あらすじ
作家デビューまで貫き通した、15年間の引きこもり。
つるまず、群れず、自分を失わず。
孤高の芥川賞作家による、反時代的幸福論。
「疲れ果て、思考停止に陥っていないだろうか?
それは死んでいるも同然だ。世間の奴隷である。
打開策は1つ。四の五の言わず、現状から逃げろ」(著者)
PC、スマホは持たず、ネットとも無縁。
鉛筆を手にひたすら原稿用紙に向かう日々。
アナログすぎる? それでいいのだ。
非効率のなかにこそ生きる実感がある。
※本書は『孤独論 ~逃げよ、生きよ~』(2017年2月/徳間書店)を加筆・再構成し、新たな章「家族は孤独を癒すのか」を追加のうえ改題したものです。
■目次
第一章 奴隷状態から抜け出す
従うことの「罠」/奴隷と非奴隷の分かれ目/
いまいる場所から逃げろ/引きこもりは生きるための立派な術/
逃げたあとにやるべきこと
第二章 便利さと生きづらさ
情報の奴隷/自分の欲求を見つめる/
「怖さ」に敏感であれ/肉体に耳を傾けろ
第三章 孤独であること
孤独は解消できない/不安に耐えろ
独りの時間が思考を強化する/チャンスを活かすための準備/図書館は孤独になるのにうってつけ
第四章 なぜ読書が必要なのか
内容が理解できなくてもいい/奴隷状態からの突破口/
本を読む心意気/無駄なものに触れる/
本の選び方/自分と他人を差別化する言葉
第五章 やりたくないことはやるな
学校の勉強は身になるのか/「美しければそれでいい」/
嘘は嘘なりにしっかりと/一日一回机の前に座る/
第六章 職業とは
肩書きの使い方/惰性は通用しない/
職業意識と覚悟/怠惰な暮らしの先に/
ブラック企業について
第七章 家族は孤独を癒すのか
「理想の家族」は幻想/結婚で失うもの/
親子関係の絶対的な影響/母とは何者なのか
――など
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Posted by ブクログ
あっという間に読めました。
不思議な文体だなと思ったら
紙に鉛筆ではなかったんですね☺️それも良かったです。
今ワタシに必要な本でした。
逃げなくてもいいよ。
いろいろやってみても。
…とも書いてあって救われました。
Posted by ブクログ
ピンと来て読み始めました。やはり、著者と自分の価値観というか世界観が肌に合うなぁ、と感じます。
田中慎弥さんの作品を読んでみたいな、と思いましたね。生きづらいと思う方におすすめ、かも。
Posted by ブクログ
完全な孤独などない、独りの時間が思考を強化する、新しい発見は過去にある、なぜ読書が必要か、など色んな角度からのメッセージが妙に刺さって一気読みしました。あー我、孤独なりよ。
Posted by ブクログ
受賞の際のインタビューの反応から
ちょっと違和感を感じた作家
読んでみて家族関係や
幼少期からの自己の思考や考え方が
確立されてきたことは理解できた
人間は孤独な存在
どんなにいい家族関係であろうと
一人一人は 結局は一人で孤独と向き合うことになる
いかに孤独と親しみその中で己を
見つめることができるかが大切では
ないだろうか
Posted by ブクログ
第四章「なぜ読書が必要なのか」、第六章の「「棚からぼた餅」論」、第七章「家族は孤独を癒すのか」は特に興味深く、作家らしい洞察力に満ちた独自の視点に膝を打って読んだ。
他の箇所については、部分的には共感するのだが、根底に流れる「同調圧力とか嫌なことからは逃げていいけど、まあ最終的には努力とか自己責任の能力主義だよね」みたいな雰囲気が、どこか青木真也の著書『空気を読んではいけない』みたいな、尖った経歴の人が強者の目線から私的自論をつらつらと述べる 2010年代の煽り系ビジネス書(?)に似てて、2025年に出た本にしては古い論調だな…と思ってしまった。
本著は2017年に出た著書を再構成・加筆したものとのこと。どうりで。この論調のタイムラグは、本書を読む上で念頭に置いたほうがいいのかも?