田中慎弥のレビュー一覧
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【図書準備室】
主人公がずっと喋っていくスタイルの文章。序盤のリズミカルな、小気味良い口調が読んでいて楽しかった。子供の頃、倒錯的な強迫観念を抱いた経験が多かれ少なかれ誰にでもあるのではないだろうか。大人になり世の中のことがわかってくるにつれ、それが無知ゆえの取るに足らない思い込みであることに気付く...続きを読むPosted by ブクログ -
◯図書準備室、冷たい水の羊ともに、まず表現の面でエンターテインメントを感じた。
◯図書準備室では、現在の語りと当時の行動のギャップに驚き、冷たい水の羊では、凄惨なイジメの描写に驚く。
◯しかし、その先に、それぞれの生きることに関する論理がある。あるのだが、なかなか読み解けず、その分心惹かれた。Posted by ブクログ -
父が一方的に息子に話し続けるという、かなり挑戦的で独特な形式で書かれている。
三世代それぞれの思いや感情の連鎖が伝わってくる。かなり面白いと感じた。Posted by ブクログ -
大変おもしろく読んだ。
共食いも宰相Aも正直途中で挫折したんだが、
これは、短いんで、もーだめだー、な瞬間がこず、最後まではい次はい次、な感じで最後まで読めた。
この人のはなんかいろいろ濃いので、好き嫌い分かれるだろうなあっと思う。
でも濃いけど、文章事体は分かりやすいとゆーか読みやすい。ので、この...続きを読むPosted by ブクログ -
野球クラブでいじめに遭い、部屋に閉じこもってしまった息子に父親が語る父(息子にとっては祖父)との野球をめぐる物語…。というと何かハートウォーミングな話を期待してしまいそうだけど、全然そういう話じゃない。
父は実家の困窮のために中卒で働くことになり、野球を諦めた。仕事が決まった日、父は愛用のバット...続きを読むPosted by ブクログ -
図書準備室、冷たい水の羊の二編からなっている本。星4つをつけたのは後者の方。図書準備室はぼちぼち。冷たい羊はいじめをあつかっている作品。いじめられている彼は自殺を考えるようになる。色々な理由をつけ、最良の日を選択する。どうなるか。暗い内容を書いている本だが、好きな感じの落ちで、読み終われば爽やかな感...続きを読むPosted by ブクログ