小手鞠るいのレビュー一覧
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本の話だから、まあ予想がつくけど、と侮っていたら、結構いけた。凸凹はあるが。今まで読んだことのなかった作家のものが新鮮でよかった。この作家、読んでみようかという気にさせる。
中田永一「メアリー・スーを殺して」この小説自体がメアリー・スーぽいがなあ。
宮下奈都「旅立ちの日に」期待したけどねえ。手抜き。
原田マハ「砂に埋もれたル・コルビュジェ」ピンと来ない。
小手鞠るい「ページの角の折れた本」さすが元詩人だけあって、描写が美しい。物語もいい。
朱野帰子「初めて本を作るあなたがすべきこと」察してちゃんの夫への対応に苦労する主人公が面白い。
沢木まひろ「時田風音の受難」官能小説家と編集者との対峙に笑っ -
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杏子と幹広、そしてみずきと明典、2組の不倫カップルの恋。
女性側はそれぞれ若い時に離婚歴があり、現在独身の30代。たまたま恋に落ちてしまった相手が既婚者だったという(それを知らないうちに好きになってしまっていた)ごく普通の女性たち。
厚めの本で、わりと短いエピソードが順番に描かれているので、「不倫の恋にはこういうことや苦しみや罪悪感などがあるだろう」と思える内容がてんこ盛りで、自分自身もそういう苦しい恋をひとつ経験したような気分になった。
おしゃべりで外交的な杏子と、物静かで本の世界に浸るのが大好きなみずき。ぱっと見は対照的な2人。
杏子とみずきの間には関わりはないけれど、読み進めていくにつ -
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ネタバレ大人になった自分が意識してはじめて買った恋愛小説かもしれない。恋愛小説が嫌いなわけではないが、わざわざ購入してまで読むほどに好きなジャンルでもないのが理由。個人的には手紙のやり取りというのがそもそも好きなので、この本はすんなり入っていけたのかも。
出会いの珍しいシチュエーションに比して、中間のエンキョリレンアイとしてのやり取りはとても丁寧で、誰にでも起こりそうな積み重ねであることに惹き付けられた。そして、通信手段が限られ、離れているからこそ、丁寧にお互いを知っていこうとするやり取りに、胸が苦しいほどの甘酸っぱさと憧れを感じた。顔を会わせていればわかり合えるかというとそうではないのは周知の通り。 -
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苦しい。
自分と重ねてしまって、吐きそうになりながら、泣きながら読んだ。
「欲しいのは、あなただけ。」あなたとの子供が欲しいんじゃない。家庭が欲しいんじゃない。「あなた自身」がほしい。
一卵性双生児みたいになりたい。別々の人間じゃなくて一緒になりたい。ドロドロに溶け合って、一つになりたい。
かもめは、自分で終わらせることが出来るから強い。
刺さる人には刺さるし、分からない人には分からないだろうなと思った。
ものすごく人を選ぶ作品だと思う。
好きな人を好きでたまらなくて、幸せな中にも不安と苦しみと焦燥感がある人は刺さって辛いんじゃないかな。 -
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僕と千波瑠は八つ違い。
僕は彼女を「ハルちゃん」と呼び、彼女は僕を「なっくん」と読んでいた。初恋の相手でもあった、憧れの美しい叔母・千波瑠が、14年間暮らしたNYのアパートで、僕は一人彼女の残した秘密の恋の残骸を整理する事となり…。
一言で言えば、折角の若さ・美貌・知性・情熱・一途さを、報われない不倫の恋に捧げてしまった女性の手記を主軸とした展開なのだが、彼女を蔑んだり哀れんだりする気にはならなかった。
親しかった甥にも、他の誰にも打ち明けたり泣き付いたりせず、全てを自分の中だけに秘めて、死期を悟った猫のように、いつの間にか姿をくらませる千波留の恋は、孤独で後ろ暗い反面、自由で気高いように -
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ネタバレねこの町シリーズ
大好きに奥様を亡くした犬の村のジョンソンさんに
ふたごのねこのレオとルルのおかあさんのリリアさんのパンで元気づけようとします。
やきたてのパンには、かなしみの形を変えることのできる、ふしぎな力がある「パンのひみつ」
いろんなパンがおいしそう!
パンのまめちしき
作り方が発見されたのは、五千年ほどむかしのエジプトの偶然の出来事から
ある日やくのを忘れて一日ほうっておいたら生地がふくらみそれをやいてみたらふっくらとしたおいしいパンができた
日本には、およそ四百五十年前の戦国時代にやってきた。織田信長も食べていた。