あらすじ
「僕の名前はポール」--再開発計画に揺れる駅前ビルに突如現れたのは、一匹の喋るネズミ! 市議会議員の浦田さんの助けを得ながら、欲望うずまく人間たちの世界に飛び込んでいく。ついには、堂々市議会に登壇し、大演説をぶつことに。聖書の昔から続く人間とネズミの深い因縁は、はたして今日どのような結末を見ることになるのか? 近作『ひよこ太陽』で泉鏡花賞を受賞し波に乗る芥川賞作家が新境地に挑んだ、仰天寓話小説。
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Posted by ブクログ
ねずみが言葉を喋ると言うことを通して、言葉とは何かを炙り出す。
言葉とエゴ(さなぎ)、言葉の起源(パパ)、言葉の恣意性(ドンの議員)、言葉の限界(恋愛)、言語の暴力(さなぎ)。
言葉を使うには弱くなければならないというフレーズが印象的だった。
最後の市議会でのやりとりは熱かった。
その後の闘争は難しい。
青い目、赤い目、パパが何のメタファーなのか。