田中慎弥のレビュー一覧

  • 田中慎弥の掌劇場

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    毎日新聞に掲載したショートショート集。一話3ページだから本当に短い。 毒がある内容や、時事ネタ、意味不明まで様々。
    あとがきの、「私は図らずも、小説という絵空事に命を懸けてしまっています。命を縮めて得た糧で、また命を延ばす、この掌編集も、その結果であり、過程です。」 がしっかりブンガクしているようで、何か良かった。

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    2012年06月08日
  • 田中慎弥の掌劇場

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    他の多くの方と同様、私も芥川賞の受賞インタビューで著者のことを知り、それで受賞作を読んでみた。

    この掌篇集は、2008年10月から2012年1月まで、毎日新聞西部本社版に連載されたもの。
    一篇が3頁前後、不思議でちょっと不穏な、ときにユーモラスな、そしてリリカルな掌篇が並ぶ。
    私は存外、この本の全体が好きになってしまった。
    「存外」というのは誉め言葉で、芥川賞受賞作から想像していたよりも、遥かに様々な色合いの、遥かに様々な想いを掻き立てられて、そしてそれが楽しかったのだ。

    「あとがき」で著者は、「命を縮めて得た糧で、また命を延ばす。」と記すが、たしかにこれは、著者の内面の何かを削って書かれ

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    2012年09月04日
  • 神様のいない日本シリーズ

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    野球賭博で失踪した父親からの息子へのメッセージ。モノローグとはいえ、ストライクゾーンだったが、野球がテーマじゃなければ読み続けられなかったかも。芥川賞受賞時のコメント以上の情報を持っていない作家だったが、結構好印象。

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    2012年05月11日
  • 切れた鎖

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    読んでいて、気が滅入った。
    悪夢や幻覚みたいな、行間のつまった描写は文学的なのかもしれないけど、
    巻き込まれてもいい、と思える好きな世界ではなかった。
    表題作とか、とても暗くて救いようがない感じ…
    不意の償い は、そんな中でもなんか、主人公が現実で置かれている環境、周囲からきちんと愛されている様子がちらほら、妄想の向こうに見えるのがたまに微笑ましい時があり。
    ほらほら、素直にそっちの幸せなほうに行こうよ。。と思ってしまう。
    きっと、とても不器用でいい人なんだなあ。。
    でも、意地で全部読んでしまって読後感の悪さに後悔した。。

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    2012年03月28日
  • 切れた鎖

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    「不意の償い」
    ある行為のせいで死に至ったのではないかと無意識に抱えていた罪悪感が、徐々に噴出し精神のバランスがあやふやになっていく。
    読み進むにつれて、このバランスの崩れた不安定感こそがが逆に安定した世界の様にも思えてくる。


    「蛹」
    一番好きな作品。
    内包された自己への強い自信とは裏腹に、いつまでも地上に出る事の叶わず日々悶々とする存在。
    実際は地上に出られないのではなく出たくないのであって、結局内包されていた自信とはただの虚勢である。
    考えなければいいのに。
    何も考えずに外に出て人生を謳歌して、繁殖して死ねばいいだけなのに。
    「だけなのに」が、一番難しい事なんだなと。


    「切れた鎖」

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    2012年03月05日
  • 切れた鎖

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    芥川賞受賞のインタビューで、刺激的な悪態をついた著者を
    どこまでパフォーマンスが入ってるんだろ…? なんて、
    半ば、よこしまな気持ちを持って手にしたのが本書だった。
    あれは、著者の気持ちの飾り気ないストレートな発露だったろう…

    「不意の償い」「蛹」「切れた鎖」の3編…
    川端賞・三島賞のダブル受賞という随分と評価の高い短編集だ。
    小説を読む恐ろしさは、気づかずにある内面を引きずり出され、
    歪によどんだありのままの様をつきつけられることにある。

    どの作品からも、そうした領域に切り込んでゆこうとする、
    著書の文学的に真摯な姿勢を感じた…
    たとえば冒頭作「不意の償い」は、妻となった女と
    はじめて関

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    2012年02月10日
  • 共喰い

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    【共喰い】と【第三紀層の魚】の中編2つ。

    生半可じゃなく掘り下げた描写で、特に【共喰い】は自分がこれまでに掘ったことがないところが書かれていて、エネルギーを使って読んだ気がする。

    【共喰い】は、高校生男子が主人公。その父の見てられないような暴力性が主題だと思う。その暴力性に町の描写ごと飲み込まれるような体験が生々しく頭に残った。水が溢れるクライマックスの部分とその後の清々しい(と言ってはいけない気がするけど)結末。主人公が付き合っている千種との関係はどう変わったのかな?

    【第三紀層の魚】は、小学生の男の子が主人公。彼にとって大人は遠い存在で、自分の気持ちも持て余している。そんな気持ちが正

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    2026年09月15日
  • 堕落論 住めば都のディストピア

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    貴重な視点が語られるものの一冊の本とすると
    薄く残念に感じた。しかし貴重な言葉に出会うことはできた。

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    2026年08月15日
  • 孤独のレッスン(インターナショナル新書)

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    ネタバレ

    子育てが終わった今、自分の時間をどのように過ごすか。
    それが知りたくて手に取りました。

    「孤独の豊かさを知っている人には独特の気品が備わっているのものです」
    納得!

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    2026年08月01日
  • 孤独に生きよ 逃げるが勝ちの思考 増補改訂版・孤独論

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    奴隷なのか否か。世間の常識や溢れる情報。自分は自分を生きられているのか。今だからこそ共存から孤独へ、新しさから過去へ。自分とは何なのか、それをわからないわかろうとしない考えることすらできない。そんな時代への一石。

    本を読む素晴らしさに対して、
    "「美しければそれでいい、それ以上望むには及ばない」というようなことが書いてあって、中学生のわたしは「そうか、美しいことが最高だと言ってしまっていいんだ」と雷に打たれたような気になった。人間はどう生きるべきかとか、そういうことではなくて、「美しければそれでいい」と断じてしまう価値観に衝撃を受けたのです。"

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    2026年07月20日
  • 孤独に生きよ 逃げるが勝ちの思考 増補改訂版・孤独論

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    もうあまり、いろんなところで、「大学で学んでないんで」と言わないでほしい。だから思考進度が浅くてとか、だからせめてスマホを持たずにいるとか‥
    孤独先進として格好よくいてほしい。

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    2026年07月19日
  • 堕落論 住めば都のディストピア

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     男性2人の対談は珍しくもないが、タイトルに惹かれて読んでみた。男性による男性のための『堕落論』だと思った。この本を自分の人生に引き寄せて読める女性はどの程度いるのだろうか。共感できないところが多々あって、常識やら固定観念やらから自由になって、「自分独自の世界を作り上げていく」というような言説があったが、人間という普遍的な存在が念頭にあるわけではなく、男という生き物について論じているような印象を持ってしまうのは、私だけだろうか。

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    2026年06月16日
  • 堕落論 住めば都のディストピア

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    AIの手のひらの上でいいように転がされる=環境に最適化して「墜ちて」しまった方が自然に生きられるのでは?という提案の書

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    2026年05月31日
  • 共喰い

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    息子へ)
    いかにも文学作品といえる本書。確か芥川賞受賞作品。
    内容は重く、後味が悪い系。とはいえ、印象に残るという意味では良い作品なのだろう。芥川賞を取ったのもなっとくの作品だ。
    純文学が好きなのであれば読んでみて欲しい。

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    2026年05月24日
  • 孤独に生きよ 逃げるが勝ちの思考 増補改訂版・孤独論

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    大学中退してひたすら家で本を読み小説を書いて(バイトもせずに)、33歳で新人賞とってデビューっていうのはなかなか普通の人にはできない。どういう精神なのかと思うけど、別に本人とお母さんがそれでいいと思っていたら、それでいいのかもしれない。苦しみがなければいいのかなと。
    お母さんはよく我慢したもんだと思うけれども、別に母子べったりの生活だったようでもないし、半分諦めて淡々と生活してたのかもしれない。
    しかし本が大好き、本が肥やしみたいな人生って羨ましい。作家だから書いたらそのぶん、読んで体に取り込まないといけない。読書は栄養なのだ。それもなんとなくわかる。
    私も読書だけして生きていけたらいいな。ほ

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    2026年05月19日
  • 孤独に生きよ 逃げるが勝ちの思考 増補改訂版・孤独論

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    ネタバレ

    「人間の脳、身体は、いわば言葉の容れ物です。そこから言葉をどんどん出して、出したぶんだけまたどんどん容れていかなくてはならない。他者の言葉を知らずして、自分の言葉は生まれません」

    「自分の外側から言葉を獲得し続けて、内側にどんどん蓄えていき、もう収まり切らないというところまで溜まると、言葉は外に出たがるようになります。すると身体がごく自然に 『書く』というアウトプットを求めるようになるのだとわたしには思えます」

    要約すると言葉の新陳代謝を活性化しなければならないということなのではないでしょうか。

    このレビューを書くという行為も他人の言葉を容れていった後、自分の言葉でアウトプットしているこ

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    2026年04月18日
  • 孤独に生きよ 逃げるが勝ちの思考 増補改訂版・孤独論

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    内容は割と普遍的で、自己啓発本として読む方は物足りないと思うかもしれません。
    奴隷の考え方について、人は何かから独立している状態と何かに従っている状態が共存していると考えているので、著者の考えにはちょっと疑問がありました。
    とはいえ仕事でもなんでも自分の頭で考えることと、読書などで自分の内側をアップデートする必要があることは事実だと思うので改めて学べたのでよかったです。

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    2026年02月16日
  • 孤独論 逃げよ、生きよ

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    大学入試に失敗して以来15年間引きこもりながら働いたこともアルバイトすらしたことがなく、携帯もパソコンも持たない著者が組織や世の仕組みについて語っていて、面白かった。
    この生き方だと殆どの人が悩みそうなことには悩まず信念を貫いて実際小説家になって芥川賞までとるのがすごい。
    ある意味ものすごく説得力があったしこの方のお母さんもすごいと思った。
    ものすごく変わってるけどほんのり優しい人なのかもとも思いました。

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    2026年02月08日
  • 共喰い

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    100ページ程度の短編 芥川賞受賞作品
    映画視聴済 淡々と書かれてる
    映画の方がわかりやすいのか入り込みやすかった
    短いからサクッと読めたが印象に残る作品

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    2025年12月11日
  • 孤独に生きよ 逃げるが勝ちの思考 増補改訂版・孤独論

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    著者の経歴などとシンパシーを感じるところもあったので読んでみました。

    個人的には帯とまえがきで十分かなという感じでした。
    まあ孤独であることに以前ほど悩んでいないからそう感じたのかもしれません。

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    2025年12月10日