ひまわりめろん師匠からの夏の課題図書。兄弟子の1Q8401さんも早々に読まれている事ですし早速拝読しました。
本に関するレビューは素晴らしいものを一門の皆さん始め、多くの方があげていらっしゃるので私は思った事を素直に書こうと思います。
まず、日本の教育機関もこういったディベートの授業を取り入れるべきだと思います。
本書では自発的にジャスミンが討論会を催しましたが、アメリカではそもそも授業の一環としてディベートが取り入れられています。(主に政治に関してらしいですが)
本書にも書かれていましたが、日本人は本来思いやりが深く、他人の意見を尊重し寄り添う事が出来ます。
ところが、どうも昨今は寄り添うという行為が、行き過ぎた同調圧力に変わってしまっている気がしてなりません。
以前に60代の方とお話する機会があったのですが「僕が若い頃の日本人は、皆もっと他人を思いやる事が出来た。今は他人を思いやる余裕の無い人が多い。」と仰っていました。
終身雇用が瓦解し、経済も不安定になりSNSに支配され、日本全体がどことなく暗くなっているからという理由もあるとは思うのですが、本書のように意見を激しく戦わせても相手を尊重し合う、これを少しでも良いので日本人も出来るようにならないと、これからの日本のより良い未来への1歩が進めない時代になって来ている気がしています。
SNSで好き放題に意見を書き散らかして相手を否定して、討論をしたつもりになっている残念な方々には是非とも本書を読んで頂きたい。
真の意見交換とは何かを学んだ方が良いと思う。
話が逸れましたが、本書を読む前に予習として井上吉國さん著『あの日の前後』(原爆の体験記)と、回天の操縦士として散って行かれた隊員の方々の遺書を拝読した事が原因で、本書の原爆肯定派達の意見に対して本気で頭に来てしまう自分がいました。
特に肯定派のスノーマンの発表に怒り心頭してまった私。
〈安らかに眠って下さい
過ちは
繰返しませぬから〉
日本人が慰霊碑に刻んだこの三行を参考文献に、日本人も軍事基地であった広島が狙われた事実を受け入れていると解釈した彼。
「いいですか、ぼくも、ぼくたちも決して、原爆投下を無条件で肯定しているわけではないのです。戦争中ではありましたが、あのように非人道的な破壊兵器が使用されたことについては、胸を痛めています。広島、そして、長崎で亡くなった人たち、いえ、戦争によって傷つき、亡くなった人たち全員の悪よ、安らかに眠れと願っています。ただ、アメリカ人としてぼくらが忘れてはならないことは、日本人がみずから、自分たちの犯したあやまちを反省しているということ。日本人の懺悔、日本人の反省に敬意を表するためにも、ぼくたちは原爆投下を肯定していきます。それをしなかったら、日本人の懺悔に報いることはできません。」
待て待てぇーい!!!
これはそういう意味じゃねえよ!!
今すぐ私も参加させろ!こんちくしょうが!!
と息巻いていたのですが、待っていた最終討論で大反省しました。
日本人を母に持つ主人公のメイが、きちんと冷静に心を込めてこれに対して反論します。
結局は私もディベート慣れしていない未熟者なのです。
そうでなくても戦史については少し右寄りになってしまう癖があるので、戦史を学ぶ時はそこに1番注意を払っていたつもりなのですが、まだまだ若輩者だと思い知りました。
最終討論…稚拙な感想しか出てこないのですが、非常に感動しました。本当に感動した。
こんなに真剣に世界平和について心を込めて考える学生の様子を、創作とは言え目にする事が出来るなんて。
特に442連隊を例にあげた発表は本当に胸が熱くなりました。極限の状況でも人は命を懸けて他者を救おうとできるんです。
戦争を無くせる日が本当に来るかもしれないと夢を見させてくれる発表でした。
(命令だから、という意見もあるとは思いますが)
アメリカが悪いとか日本が悪いとかそういうミクロ視点から見るのではなく、国家、人種を超えて相手を尊重して理解しようとしなければ世界から戦争は無くならないんですよね。
戦争は必要悪だという意見を持って来られたら残念ながら今の私では全否定は出来ません。
真珠湾攻撃も、やらざるを得なかった日本の事情も分かりますし、アメリカとの戦争にずっと反対していた山本五十六艦長が奇しくも英雄になってしまった心境を思うとその葛藤はいかほどだろうかと切なくなります。
だから私達はこういった書物を手に取り、学び、全否定までは出来ずとも肯定派に「確かにそうかも知れない」と思いとどまらせる事が出来るようにならなければならない。
ひまわりめろん師匠、確かにこれは課題図書にするべき作品だと思いました。
なんなら全学校の夏の課題図書にしても良いと思います。
素晴らしい作品でした、ありがとうございました!!
原爆投下についての私の意見なのですが、
こればかりは怒り120%です。
この手の話を書き出すと際限がなくなってくるので簡単に書かせて頂きます。
彼だけが悪いと言う訳ではないんですがね。
トルーマン大統領…
ソ連が日本に進軍すると決めた時点で日本が降伏に向かう事自体、分かってたでしょうが!!
落とす必要がどこにあるんだよ!実験だか人種差別だか、経済悪化のせいだか、世界のリーダーになるためだか知らないけど、やってる事が某ちょび髭と同レベルだからな!!!
やはり私は討論には向いていないかも知れない…(猛省せよ)
最後に本書とは関係ないのですが、回天と共に散っていった隊員の同期であった方の一言がシンプルながらも説得力があり、今でも頭に残っていますので書いておきたいと思います。本当に簡単な言葉です。
「戦争は、いかんな。」
あ、1Qさん。今回の感想文は第三の人格、雪見酒αが半分出ばっています。(台無し)