてて。
    無駄に思慮深い、けれども基本的に何もしないカブトムシの話。

    表題作「切れた鎖」は読んでて正直しんどかったなあ。
    金銭的に安定した生活に浸りつつも、
    身を切るような孤独に苛まれる年老いた女性の惨めさというか。

    全体的に自分からは一歩も動かず、
    ひたすら流れて行く現状に歩幅を合わせようと四苦

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    2012年06月07日
  • 田中慎弥の掌劇場

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    一作品3ページの掌編小説集。
    「共喰い」とともに手にしてみたのだが、星新一風あり、安部公房風あり、川端康成風あり、不条理あり、政治風刺あり(若干子供だましっぽくもあったが)で、ああ、こんなにいろいろなスタイルの作品も書ける人なんだと、少し意外だった。

    飾り気がなくそっけないほどの簡素な文章は、それでいて現れてくる心象は巧みで、うまい、というよりはむしろ、技巧を徹底的に研究しつくした成果という印象すらある。
    嫌いではない。

    初めて著者の本を読むなら、芥川賞受賞作よりこっちかもしれない。

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    2012年05月27日
  • 図書準備室(新潮文庫)

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    「図書準備室」・・・「なぜ30歳を過ぎても、私は働かず母の金で酒を飲んでいるのか」という言い訳と屁理屈を延々と語る主人公。その才能は、商売になりそうです。
    「冷たい水の羊」・・・いじめシーンがショッキング。経験あるのか想像力で書き上げたのか。作者の筆力に圧倒される。

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    2012年05月24日
  • 神様のいない日本シリーズ

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    子供べやのドアの向こうで、子供に向かって話し続けるという設定が面白い。著者は野球好きなのか?自分も子供の頃の記憶が蘇ってきて楽しかった。
    結論は分かっているんだけど、父親の苦悩がいろんな角度から切り出されていてなんとも言えない苦い小説。

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    2012年05月22日
  • 神様のいない日本シリーズ

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    阪神の平田とか掛布、カープの山本浩二、津田、小早川、大野などわたしが子どもの頃活躍したプロ野球選手の名前が出てきてとても懐かしかったです。
    今、ソフトバンクの監督になっている秋山はバック転しながらホームに帰ってきてたことがあったとか、清原もルーキーの頃はすごく爽やかだったこととか忘れかけていたことも思い出しました。
    でも、プロ野球にあまり興味のない人はつまらないと思うかもしれません。

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    2012年05月12日
  • 神様のいない日本シリーズ

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     野球を愛しながら、野球賭博がもとで失跡した父から少年のもとに一枚の葉書が届く。「野球をやってるか」。父の願いをかなえるべきか、野球を憎む母に従うべきか。少年の心はゆれる・・・・・・。(帯より)

     三世代に亘る父と子の物語。父が語るかつて文化祭で上演することになったサミュル・ベケットの戯曲「ゴドーを待ちながら」。ラスト、息子への溢れる想いが余韻として残る。

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    2012年05月12日
  • 神様のいない日本シリーズ

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    タイトルに惹かれて手に取ったら、あれまあ時の人。
    父親が、いじめが原因野球を辞めようとする小学生の息子に自分の過去を語りかける話なんですが、小学生の息子はこんな話をされても困ると思います。
    よくわからん話でしたが、何だか読むのを止められない不思議な力があります。
    野球ネタはやたら細かい。

    ちなみに文春は今月円城さんの野球ネタの小説も文庫化しています。何故?

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    2012年04月22日
  • 切れた鎖

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    芥川賞受賞コメントで一躍時の人になった田中慎弥氏の川端賞・三島賞同時受賞作。
    個人的には、「不意の償い」の主人公の精神が崩壊していく過程が面白い。妄想と現実の狭間を独特な描写で表現する筆力のある作家と思う。
    何を差し置いても、文学の可能性を追求するという気概を感じる田中慎弥氏の今後を期待する。

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    2012年03月16日
  • 切れた鎖

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    個人的には「蛹」が面白かった。蛹と化した私が語る土の中の世界。外の世界に出ていくのか常なのに、あれこれ理由をつけてずっと土の中にとどまっている。モラトリアム蛹。あとがきの言葉を借りれば、究極のひきこもり。
    「不意の償い」と「切れた鎖」は「生(性)と死」「血脈」がテーマでしょうか。「切れた鎖」はちょっと読みにくかった。時々時系列が解らなくなるんだよな〜。とにかくまた再読してみます。田中さんの作品結構好きかも。

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    2012年03月03日
  • 切れた鎖

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    一躍時の人となってしまった「もらっといてやる」の人の作品。
    純文学の小難しさや自然に時折混ざる隠喩、それとラノベの緻密すぎる状況描写を足して割ったような作風。
    そもそも理解するのが難しい感じ。
    確実に人によって好みは分かれるだろうし、「よくわからないからつまらない」って人がかなりいそうな気がする。
    不意の償いは死から生へと結びついていく話。途中主人公が失調症にでもかかったのかと思った。女は宇宙、という言葉が読後に浮かんだ。
    どの作品もツカミはかなり強いけど全体的に落ちとして無理に収束はさせてない雰囲気。描写はラノベ風で一つ一つが意味ありげに見えるので、そこをしっかり読み解いていったらおもしろい

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    2012年02月21日
  • 切れた鎖

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    三作品が収録されています。

    巻頭の「不意の償い」では暴力と性愛、死と生が一つに融合する瞬間が、一人の男の妄想がリアルに描かれています。


    筆者が社会を虫等の生物にとっての地上、社会から隔絶された部分を地下に例えて、自らの生き方、思考、心情について語った「蛹」。


    巻末の「切れた鎖」では裕福な旧家とその裏手に建てられた正体不明の新興のキリスト教会とのあり方を対比させながら、祖父ー父ー息子という関係性の基本構造と鏡像のように逆転した、祖母ー母ー娘という三代の物語が描かれています。

    どれも独創性豊な内容で、解りやすい物語性とは違い、自信の無意識から発する原型的なイメージで表現されているように

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    2012年02月12日