【感想・ネタバレ】地に這うものの記録のレビュー

あらすじ

「僕の名前はポール」--再開発計画に揺れる駅前ビルに突如現れたのは、一匹の喋るネズミ! 市議会議員の浦田さんの助けを得ながら、欲望うずまく人間たちの世界に飛び込んでいく。ついには、堂々市議会に登壇し、大演説をぶつことに。聖書の昔から続く人間とネズミの深い因縁は、はたして今日どのような結末を見ることになるのか? 近作『ひよこ太陽』で泉鏡花賞を受賞し波に乗る芥川賞作家が新境地に挑んだ、仰天寓話小説。

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Posted by ブクログ

ねずみが言葉を喋ると言うことを通して、言葉とは何かを炙り出す。

言葉とエゴ(さなぎ)、言葉の起源(パパ)、言葉の恣意性(ドンの議員)、言葉の限界(恋愛)、言語の暴力(さなぎ)。

言葉を使うには弱くなければならないというフレーズが印象的だった。

最後の市議会でのやりとりは熱かった。

その後の闘争は難しい。
青い目、赤い目、パパが何のメタファーなのか。

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2021年01月12日

Posted by ブクログ

言葉を話すネズミのポール。1号ビルの再建を求めて市議会にで演説をふるう。喋るネズミの寓話。ポールのへ理屈は止まらず、人間との掛け合いもぎくしゃく。一体このネズミの意図するところは何なのか?ついでに作者の意図するところも何なのか?田中慎弥特有のまどろっこしい言葉の羅列で、ポールの小さな脳味噌をパンクさせようとしているのに違いない。なかなか読み難しい本で、作者の思うツボ。

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2020年05月25日

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