小手鞠るいのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読みたいと思っていたのをやっと…。
毎年夏になると気になっていて、夏が過ぎる前に読もうと、ようやくである。
アメリカに住む8人の高校生が、「原爆」について公開討論会をする話である。
原爆肯定派と否定派が話す内容の濃さは、想像をはるかに超えていた。
きっかけが何であるのか…
真珠湾攻撃が卑怯だったのか…
南京虐殺は…
人種差別は…
日本人部隊第442連隊のこと
日本の教科書に書かれてあることの意味。
最後に何故戦争をするのか⁇
戦う相手は、人間であってはならない。
われわれの共通の敵は、無知や憎悪や偏見であり、憎しみは外側じゃなくて内側だと気づかされた。
考えて考えて、もし結論が出な -
Posted by ブクログ
人類の長い歴史の中で見れば、79年という「年齢の隔たり」は人類の誕生を20万年前だとすれば短い、と小手鞠氏は書いている。
「川滝少年のスケッチブック」の感想を書いてくれた、令和の十二歳と、昭和の十二歳の川滝少年の年の差である。
人の一生もとても短いと思う。
特に、人が自分の生きてきた道を振り返るとき、人生100年時代になった今でも、その人にとっては一生のすべてが「つい昨日のできごと」なのではないか。
太平洋戦争を経験した人は、戦後80年経ったって、それはつい昨日のできごとなのである。
逆に、自分の人生に無かったことは、それがたとえ生まれる前年の出来事であっても、知らない出来事であり、リアルに考 -
Posted by ブクログ
ネタバレ5つの恋の物語。
ピアニストを目指す愛理、父とアメリカに住む晴樹、花が大好きな世緒莉、ニューヨークのボーイフレンドに会いに行く夢美、ベイカリーカフェりんごの木で働きながら定時制の高校に通うまりな。
それぞれ一人称で紡がれる恋の軌跡。
読み始めは「わたしは/ぼくは」でつらつらと書かれる感情的な文章が取っ付きにくいと感じたのと、それぞれのお話の主人公や登場人物にもっと深みがありそうなのに、サラッと描くんだなあ、短編として描くにしては設定が盛り盛りだなあと感じていました。
それらの謎が解けたのが、あとがきの後の作品紹介です。
それぞれのお話に出てきた子達のお話がちゃんと本としてありました。驚き -
Posted by ブクログ
ブク友さんの間で、課題図書ともいわれていたのにやっと今ごろ手に取りました。
紹介してくださったブク友の皆さま方、ありがとうございます。
2004年の夏、出身国の異なる八人の高校生が、日本の広島、長崎への原爆投下についての公開討論会をするお話です。
八人は原爆肯定派四人と、原爆否定派四人に分かれて一人づつ交代に議論を交わします。
主人公で十年後日本の中学の先生になったメイは日本生まれで否定派です。
私は中学や高校の時、歴史の授業では近代史はいつも、教科書に授業が追い付かず、広島、長崎のことはあまり学んだ記憶がありません。
日本がどれだけ戦争で悪いことをしていたのかは、全然知りません