田中慎弥のレビュー一覧

  • 神様のいない日本シリーズ

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    タイトルに惹かれて手に取ったら、あれまあ時の人。
    父親が、いじめが原因野球を辞めようとする小学生の息子に自分の過去を語りかける話なんですが、小学生の息子はこんな話をされても困ると思います。
    よくわからん話でしたが、何だか読むのを止められない不思議な力があります。
    野球ネタはやたら細かい。

    ちなみに文春は今月円城さんの野球ネタの小説も文庫化しています。何故?

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    2012年04月22日
  • 切れた鎖

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    芥川賞受賞コメントで一躍時の人になった田中慎弥氏の川端賞・三島賞同時受賞作。
    個人的には、「不意の償い」の主人公の精神が崩壊していく過程が面白い。妄想と現実の狭間を独特な描写で表現する筆力のある作家と思う。
    何を差し置いても、文学の可能性を追求するという気概を感じる田中慎弥氏の今後を期待する。

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    2012年03月16日
  • 切れた鎖

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    個人的には「蛹」が面白かった。蛹と化した私が語る土の中の世界。外の世界に出ていくのか常なのに、あれこれ理由をつけてずっと土の中にとどまっている。モラトリアム蛹。あとがきの言葉を借りれば、究極のひきこもり。
    「不意の償い」と「切れた鎖」は「生(性)と死」「血脈」がテーマでしょうか。「切れた鎖」はちょっと読みにくかった。時々時系列が解らなくなるんだよな〜。とにかくまた再読してみます。田中さんの作品結構好きかも。

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    2012年03月03日
  • 切れた鎖

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    一躍時の人となってしまった「もらっといてやる」の人の作品。
    純文学の小難しさや自然に時折混ざる隠喩、それとラノベの緻密すぎる状況描写を足して割ったような作風。
    そもそも理解するのが難しい感じ。
    確実に人によって好みは分かれるだろうし、「よくわからないからつまらない」って人がかなりいそうな気がする。
    不意の償いは死から生へと結びついていく話。途中主人公が失調症にでもかかったのかと思った。女は宇宙、という言葉が読後に浮かんだ。
    どの作品もツカミはかなり強いけど全体的に落ちとして無理に収束はさせてない雰囲気。描写はラノベ風で一つ一つが意味ありげに見えるので、そこをしっかり読み解いていったらおもしろい

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    2012年02月21日
  • 切れた鎖

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    三作品が収録されています。

    巻頭の「不意の償い」では暴力と性愛、死と生が一つに融合する瞬間が、一人の男の妄想がリアルに描かれています。


    筆者が社会を虫等の生物にとっての地上、社会から隔絶された部分を地下に例えて、自らの生き方、思考、心情について語った「蛹」。


    巻末の「切れた鎖」では裕福な旧家とその裏手に建てられた正体不明の新興のキリスト教会とのあり方を対比させながら、祖父ー父ー息子という関係性の基本構造と鏡像のように逆転した、祖母ー母ー娘という三代の物語が描かれています。

    どれも独創性豊な内容で、解りやすい物語性とは違い、自信の無意識から発する原型的なイメージで表現されているように

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    2012年02月12日
  • 切れた鎖

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    天気の描写にも、こんなにも豊かな表現があるのか。
    描かれた世界は閉ざされた狭いものなのに、それを表現することばは、内面の描写も世界の描写もとても独創的で、重苦しさと対照的。

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    2012年01月12日