あらすじ
母に連れられた大きなお屋敷で、朱音(あかね)と朱里(あかり)という二人の神秘的な姉妹に出会った。母はなぜ「俺」を姉妹に会わせたのか。それは、母の姉である福子から聞いた、自分の出生にまつわる信じられないような秘密と、朱音たちの母の故郷である「流れる島」にまつわる悲しい神話に結びついていた――。
衝撃の『共喰い』から10年。再び下関を舞台に仕組まれた、濃密な家族と血をめぐる、少年と少女の鮮烈な神話。最新長編小説!
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Posted by ブクログ
ただのファンタジーと呼んでしまうのには、練られすぎているしリアリティがある。恐ろしいほどの筆圧。辺境の島の恐怖の構造も怪物の正体もわからないまま進む物語は、それを辿りながら前のめりになり、登場人物たちの叫びが聞こえるみたいで恐ろしくて哀しい。
いったい怪物とは何だったのか。