田中慎弥のレビュー一覧

  • 孤独に生きよ 逃げるが勝ちの思考 増補改訂版・孤独論

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    人に合わせなくてはいけないのかもしれない、社会に適応しなければいけないのかもしれないと自信を無くした時に戻って読みに来たい本。こういう生き方の人もいるから大丈夫だ。今いる場所、自分が全てではないと思わせてくれる作品

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    2026年06月09日
  • 孤独に生きよ 逃げるが勝ちの思考 増補改訂版・孤独論

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    優しくて、不器用で、誠実な内面が伝わってきます。いっそう応援したくなりました。とても折り目正しい生活をしている方です。

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    2026年06月08日
  • 図書準備室(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ニート主人公のクズっぷりが伺える祖母との会話シーン。異常に長い独白が身も蓋もない。ページを捲る毎に、祖母は遮ることもなく延々とこれを聞かされているのかと、ふと我に返る。
    小説というより漫談に近い独白が数十ページにも渡って気付いたら誰も居なくなって終わる。

    「冷たい水の羊」はいじめに遭う中学生の真夫が独自の理論でいじめを認めないことでなんとか生きる葛藤を描いている作品。故にいじめだと断定して心配してくる水原を敵視し、さらには殺意と性欲の対象にして憎悪を向けてしまう。
    各々の登場人物が自分の考えや心情を相手に向けているが、決してそれがお互いに交わることなく自己完結している。それぞれが、双方にとって、あくまで自身に関係の無いテリトリーの脇役として登場している。

    目に映る景色の表現が詩的で豊かな感じが、内向的でその人物の心情や関心にスポットが当たっているようで没入しやすい。
    そのせいか、ラストパートで鳥居の前まで来た時に決意を決めて実行したのかと驚いたが、それもこれも妄想で、何気ないいつも通りの日常が始まるところで終わる。
    ハッピーエンドと言って良いのか、決意を決めたものの、運命なのか、水原は家族と共に救急車に連れられ、一人で死のうと思って移動するも、かえって頭の中は安堵感で満たされ、高揚感と妄想で十分決意の意味など皆無になっている。

    こうして読んでみると、真夫は別に家庭環境や周囲に恵まれないわけでも、不登校を決めるわけでもなく、普通に周囲の人に接してもらい、北上らに目をつけられていることを除けば特段希望がないわけではないように思えてくる。それは真夫自身が向ける情景にも感じ取れ、決意の重さに比べれば代わり映えのしない日常の方が余程平和なものだという改心が見受けられる。

    水原を見る目が今後どう変わったのやら。

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    2026年06月04日
  • 共喰い

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    芥川賞受賞の表題作は、陰々滅々とした湿り気の多い文章が中盤にかけて続き、読みながら不快感が募っていくのだが、最終盤でそれらが濁流とともに押し流されていくカタルシスがあり、物語としてよく構成されている。
    併録される(芥川賞候補となった)『第三紀層の魚』の方には自死や死別といった重いテーマも持ちながら日常を淡々と描き、登場人物それぞれの語られない思いを想像する余白があって、どちらかと言えばこちらが好みである。
    オマケとして瀬戸内寂聴との対談が収録されるのだが、ケレン味だらけの大先輩の前で縮こまる田中慎弥氏が微笑ましい。

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    2026年05月16日
  • 孤独に生きよ 逃げるが勝ちの思考 増補改訂版・孤独論

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    YouTubeのレコメンド機能に流されて、気付けば死ぬほどどうでもいい動画を見ていたり、AIの間違いにイラついて問い詰めたり、最近そういうことが増えて自分やばいなと思ってたけど、まさに情報の奴隷ですね。

    特に印象的だったのは、田中さんが引きこもり生活中、親戚の叔父さんにそろそろ働けよ〜的な小言を言われたときに「それはそうだけど、そう言っているこの叔父さんは、川端康成じゃないしな」と思って聞き流していたというエピソード。めっちゃおもしろくて声出して笑ってしまった。川端と比べられる叔父さん不憫。
    田中さんは引きこもり中に本に没頭して、結果的に作家になれたからこのエピソードも活きますが、自分の甥が将来ニートになってこんなこと言われたら、なんかひろゆきみたいで嫌だなと思った。

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    2026年04月26日
  • 共喰い

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    ネタバレ

    ー血の呪いー
    親が異常だ
    と、知ってしまったら
    自分も異常だ、異常な人間の血が流れている
    と思ってしまいます。

    自分なら決着がついた後も、時折「血」を意識して
    一生に影響が出てしまいそう。

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    2026年09月02日
  • 田中慎弥の掌劇場

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    宇宙の起源
    宇宙より前から生きているかもしれない鯨の、片方の目には宇宙の過去が。もう片方には宇宙の未来が映っている。綺麗で残酷なお話ですきだった。

    揚羽
    死んだ女にとまる揚羽と、カーテンレールを見上げる男。これもなんか切なくてすき。

    うどんにしよう
    わお。

    男たち
    わらうw金や麻生太郎、太宰治に三島由紀夫が対話してる。内容もおもしろすぎる。

    見えないもの
    暗闇すぎて悪夢。眼球が無くなったあとの穴に触れてみた、なんて怖い表現だけど、指先が微かに濡れた、ってなんか綺麗だなと思っちゃった。


    どれも悪夢みたいな話で、夢と現実の狭間的な話がすきな私には、すきな本だった。

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    2026年04月10日
  • 死神

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    よくぞ生き延びてこの本を世に届けてくれた、ありがとうと思った。どんな苦難に満ちた人生でも小説という表現する場があることでよい教材になるし、誰かを照らしてくれるものになる。

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    2026年03月21日
  • 孤独に生きよ 逃げるが勝ちの思考 増補改訂版・孤独論

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    内容に関しては当たり前のことではあったが、
    自分が言語化できなかった部分まで深く理解することができた。

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    2026年03月11日
  • 孤独論 逃げよ、生きよ

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    面白かったです。

    一番思ったのは、主体性を放棄した思考停止の奴隷にだけはなりたくないということです。

    やってみようと思ったのは、古典や文学作品をもっと読んでみようということです。内容がよくわからない状態を怖れず、楽しみながら読めればいいなと思いました。

    田中さんが言っていた「棚からぼたもち論」は、すごく感心しました。せめてお皿を持ち棚の下に行き、手を差し出しておくことくらいはやらないと。とても励みになりました。
    やはり、怠惰だけはいけません。

    田中さんの小説も読んでみたいと思いました。

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    2026年02月06日
  • 死神

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    作品を創るってどういうことなのだろうと考えた。
    何か作品を観ると、それが優れたものであるほど作者の事を知りたくなる。
    作品に内包された作者自身の苦悩、考え、生き方がその作品の魅力に直結している事は多いと思う。
    そういう意味でこの『死神』は、作者自身の人生と、小説的なフィクションを一緒くたに描くことで「創る」という行為の意味を読者に問いかけてきているように感じた。

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    2026年01月22日
  • 孤独に生きよ 逃げるが勝ちの思考 増補改訂版・孤独論

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    読書ってやっぱいいなって再確認した
    働き方や仕事についてもう一度よく考えてみる
    労働の奴隷や本の奴隷にならないように自分で考えて自分で決めていこうと思う
    もともとsnsに割く時間が多かったけど、これを機に辞めてみることにした

    田中慎弥さんの暮らしぶりがかなりアナログで電子機器を全く使用していないことに驚いた
    余計な雑念が入らなそうでデジタル機器がなかった昭和世代を羨ましく思うことがあったが、やろうと思えば現代でもできるんだなと思った

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    2025年12月24日
  • 孤独に生きよ 逃げるが勝ちの思考 増補改訂版・孤独論

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    ピンと来て読み始めました。やはり、著者と自分の価値観というか世界観が肌に合うなぁ、と感じます。

    田中慎弥さんの作品を読んでみたいな、と思いましたね。生きづらいと思う方におすすめ、かも。

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    2025年10月17日
  • 孤独に生きよ 逃げるが勝ちの思考 増補改訂版・孤独論

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    完全な孤独などない、独りの時間が思考を強化する、新しい発見は過去にある、なぜ読書が必要か、など色んな角度からのメッセージが妙に刺さって一気読みしました。あー我、孤独なりよ。

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    2025年10月15日
  • 孤独論 逃げよ、生きよ

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    口述筆記らしく、田中慎弥本人の執筆では無い。
    うーん何だろう。面白かったし、真っ当なことを書いてあったけど、衝撃的な事は書いてなくて、だからこそためになるというか、そこに真実が担保されている様な気がしました

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    2025年09月10日
  • 共喰い

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    読み始めから、暴力性と、閉じた世界の閉塞感が心地悪かったが、生き生きとした会話のせいか、いつの間にか引き込まれていた。

    「共喰い」とは、遠馬と父親の関係であろう。
    そしてそこに、生命力に溢れ泥にまみれた、ヌメヌメとうごめく鰻が重なる。
    遠馬は父を、暴力を否定しつつ、自分の中にもそれがうごめいていることを感じ、自分自身をも否定し、しかし否定しきれない。父の呪縛を超えなければ、自分の生は否定される。

    言い換えればこれは、伝統的な「父親殺し」の物語でもあるのだろうか。
    しかし遠馬は、自らの手で父を殺すことができなかった。
    殺したのは、仁子。これはおそらく、神のメタファーだろう。遠馬の父親と社で出会ったこと、毎日お参りをしていること、遠馬の父を殺したあと川面に浮かんでいるように見えたこと、別れた後はじめて橋を渡り遠馬の父を殺し、止まっていた生理がはじまったことなどから、そう思われる。

    とすると、これは父親殺しの物語ではなく、神による鬼退治の物語なのか。
    神は、乱暴だが偏見のない心を持つ鬼を夫としたが、その子が鬼の子であることに気付き、夫と別れて橋を渡った。
    ある時、鬼が生きていると、鬼の子が生きていけないことに気付いた神は、再び橋を渡って戻り、鬼を殺したのだ。

    鬼の子である遠馬は、いずれはやはり、鬼になってしまうのか。

    いや、遠馬は父と違って、鰻を食べなかった。
    神の言いつけを守り、共喰いしなかったのだ。

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    2025年08月29日
  • 死神

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    田中さんの私小説なのかな。面白かった。
    YouTubeで著書「孤独に生きる」の話をしている姿を見て、興味を持った。
    普通の人が話題にしないような、でも、誰もが思っているような、そんなことが書かれているように感じて、共感もあったし、ホッとするところもあった。

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    2025年08月28日
  • 完全犯罪の恋

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    完全犯罪とは。
    露見しない、犯人・被害者が特定できない、証拠が残らない。
    緑との恋は最初こそ露見せず、お、タイトル回収早いですね~とミスリードされましたが、完全犯罪の主語は緑であり、静だったのですね。

    紗倉まなさんの書評が良かった。
    静のことを書いている”成敗しなければ気が済まない”という表現、かなり好き。

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    2025年07月29日
  • 孤独に生きよ 逃げるが勝ちの思考 増補改訂版・孤独論

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    受賞の際のインタビューの反応から
    ちょっと違和感を感じた作家

    読んでみて家族関係や
    幼少期からの自己の思考や考え方が
    確立されてきたことは理解できた

    人間は孤独な存在
    どんなにいい家族関係であろうと
    一人一人は 結局は一人で孤独と向き合うことになる
    いかに孤独と親しみその中で己を
    見つめることができるかが大切では
    ないだろうか

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    2025年07月17日
  • 共喰い

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    著者のネットでのインタビューを見て、著書を読んでみたくなった。

    情景と、人物の描写が浮かぶ。
    主人公、17歳の篠崎遠馬は
    生みの親である母は、魚屋を一人で生計をたてている。
    近所だが一緒に住まず、たまに訪問するような間柄
    父と再婚相手の義母と暮らす。
    父は、暴力を伴う性癖があり実母にも義母も同じことをしてきた。
    自分の中にもその衝動を感じ彼女の千種に暴力をふるってしまうことに戸惑う。

    倫理とか、そういうのを超えた暴力性が男性の性の表現かもしれない。
    少しわからなったのは、女性達がどう思っていたのかだ。

    お母さんにしても、琴子さんにしても、暴力を振るわれていてもお父さんのことが好きだったから一緒にいたのか。生活のためなのか。

    最後に、琴子さんが逃げ、お父さんの暴力性が千種に向かった。
    そのことを知った母は、覚悟を決めたようにお父さんを義手で殺害したのだ。
    この結末をみると、女性達は耐えていたということなのか。

    最後に収録されていた、瀬戸内寂聴さんとの対談が面白かった。

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    2025年07月13日