田中慎弥のレビュー一覧

  • 田中慎弥の掌劇場

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    初めて田中作品を読むのに短編だったらいいだろうと思って借りた。すごくよかったのでここのレビューを見て意外だった。とはいえ内容は覚えてない・・・。

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    2012年11月25日
  • 神様のいない日本シリーズ

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    1986年日本シリーズ。この年限りで引退する広島の四番山本浩二、涙のドラフトから西武入りして高卒ルーキーながら四番に座る清原和博。
    象徴的な二人がチームの柱である両チームの闘いは、野球の神様が奇跡的な運命を起こした。
    あの日あの時こうであればというのは、野球も人生も同じこと。タラレバ禁止の世界において、希望と後悔の行き先と人間の足掻きを作者は描いていると思う。

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    2012年11月12日
  • 神様のいない日本シリーズ

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    待っているとき。時間は勝手に流れるし、何もしなくてもいいのにたまに辛いときがある。
    「待つ」という行為がなんで苦痛なのか少しだけわかった気がする。

    田中先生の作品を読むのはこれが二つめ。
    まさに男が書いた小説!といった感じです。とても面白かったです。

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    2012年10月13日
  • 田中慎弥の掌劇場

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     第146回芥川賞はニュースにかなり取り上げられたのを覚えているだろうか。「共喰い」で受賞した田中慎弥さんの会見が非常に話題になり、また受賞スピーチでも一言で終わり、インターネットだけではなく、各メディアで大きく取り上げられた。その結果「共喰い」は大ヒットし、作家としての知名度が大幅に上がった。

     もともと2008年に川端康成文学賞、三島由紀夫賞を受賞しており、何回も芥川賞候補になっているので、力はかなりある作家である。なんでもそうだが、実際に受賞した人は記憶に残るが、それ以外はすぐに人々に忘れ去られてしまう。会見及びスピーチで世間的にかなりイメージが作られてしまったが、王様のブランチや他のインタビューではもっと穏やかな表情を見せる。もちろん皮肉屋ではあるものの。

     本書は2008年から毎日新聞西部本社版文化面で連載中の作品をまとめたものである。1編の分量は3ページと読みやすい。下書きも含めて一日で書いているそうだ。語り口も設定もそれぞれ異なる37の小説で構成されている。タイトルは愛読していた川端康成の「掌の小説」からオマージュされている、「掌」とエンターテイメントの「ショー」の意味を込めて「掌劇場」だ。

     本書を読んでみると、著者がブラックユーモアたっぷりに、様々な角度で物語を描くことが得意ということがわかる。ミステリー、日常、フィクションと一冊にあらゆる形式が詰まっているのでお勧めだ。小説が苦手って思っている人が読んでみて、じょじょに短編小説、長編小説と手を伸ばしていけるきっかけになる一冊かもしれない。

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    2012年08月12日
  • 田中慎弥の掌劇場

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    ショートショートショートがたくさん入った本。淡々とした語り口で少しおかしな話が語られている。思っていたよりも面白かった。

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    2012年08月05日
  • 田中慎弥の掌劇場

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    37の短編小説集。

    日常生活の中にも非日常的な一言(ワード)を入れたり、半端なところで話を終わらせ、読み手に考えさせるところが新鮮で面白い。

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    2012年07月08日
  • 田中慎弥の掌劇場

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    難しい。今の私に解釈は。
    しかし美しい。
    そよ風に吹かれながらさらっとよみたい感じ。

    空にみたものでは、なぜか涙が流れました。
    全編通して、あぁ、田中さんは温かい人なんだろうなぁって印象を受けた。
    偏見?
    でも好きー笑

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    2012年07月04日
  • 田中慎弥の掌劇場

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    新聞への連載用ということでか、これまでのものと比べれば格段に読みやすい。視点を変え品を変え、個性的で味わい深い37編が並ぶ。いずれも結末への期待感にそそられながら、するする読める。但し結末はない。ぶつ切り多すぎで、思わず「えっ終わりっ」を連発。気持ち悪さを残しながらも不思議な想像をかきたててくれた。

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    2012年06月24日
  • 田中慎弥の掌劇場

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    3ページほどのぴりっとした作品が並んでいる。初めて作品を読んだけど、丁寧な文体が印象的だった。ごう慢な感じはどこにもない。物を決して一面的に見ない視線は厳しくて温かい、じゃないかな。震災について書いた4作品が特に好き。やっぱり、目線は低く、事実を等身大で受け止めたことを言葉にしている。

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    2012年06月18日
  • 田中慎弥の掌劇場

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    毎日新聞に掲載したショートショート集。一話3ページだから本当に短い。 毒がある内容や、時事ネタ、意味不明まで様々。
    あとがきの、「私は図らずも、小説という絵空事に命を懸けてしまっています。命を縮めて得た糧で、また命を延ばす、この掌編集も、その結果であり、過程です。」 がしっかりブンガクしているようで、何か良かった。

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    2012年06月08日
  • 田中慎弥の掌劇場

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    他の多くの方と同様、私も芥川賞の受賞インタビューで著者のことを知り、それで受賞作を読んでみた。

    この掌篇集は、2008年10月から2012年1月まで、毎日新聞西部本社版に連載されたもの。
    一篇が3頁前後、不思議でちょっと不穏な、ときにユーモラスな、そしてリリカルな掌篇が並ぶ。
    私は存外、この本の全体が好きになってしまった。
    「存外」というのは誉め言葉で、芥川賞受賞作から想像していたよりも、遥かに様々な色合いの、遥かに様々な想いを掻き立てられて、そしてそれが楽しかったのだ。

    「あとがき」で著者は、「命を縮めて得た糧で、また命を延ばす。」と記すが、たしかにこれは、著者の内面の何かを削って書かれたものだと感じる。
    見事な矜恃も感じられる。

    遅ればせながら、他の作品も読んでみたい。

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    2012年09月04日
  • 神様のいない日本シリーズ

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    野球賭博で失踪した父親からの息子へのメッセージ。モノローグとはいえ、ストライクゾーンだったが、野球がテーマじゃなければ読み続けられなかったかも。芥川賞受賞時のコメント以上の情報を持っていない作家だったが、結構好印象。

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    2012年05月11日
  • 切れた鎖

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    読んでいて、気が滅入った。
    悪夢や幻覚みたいな、行間のつまった描写は文学的なのかもしれないけど、
    巻き込まれてもいい、と思える好きな世界ではなかった。
    表題作とか、とても暗くて救いようがない感じ…
    不意の償い は、そんな中でもなんか、主人公が現実で置かれている環境、周囲からきちんと愛されている様子がちらほら、妄想の向こうに見えるのがたまに微笑ましい時があり。
    ほらほら、素直にそっちの幸せなほうに行こうよ。。と思ってしまう。
    きっと、とても不器用でいい人なんだなあ。。
    でも、意地で全部読んでしまって読後感の悪さに後悔した。。

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    2012年03月28日
  • 切れた鎖

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    「不意の償い」
    ある行為のせいで死に至ったのではないかと無意識に抱えていた罪悪感が、徐々に噴出し精神のバランスがあやふやになっていく。
    読み進むにつれて、このバランスの崩れた不安定感こそがが逆に安定した世界の様にも思えてくる。


    「蛹」
    一番好きな作品。
    内包された自己への強い自信とは裏腹に、いつまでも地上に出る事の叶わず日々悶々とする存在。
    実際は地上に出られないのではなく出たくないのであって、結局内包されていた自信とはただの虚勢である。
    考えなければいいのに。
    何も考えずに外に出て人生を謳歌して、繁殖して死ねばいいだけなのに。
    「だけなのに」が、一番難しい事なんだなと。


    「切れた鎖」
    閉鎖性、土着性と言うのはその土地に留まり続ける事で脈々と受け継がれ育まれ、精神の根幹に癌の様に巣食い、時に抗いつつも最後には諦め受け入れてしまうものなのだろう。
    全てを捨てて出て行く事が正しいとも賢い選択とも思えないのだけれど、その土地に精神に縛られたまま朽ち果てていくのは非常に哀れな事だとも思う。

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    2012年03月05日
  • 切れた鎖

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    芥川賞受賞のインタビューで、刺激的な悪態をついた著者を
    どこまでパフォーマンスが入ってるんだろ…? なんて、
    半ば、よこしまな気持ちを持って手にしたのが本書だった。
    あれは、著者の気持ちの飾り気ないストレートな発露だったろう…

    「不意の償い」「蛹」「切れた鎖」の3編…
    川端賞・三島賞のダブル受賞という随分と評価の高い短編集だ。
    小説を読む恐ろしさは、気づかずにある内面を引きずり出され、
    歪によどんだありのままの様をつきつけられることにある。

    どの作品からも、そうした領域に切り込んでゆこうとする、
    著書の文学的に真摯な姿勢を感じた…
    たとえば冒頭作「不意の償い」は、妻となった女と
    はじめて関係を持ったところから語られる…

    そのとき、親を火災で亡くし、女は子を宿した…
    いかにもつくりものめいた話だ。ただ、作品は、
    そうしたかりそめの物語には拘泥せずに、
    男のねじくれた気持ちのありようを語る…

    ありていに云ってしまえば、男が女と関係を持つ時、
    かならずや疚しさがあるに違いない…ということ…
    愛情とは、愛しながらも自らの欲情を満たすことであること…
    それは、男ののっぺきならぬ性(さが)であること…

    そんなことが、逡巡し、よどみ、ねじれながら、
    そのまま文章になっているのがこの小説だった。
    ボクには、男の偽らざる気持ちが
    ありのまま描かれているように感じられたのだ。

    負の意識を持たぬ作者の書くモノで心をえぐられることはない。
    それをストレートに表現することが、いかに難しいかは、
    なにも作家でなくとも、誰しも思うことだろう。
    そんな文体のような態度が、受賞時の作者だったのかもしれない。

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    2012年02月10日
  • 身体を記す

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    それぞれの作家さんが身体についてをどう考えているか描かれているアンソロジーなのですが少し内容が難しい部分もあり、半分くらいの理解です…。
    でもら中には「自分にもこの感覚あったなあ」ということが言語化されていてさすがでした。

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    2026年10月28日
  • 身体を記す

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    「私の身体を生きる」と対になっている。
    男性からの視点はやはり理解できないことも正直多かった。
    もちろん、硬軟さまざまな内容だったから、ジェンダーを超えた興味や気づきを得られたこともあり。

    春日太一、済東鉄腸の運動神経考。
    大人になって、運動の良さを知ることが出来たのは僥倖だ。

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    2026年10月18日
  • 身体を記す

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    他者との間で認知される性、身体への戸惑い…。町屋良平、朝井リョウなど、現代で「男性」性を帯びて生きることと真摯に向き合う書き手たちのリレー・エッセイ。「私の身体を生きる」の姉妹版。『文學会』連載を単行本化。

    自分が女性だからか、この本の文章読んで文章自体も含め男ってすごく面倒って思った。

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    2026年10月16日
  • 身体を記す

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    女性の書き手が綴る身体や性にまつわるエッセイ「私の身体を生きる」の、男性版。
    女であり女であることに違和感なく生きてきた私にとっては、女性の書いたものの方が当然共感するところは多かったけれど、男性たちの綴る文章もとても興味深かった。
    男女問わず、どんな属性の人だってそれぞれ尊重されるべきではあるけれど、同質である必要は全くないなと改めて思う。

    女性と比べて、身体やジェンダー、性のことを直接的に書いている人がかなり少ない印象を受けた。
    と同時に、男性が男性性を語ることの難しさとはこういうことかと納得させられる。社会において強い側とされる側が何をどう語るのか、語って良いのか、難しいのかもしれないけれど、もう少し踏み込んだ内容が読みたかったな、というのが正直な感想。
    身体より社会、に意識が向いているように感じた。

    その中でも田中慎弥さんの偏屈さが滲む文章がとても好きだった。好きだったとかも言われたくないのかなとか思っちゃう。なんだかいじらしい愛しさがある。

    最後の最後で朝井リョウが‘やっている’。
    両手を掴んでいたはずなのに、その手を掴んだまま大きく振り回されて、遠心力で吹っ飛ばされたような気持ちで本を閉じた。

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    2026年10月02日
  • 身体を記す

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    他の話は割と身体と(男)性について大切なことを訴えたり、考えを変えなきゃいけないことを真面目に説いていて、正論すぎてやや辟易だったりしたが、尾崎世界観が、自分の心の傷とそれの間違った解消法をプリペイドカードで例えたのが秀逸だったのと、春日太一の身体の見た目からくる運動に対するイメージのギャップと、自分の体なのに思いどおりに動かせていなかったことの気づきに共感した。

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    2026年09月30日