小手鞠るいのレビュー一覧

  • 星ちりばめたる旗
    再読。『二つの祖国』を読み、思い出して再度手に取りました。

    アメリカンドリームを夢見た大原幹三郎とその妻佳乃から始まる日系人三世代の家族の話。
    語り手は三世に当たるジュンコ。
    母ハンナはアメリカ人として生き、子供達にもアメリカン人として生きることを望んでいたが、ジュンコだけは日本を焦がれ、日本人の...続きを読む
  • 星ちりばめたる旗
    ある一家の日系移民の3代にわたる苦難の歴史が綴られた物語。その中の言葉が心に沁みる。「何者でもない者として生まれてきた小さき者が、何者かになろうとして懸命に努力し、結局、何者にもなれないまま死んでいったとしても、その人が生きてきた時間は、決して無駄なものではないのです。それらの命は宇宙のかたすみで、...続きを読む
  • 猫の形をした幸福
    結婚した2人が猫を家族に迎え、猫を「愛し合う」話。
    猫を通じて2人の愛が感じられ、素敵なお話だった。
    マキシモは幸せな生涯を送った気がする。
  • 思春期
    中学生になった「わたし」の3年間。
    将来への不安、劣等感、嫉妬、初恋、親への反感などがみずみずしく描かれています。
    小学6年生から中学生に読んでもらいたい。
    もちろん大人も。
  • 海薔薇
    ふとしたきっかけで再会して、1年に1回会うことにすると約束した男女。
    女は結婚して子どもこそいないけどキャリアもある。
    男は陶芸家で何回か結婚をしているし、子どももいる。
    確かに不倫だけど、ドロドロ感はなく、なんか普通に終わったと思う。
    ただ、1つだけ分からないことがある。
    公私混同をするな、意味は...続きを読む
  • 野菜畑で見る夢は
    小手鞠るいさん、全くのノーマークでした!

    いつも行く古本屋さんで、タイトルと装丁が気に入って、ちょっと読んでみようかな~と思い、手にした本です。

    もともとラブストーリーが大好きですから、直球ど真ん中でした!
    キュンキュン、うるうるしながら、一気読みでした。
  • 欲しいのは、あなただけ
    他者と幸せな関係を結べない深い孤独を抱える人の恋愛の話。世界の端っこでポツンと一人取り残されつつ、自分の記憶と共に生きることで自らを救済し得た主人公だった。
  • 永遠
    けっこう怒涛の展開を迎える終盤。
    かつて好きだった男は一体誰だったのか。
    忘れていた過去を思い出したときにはいろんな感情が渦巻く。
    愛と憎しみは表裏一体なのだと思ってしまう本。
  • 君が笑えば
    作者のあとがきにこれはお仕事小説です、と書かれていたが私は違うと思う。
    確かに仕事についてなかなかいいこといいますね、と思うこともあるが。
    19年前に別れた男女がひょんなことから巡り会って、今度こそ結ばれるという話。
    なるほど、と思う。歳月が過ぎ、見方や感じ方が多少変わったとしても、1人の人間として...続きを読む
  • いちばん近くて遠い
    なんだかダークな気分になった。埋められない空白を補填しなければならない人間はどこまでも行けるしどこへも行けないんだろうなと思った。
  • 望月青果店
    雪に閉ざされ、停電した家で過ごす「現在」のあいまに、50代半ばになった鈴子は母との「過去」をゆるゆると振り返る。
    甘く穏やかなアメリカでの現在とは対照的に、日本での過去はほろ苦い。全編を通して登場する果物の、甘いだけじゃないそれぞれの味が記憶と結びついて、思い出したくないような過去をも鮮やかに見せて...続きを読む
  • 早春恋小路上ル
    小手鞠るいさんの作品は「恋するからだ」を読んでからすっかりファンです。他の作品も読んでみたいと思いつつ、中々機会を逃していました。
    この自叙伝がノンフィクションていうのが凄い!
    小手鞠さんは恐らく私の母より少し若いくらいなのに、物凄くパワフルでいつも前向きな生き方。
    それに色んなバイト経験をしてて、...続きを読む
  • 野菜畑で見る夢は
    大好きな

    小手鞠るいさん。

    やっぱり

    しあわせに

    してくれた。

    野菜

    料理

    人柄

    どれも

    暖かくて

    気持ちがいい!!!

    こだわりの料理。

    こだわりの野菜。

    こだわりの生活

    2013.6.3
  • 猫の形をした幸福
    アメリカで暮らそうとする主人公の彩乃と未知男。子どもが生めないので代わりに動物を飼おうという。愛護施設での運命的な出会い、そして家族「3人」での生活。性格も育ちも異なる二人の人間に「猫」が与える影響は。

    これまでの小手鞠作品の切ない破局・離別ストーリーの流れを汲みつつ、人間から「猫」に主体にして組...続きを読む
  • お菓子の本の旅
    アメリカにホームステイしたが、家族になじめず孤独に過ごしていた遥。町民みんなから愛されるパン屋さんをやっているおじいちゃんの孫、淳。二人が一冊のお菓子の本で、不思議につながりあう。二人にとって大切な”何か”を運んでくれる”旅するお菓子の本”。留学や旅の中で何かを見つけ出す二人の話が、自分と重なりとっ...続きを読む
  • 空と海のであう場所
    基本、さらっと、軽く読みたい時に手に取る作家さん。

    無防備に手を出したら、結構やけどしました。

    言葉は綺麗で、相変わらず、さらさらした語り口だけど、
    言葉の裏に込められた想いにぶち当たった時、気がついたら自分も深く物語の世界観に入り込んでいました。

    奪うよりも与えること。
    疑うより信じること。...続きを読む
  • 早春恋小路上ル
    京都が舞台ってのに惹かれて
    なんとなく手にとった。

    強い女って?
    働いていくって?
    女性にとっての幸せって?

    ガツンとくる内容やった!

    地元のお好み焼き屋さんが
    作品の中に出てて、
    かなりテンションあがった♡笑
  • お菓子の本の旅
    亡くなったお母さんがかいた世界に一冊しかない「お菓子の本」。
    出会うはずのなかった2人が出会い、知り合う前に離れ、再び出会う、その仕掛けにちょっとやられました。
    話の中は、焦げたバターと甘い香りがふわりと漂っています。
    紅茶をかきまぜると、ザラメの砂糖がゆっくり、サラサラとけるような、そんな印象が残...続きを読む
  • 早春恋小路上ル
    やっぱり、小手鞠るいさん、好きだなあ。
    つまりは、自伝史ってやつでいいのかな。
    本屋さんデパートを始めたところからの
    お話はないのかなあ?

    何か、小手鞠るいさんの文章を読んだあとは
    心がほっこりするとともに
    わたしも頑張ろう!って思える。
  • 空と海のであう場所
    『人間が一番大切なものはなに?』『それはね…』
    人間は、なくしたものはなくしてから気づき、求めるのですね。

    自分にとって一番大切なものは何だろうか?
    愛?夢?仕事?友人?

    やわらかいタッチで描かれるふたり。移り変わる感情。

    心に穴を開けたのは誰だったのでしょう。
    泥棒猫は実はあなた...続きを読む