田中慎弥のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一躍時の人となってしまった「もらっといてやる」の人の作品。
純文学の小難しさや自然に時折混ざる隠喩、それとラノベの緻密すぎる状況描写を足して割ったような作風。
そもそも理解するのが難しい感じ。
確実に人によって好みは分かれるだろうし、「よくわからないからつまらない」って人がかなりいそうな気がする。
不意の償いは死から生へと結びついていく話。途中主人公が失調症にでもかかったのかと思った。女は宇宙、という言葉が読後に浮かんだ。
どの作品もツカミはかなり強いけど全体的に落ちとして無理に収束はさせてない雰囲気。描写はラノベ風で一つ一つが意味ありげに見えるので、そこをしっかり読み解いていったらおもしろい -
Posted by ブクログ
三作品が収録されています。
巻頭の「不意の償い」では暴力と性愛、死と生が一つに融合する瞬間が、一人の男の妄想がリアルに描かれています。
筆者が社会を虫等の生物にとっての地上、社会から隔絶された部分を地下に例えて、自らの生き方、思考、心情について語った「蛹」。
巻末の「切れた鎖」では裕福な旧家とその裏手に建てられた正体不明の新興のキリスト教会とのあり方を対比させながら、祖父ー父ー息子という関係性の基本構造と鏡像のように逆転した、祖母ー母ー娘という三代の物語が描かれています。
どれも独創性豊な内容で、解りやすい物語性とは違い、自信の無意識から発する原型的なイメージで表現されているように