田中慎弥のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
宇宙の起源
宇宙より前から生きているかもしれない鯨の、片方の目には宇宙の過去が。もう片方には宇宙の未来が映っている。綺麗で残酷なお話ですきだった。
揚羽
死んだ女にとまる揚羽と、カーテンレールを見上げる男。これもなんか切なくてすき。
うどんにしよう
わお。
男たち
わらうw金や麻生太郎、太宰治に三島由紀夫が対話してる。内容もおもしろすぎる。
見えないもの
暗闇すぎて悪夢。眼球が無くなったあとの穴に触れてみた、なんて怖い表現だけど、指先が微かに濡れた、ってなんか綺麗だなと思っちゃった。
どれも悪夢みたいな話で、夢と現実の狭間的な話がすきな私には、すきな本だった。 -
Posted by ブクログ
読み始めから、暴力性と、閉じた世界の閉塞感が心地悪かったが、生き生きとした会話のせいか、いつの間にか引き込まれていた。
「共喰い」とは、遠馬と父親の関係であろう。
そしてそこに、生命力に溢れ泥にまみれた、ヌメヌメとうごめく鰻が重なる。
遠馬は父を、暴力を否定しつつ、自分の中にもそれがうごめいていることを感じ、自分自身をも否定し、しかし否定しきれない。父の呪縛を超えなければ、自分の生は否定される。
言い換えればこれは、伝統的な「父親殺し」の物語でもあるのだろうか。
しかし遠馬は、自らの手で父を殺すことができなかった。
殺したのは、仁子。これはおそらく、神のメタファーだろう。遠馬の父親と社で出 -
Posted by ブクログ
著者のネットでのインタビューを見て、著書を読んでみたくなった。
情景と、人物の描写が浮かぶ。
主人公、17歳の篠崎遠馬は
生みの親である母は、魚屋を一人で生計をたてている。
近所だが一緒に住まず、たまに訪問するような間柄
父と再婚相手の義母と暮らす。
父は、暴力を伴う性癖があり実母にも義母も同じことをしてきた。
自分の中にもその衝動を感じ彼女の千種に暴力をふるってしまうことに戸惑う。
倫理とか、そういうのを超えた暴力性が男性の性の表現かもしれない。
少しわからなったのは、女性達がどう思っていたのかだ。
お母さんにしても、琴子さんにしても、暴力を振るわれていてもお父さんのことが好きだったか