小手鞠るいのレビュー一覧

  • 猫の形をした幸福

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    泣けて仕方がない...猫と暮らしている(あるいは過去暮らしていた)読者はみんな同じはず。
    作中の猫の仕草や夫婦の会話など共感しきり。猫が来てから我が家の中心は間違いなく猫。子供のような存在。猫を置いて旅行に出かけるシーンの心理的な描写などとてもリアルで、実体験に基づいているんだろうな。
    その日を想像するだけで胸が締め付けられるけど、精一杯可愛がってのびのびと過ごしてもらいたいと思った。

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    2021年03月28日
  • ラストは初めから決まっていた

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    ネタバレ

    読み始めた時と読んだ後の印象がこんなに変わるお話しはあまりないと思う。読んだ後は続きが読みたい、2人は出会ってどんなお話をしたのか知りたいと切実に思いました。イマスグアイタイ。この言葉で心を掴まれました。

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    2021年01月30日
  • 恋するからだ

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    結婚観、恋愛観が今の私にとても刺さった。
    大事なものを失わないように生きたいけど、いっきに失ってしまうときもある。

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    2020年12月26日
  • 窓

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    ネタバレ

    窓香は、父と祖母と日本で生活をしている。両親は、窓香が八つの時に離婚し、母はアメリカで夢を追うことを選んだ。
    ある日、中学校から帰ってくると、外国から小包が届いていた。
    封筒を開ける前から、窓香は、確信する。
    このなかに入っているのは、母に関係している「何か」に違いない、と。
    中から出てきたのは、明るいあざやかなピンク色の一冊のノート。
    表紙にも、裏表紙にも、全面で刺繍がされてある。
    開けてみると、何年も目にしたことがなかった、大好きなマミーの文字が並んでいた。 

    ノートに書かれた母の切ない想い、そして、母が見てきた世界の悲惨な子どもたちのこと。
    読み進めていくと、胸が苦しくなった。

    日本

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    2020年03月09日
  • ねこの町のダリオ写真館

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    ねこの町シリーズ。 前回のパン屋さんがお話に登場。ほのぼのとした雰囲気。ただ写真が好きなだけではなく、その人の一番良い一瞬をとらえようとするダリオさんの姿が印象的。

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    2020年02月09日
  • まほうの絵本屋さん ようこそ海へ

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    ネタバレ

    まほうの絵本屋さん第2弾
    今回の絵はえがしらみちこさん
    柔らかいタッチの絵
    絵本屋さんは、白猫の「うみねこブックス」
    海が大好きな男の子と飼い犬マリン
    マリンが天国にいってから1年後、まほうの絵本屋さんをみつけて
    マリンが好きだった海の絵本を読んでもらいます。
    くじらに乗って大好きなマリンと海の中へ
    海の中の絵がとっても好き

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    2020年02月07日
  • 本をめぐる物語 一冊の扉

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    8人の作家による本をめぐる物語。切り口が各人各様、装丁の話もあり、作品を生み出す基本エッセンスあり etc。電子書籍が増えてきたけど、やっぱ手に取る本がいいわと感じさせてくれた一冊。本は誰かに届けられる。本は電子書籍に比べ、より沢山の人の気持ち、技術が結集され生まれるを実感。それにしても最近の本はアニメのような絵が表紙を飾るようになったなぁともおばさんは感じた一冊。

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    2020年01月19日
  • 放課後の文章教室

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    本文もさることながら、冒頭の「文章の森へ」が本当に素敵でした。文章教室という少々堅苦しい書名で腰が引けた方もぜひ冒頭を読んで文章の森へ迷い込んでみてください。「SNSで友達を増やしたい、魅力的な文章を書くには?」「感想文はあらすじがあったほうがいい?」など若者からの質問に小手鞠さんが丁寧に答えています。小手鞠さんが文章を書いている時のマインドが見えたような気がします。

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    2019年12月29日
  • 空から森が降ってくる

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    ご主人とウッドストックに住み
    自然と共に生き、その日常は
    素敵なエッセイとして私たちに届けられる。
    小説は何冊も読んだがエッセイは初めて。

    P236
    〈森の中で暮らすということは、物言わぬ小さき者たちと
    友だちになること〉
    黒熊さんなど、大きな者たちとの出会いもあるようで
    読んでいて驚いてしまったのだけれど
    人間なんてちっぽけなものなんだと
    このエッセイを読み改めて思った。
    ささくれだった気持ちがスーッと凪いでいくようだった。

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    2019年11月29日
  • たべもののおはなし パン ねこの町のリリアのパン

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    せつなくはじまるけれど、じんわりあたたかくなる。
    大人の人、要注意、泣くかもよ。
    小学校低学年向けの本ですが、大人にもおすすめ。
    読んでおいてほしい一冊。

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    2019年09月16日
  • 空から森が降ってくる

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    森の中の家で創作を続ける小手鞠るいさんのエッセイ。
    様々な草花、動物、昆虫に囲まれて、自然を愛し共に暮らす小手鞠さんの日々を垣間見させてくれる。
    色鮮やかで、滋味豊か、そして時に過酷な森の自然。
    読めば、花の香りやむせ返るような木々の匂い、森閑とした空気に包まれる。
    心地よいエッセイ。

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    2019年09月11日
  • 欲しいのは、あなただけ

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    「かもめ」がかつて魂を焦がし、自ら終わらせた、2つの恋の物語。
    
    10代後半、身も心も捧げたのは、男らしい人。
    20代後半、生きたまま殺されているような愛をくれたのは、優しい人。
    
    何もいらない、欲しいのはあなただけ、その言葉そのままに、ひたすら待って、追いかけて、愛して愛して行き着いたのは、生きたまま死ぬこと。
    
    恋愛小説の楽しみは、どんな風にその恋が終わるのかということです。(暗い…笑)相手や主人公が死ぬとか、そんなのは全然面白くない。
    
    主人公は、自らが死ぬほど愛した相手に、自らサヨナラを告げています。
    気が狂うほど愛して、丸裸の心で、プライドなんてはじめからどこに

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    2019年08月19日
  • まほうの絵本屋さん

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    『星ちりばめたる旗』で知った小手鞠るいさんの絵本
    最初に出てきた女の子の絵は少し大人っぽい気がして絵本にしては・・・と私感ですが少し違和感がありましたが、
    動物たちの絵が素晴らしいっ!! ハシビロコウもいたっ!!!(笑)
    ふくろうと絵本を選んでくれるくろねこの瞳が素敵.。.:*・'・*:.。.
    色鉛筆で描き出される色鮮やかで幻想的な絵がとても素敵な絵本
    秋の絵本です。

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    2018年12月29日
  • 炎の来歴

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    日本とアメリカ、今よりもはるかに交流が大変だった時代に、文通で強く結ばれた1組の男女。
    戦争と平和、峻烈な愛。
    この物語の孕む熱量は、凄まじい。

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    2018年10月08日
  • アップルソング

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     「私のてのひらの中に、一冊の雑誌がある」
     この書き出しで本書ははじまる。1976年に発行されたこの雑誌「Searchlight Monthly」には、当時頭角を現しつつあった日本人の報道写真家「鳥飼茉莉江」についての記事が載っていた。「私」はこの写真家の生い立ちから亡くなるまでを調べている。だが、「私」については「美和子」という名前以外、どんな人物で、なぜこの報道写真家にそれほど興味があるのかは、物語の終盤まで明かされない。読者は「私」とともに、報道写真家鳥飼茉莉江の数奇な人生をたどっていく。
     1945年、岡山で激しい空襲がある。戦時動員の訓練中だった14才の鳥飼希久男は急いで家へ戻るが

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    2018年09月04日
  • 炎の来歴

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    とても熱量のある作品でした。面白かったです。
    ベトナム戦争については世界史くらいの情報しかありませんでしたが、終盤の描写には圧倒されました。
    暴力そして戦争の残酷さ愚かさ、平和の尊さ。「戦争をする世の中になったらいいと思う」という、昔少しの間やりとりした人はやっぱり病んでたのだと思いました。
    作品から感じる電流や、ふたりを包んだ炎…そんな終わり方しか無かったのか、というやるせなさはありますが、読んで良かったです。

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    2018年08月22日
  • 炎の来歴

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    時代は、軍国少年が戦争の終わりにより価値観を変えなければならなかった、1940年代終盤だろうか。作家たちのぶつ戦争批判に賛同していたころ、生活階級の違いをまざまざと見せつけられた隣の先輩に届いた一通の手紙を開けてしまう。
    中にはアメリカからの手紙。勉強していなかった彼だが一生懸命辞書を引きながら訳した。そして、先輩から委託されたことにして返信をした。それがこの物語のはじまりだった。

    当時はどんな時代だっただろう、戦争反対、自衛隊反対のうねりの中で、海外からの圧力を受けつつ実質的兵力を持つ決断をした国の国民は、段々と愛想を尽かせやがて何も感じなくなっていった末路がいまの世の中のような気がする。

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    2018年07月02日
  • 星ちりばめたる旗

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    「この旗を掲げ、この旗を守るために、いったいどれほどの人間が命を落としたことだろう」
    明治時代の棄民政策でアメリカに渡った幹三郎は、写真花嫁である佳乃を呼び寄せ、アメリカで家庭を築いていく。多くの子どもに恵まれ平和に暮らしていたが、真珠湾が攻撃され日本との戦争が始まる。幹三郎は危険人物として捕まり、家族も収容所に入れられ、日系二世である息子はアメリカ兵として戦争に参加する。
    幹三郎の時代だけでなく、日系三世である孫のジュンコの現在も書かれている。
    読むのが辛い部分も多かったけれど、読めて良かった。おすすめです。

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    2018年03月08日
  • 星ちりばめたる旗

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    アメリカ移民の三代に渡る記録.極貧から成り上がる強い意志と運.差別感情や戦争で翻弄されるも日本よりアメリカを選びとった人々の強い気持ち.そして母親の子供への愛,また子が母を思う気持ちに,せつなくなった.全体的に感情を抑えたさらりとした文章ながら,その言葉の背景に広がる壮絶な歴史をみせられていて,心にずっしりと響く物語だった.小手鞠氏の中で一番好きな小説になりました.

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    2018年01月13日
  • 星ちりばめたる旗

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    国を挙げて移民を奨励していた時代が日本にもあった。
    今や難民や移民に冷たい国なのに。

    アメリカに渡った3世代の物語。苦労してようやく手に入れたアメリカでの生活も真珠湾攻撃で激変していく。それまでも差別・排斥はあったけれど、それが露骨になっていく。どうして、戦争になると国というものに囚われてしまうのだろう。個人としてつき合ってきて、どういう人かがわかっている場合でさえも、敵対、排斥されていってしまう。本気でスパイだと思うのだろうか。本気で隔離しなくてはいけないと思うのだろうか。人は何のために戦うのだろう。どうして国のために人を殺したり、殺されたりしなくてはならないのだろう。

    私たち人間は非常

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    2017年12月27日