【感想・ネタバレ】神様のいない日本シリーズのレビュー

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Posted by ブクログ 2017年08月16日

父が一方的に息子に話し続けるという、かなり挑戦的で独特な形式で書かれている。

三世代それぞれの思いや感情の連鎖が伝わってくる。かなり面白いと感じた。

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Posted by ブクログ 2013年05月08日

 野球クラブでいじめに遭い、部屋に閉じこもってしまった息子に父親が語る父(息子にとっては祖父)との野球をめぐる物語…。というと何かハートウォーミングな話を期待してしまいそうだけど、全然そういう話じゃない。
 父は実家の困窮のために中卒で働くことになり、野球を諦めた。仕事が決まった日、父は愛用のバット...続きを読むで自宅で飼っていた豚をなぐり殺して川に捨てる。野球への執着は野球賭博というかたちであらわれ、賭博のせいで身上を持ち崩して家を出る。妻と幼い子どもを置いて。その子どもが中学生になる頃、家を出た父から「野球をやっているか」という手紙がくる。ちょうどその頃、プロ野球の日本シリーズでは奇跡が起きようとしていた…。
 田中慎弥と野球はどうしても結びつきにくいけど、父と子の物語という軸はしっかりしていて著者らしい。他の作品比べれるとさわやかな印象が残った。

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Posted by ブクログ 2012年11月12日

1986年日本シリーズ。この年限りで引退する広島の四番山本浩二、涙のドラフトから西武入りして高卒ルーキーながら四番に座る清原和博。
象徴的な二人がチームの柱である両チームの闘いは、野球の神様が奇跡的な運命を起こした。
あの日あの時こうであればというのは、野球も人生も同じこと。タラレバ禁止の世界におい...続きを読むて、希望と後悔の行き先と人間の足掻きを作者は描いていると思う。

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Posted by ブクログ 2012年10月13日

待っているとき。時間は勝手に流れるし、何もしなくてもいいのにたまに辛いときがある。
「待つ」という行為がなんで苦痛なのか少しだけわかった気がする。

田中先生の作品を読むのはこれが二つめ。
まさに男が書いた小説!といった感じです。とても面白かったです。

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Posted by ブクログ 2012年09月22日

逆に、「日本シリーズには神様がいるんだ!」
という気持ちで読みはじめた本。
「神様の不在だった日本シリーズ」が例外として描かれたのかと。
もちろん、この期待はよくも悪くも裏切られた。

正確にいうと日本シリーズに神がかり的な出来事があった時のことが書かれていて、
語り手である「お父さん」にも神様が奇...続きを読む跡を起こすと思われた、もとい「お父さんがそう信じた」
…だけど結局、考えたような展開にはならなかったことが書かれている。
しかし別の奇跡が起きたのだと読後の僕は考えている。
それが「お父さん」と「お母さん」の出会いだ。

お父さんはひたすら「待つ」人だと思う。本編の後の解説で「戦後の父親像」とその描かれ方について触れられれているが、確かに封建的な「父親像」とは一線を画した父親像がそこにはある。
だけどそれが僕には作者による「新たな試み」には思えない。
ほぼ同時代を生きたからかもしれないが、「戦後の父親」ってほんとにこんな感じなんだよ、って声高に叫んでみたい。やさしくて、だけど優柔不断で女の子の前で意気地なしで。

ひたすら待っている。状況を受け入れることの連続。
自分自身は野球をやらないのに、日本シリーズだけはだらだらとみている。
だけど、だらだらみている日本シリーズにすごい思い入れを持ち、物語はそれを軸にしながら展開され、かくして「お父さん」と「お母さん」は結ばれることになったのだ。
二人が文化祭に向けて練習を繰り返した演劇の内容も「待つ」という主題。
結局ゴドーはこない。

たしか、こんな意味合いのくだりがあった。
「待つ」っていうのは何もしていないんじゃなくて、「待つ」という行為をしている。
遠くから見て何もしていないようでも…
少年時代の「お父さん」にしても、大人になっても自己主張をおおっぴらにしない「お父さん」にしても、どこかいじらしくて僕は好きだ。

どこか混沌としたような淡々とした文体を楽しむ文学だとも思う。
読んでいて心地がよかった。

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Posted by ブクログ 2012年05月11日

野球賭博で失踪した父親からの息子へのメッセージ。モノローグとはいえ、ストライクゾーンだったが、野球がテーマじゃなければ読み続けられなかったかも。芥川賞受賞時のコメント以上の情報を持っていない作家だったが、結構好印象。

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Posted by ブクログ 2020年08月12日

三世代の親子の確執や、血筋を野球を軸に描いた作品。もう少し2つの日本シリーズの詳細を読みたかったけど、父子のやりとりはよかった

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Posted by ブクログ 2015年12月03日

最近話題になったプロ野球選手が賭博に関わった問題。読み終わってから間もなくのことだっただけに妙な縁と呼ぶのか、奇妙な繋がりもあるものだと思う。

サミュエル・ベケットの「ゴドーを待ちながら」を下地に、野球という色彩。更には最初から最後まで父親が子供に語りかける口語体で文章が綴られるという構成。かなり...続きを読む実験作的な一冊である。
読み始めは口語体であることにクドさを感じ、胸焼けの様な気分を覚え、なかなか読み進めるのには苦労した。
半ばほどで、野球観戦が好きな者であれば、現役を知らずとも名前は知っている選手について語られ、その部分は面白く読めた。
あくまでメインは主人公である父親の、父に対する思い、息子に対する思いが描かれているため、野球が中心でもなければ、「ゴドーを待ちながら」もその要素でしかない。結局は完結しない、主人公自身のための物語であった。

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Posted by ブクログ 2013年05月12日

母が憎悪する父、あの男。会いたいと渇望するのは単なる義務感なのか。いつか必ず現れる筈の父を待つ、子の役目をうまく演じようとしているだけではないのか。自分の子に語りかけながら、真実は何なのか、自らの思いを追い求める。相も変わらず結論はない。

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Posted by ブクログ 2012年05月22日

子供べやのドアの向こうで、子供に向かって話し続けるという設定が面白い。著者は野球好きなのか?自分も子供の頃の記憶が蘇ってきて楽しかった。
結論は分かっているんだけど、父親の苦悩がいろんな角度から切り出されていてなんとも言えない苦い小説。

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Posted by ブクログ 2012年05月12日

阪神の平田とか掛布、カープの山本浩二、津田、小早川、大野などわたしが子どもの頃活躍したプロ野球選手の名前が出てきてとても懐かしかったです。
今、ソフトバンクの監督になっている秋山はバック転しながらホームに帰ってきてたことがあったとか、清原もルーキーの頃はすごく爽やかだったこととか忘れかけていたことも...続きを読む思い出しました。
でも、プロ野球にあまり興味のない人はつまらないと思うかもしれません。

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Posted by ブクログ 2012年05月12日

 野球を愛しながら、野球賭博がもとで失跡した父から少年のもとに一枚の葉書が届く。「野球をやってるか」。父の願いをかなえるべきか、野球を憎む母に従うべきか。少年の心はゆれる・・・・・・。(帯より)

 三世代に亘る父と子の物語。父が語るかつて文化祭で上演することになったサミュル・ベケットの戯曲「ゴドー...続きを読むを待ちながら」。ラスト、息子への溢れる想いが余韻として残る。

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Posted by ブクログ 2012年04月22日

タイトルに惹かれて手に取ったら、あれまあ時の人。
父親が、いじめが原因野球を辞めようとする小学生の息子に自分の過去を語りかける話なんですが、小学生の息子はこんな話をされても困ると思います。
よくわからん話でしたが、何だか読むのを止められない不思議な力があります。
野球ネタはやたら細かい。

ちなみに...続きを読む文春は今月円城さんの野球ネタの小説も文庫化しています。何故?

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