小手鞠るいのレビュー一覧

  • おはなしサイエンス 遺伝子工学 光るマウスが未来をかえる
    コンパニオン診断、という言葉すら知らなかったけれど、子供と一緒に楽しく読めました。
    普段あまりフォーカスされない実験用マウスが、いつか未来を変える。そのために細やかな仕事をされている方々がいる、ということに、爽やかな感動を覚えます。

    たんと君の性格も、子供たちの笑いを呼びました笑
  • 乱れる海よ
    この本を読んで感じることが2つあります。

    ・「事実」をなるべく正しく伝えるべきだったのではないか?
     脚色を加えたフィクションではなく、「あの時起きた真実」が必要なのではないか?
    もうひとつ、
    ・「事実を忘れない」ためにも「物語化」して後世に伝えるべきなのか?
    現代においてなお続く悲惨なテロリズム...続きを読む
  • ごはん食べにおいでよ
    料理が好きで得意な中学生、雪。大人になってベーカリーカフェを開くところから物語は始まる。
    語られるのは中学生の頃。特に大きな事件もおきないのだが、日々の出来事と、雪の見る日常が語られて行く。そして、料理、読んだ本の引用、音楽。
    読み終わったらエレカシが聞きたくなること請け合います。あと、村上春樹や星...続きを読む
  • 乱れる海よ
     事件をリアルタイムで知らない世代からすると、混沌としすぎて正確に捉えることが難しい時代を、小説という方法で表現した作品なのだと思えた。

     この時代に自分が同じ世代で生きていたら、この政治的思想にのめり込んでいたかもしれない。そう思うほど千尋の一途さに感銘を受ける書かれ方だった。
     YA世代の極端...続きを読む
  • 見上げた空は青かった
    ユダヤ人の少女、ノエミ。
    学頭疎開中の少年、風太。
    同じ戦争中に生きる少年少女たちが、
    どのように考え、生きてきたのか。
    学生さんに読んで欲しい話でした。

    特にアウシュヴィッツの話は児童書のわりに
    生々しく感じた。
    戦争を経験してない人が増える中、
    でも、世界のどこかで戦争が起きている。
    それを考...続きを読む
  • 乱れる海よ
    3寄りの4。奥平剛士をモデルにしているのは分かるのだけれど、ここまで書き込むのにフィクションにする必要があったのか、そして作家が作品を書く件は要るのか...フィクションにしてもいいけどもっとシンプルに奥平剛士の心の動きを見えるような書き方をした方が強い思いが伝わったのでは..というちょっと勿体無い気...続きを読む
  • 乱れる海よ
    そこに至るまでの感情の醸造の過程を、人間関係を丁寧に描いていて、面白く読んだ。

    (そこはフィクションだと思うけど、出版社の社長の気持ちも分からんでもない)
  • 情事と事情
    どの人物にも共感できなかったのに、面白くて一気読み。
    最後のアレには驚いて、数行を何度も読んでしまった。その後の展開が気になる。

    男も女も、狭い世界で欲のまま好き勝手してる。
    途中で何とも言えない気持ち悪さを感じたけど、ヤるとかヤらないとか、盗るとか盗られるとか、踏み台にするとかされるとか、男女が...続きを読む
  • ラストは初めから決まっていた
    凛子先生の言葉に作者の気持ちが込められていると思います。
    小説を書くということは、自分の生きた人生の言葉を嘘偽りなく表現すること。
    文章の一つ一つを「呻吟」して「自分の言葉」として生み出すこと。
    「結末」があっても「結論」は必要無い、ということ。

    主人公のひとりちゃんが小説を書くプロセスで、自分の...続きを読む
  • 庭

    初めてのハワイ生活。英語もままならないけど、なんとか会話し、通じる心。うちに閉じこもっていた生活から、広い外の世界を見る。自分をとり巻く環境を変えることが、自身を見つめ直すきっかけに。
  • 乱れる海よ
    私は作者と同じ年代です。
    テルアビブ空港乱射事件は、TVでもセンセーショナルにとりあげられたので記憶に刻まれています。
    50年経った今、ノンフィクションとフィクションの間だとする本文を読んで、やっと「なんであんな事をしたんだろう」という長い間の疑問に答えをもらった気がしています。
    あとがきに作者の母...続きを読む
  • まほうの絵本屋さん ようこそ海へ
    ぼくと、ペットの犬のマリン。マリンは天国に旅立ったけど、不思議な絵本屋さんで、マリンの好きだった絵本を読むと…想い出や夢が交錯するような展開と、綺麗な絵が合っていて、爽やかな読み応えのある絵本でした。
  • 見上げた空は青かった
    子どものために買った本。ただ小学生の子どもが読むには非常にきつい内容もあったが、これが戦争なんだ、こんなことは絶対にダメなことだと心から思える本だと思う。子ども向けの本かもしれないが、大人でも十分に読み応えのある本だった。
    (最近、子どもが成長してきたので同じ本を同じタイミングで読めて楽しい。)
  • 情事と事情
    作者いわく

    「恋愛を描いた小説は

    どれも似たようなものだが、

    情事を描いた小説は

    それぞれに不条理で病み付きになる」

    だそうで なるほどな
    薄っぺらいな と思いつつも

    都合のいい恋愛を

    求める気持ちが 分かる気がする

    人より多めに ずるさを持ってるほうが

    魅力的だなんて

    皮肉だな...続きを読む
  • ある晴れた夏の朝
    アメリカが投下した原爆で亡くなった人の命は、殺されて当然だったのか?それとも、罪のない人たちの命だったのか?
    アメリカの8人の学生が、肯定派、否定派に分かれて、ディベートを行う。
    日系、中国系、ユダヤ系、アイルランド系など出自の異なる学生が「アメリカ」と言う国が下した決断を討論すると言うのは、とても...続きを読む
  • ある晴れた夏の朝
    フェードインからの、感動的な幕引きです。歴史認識という際どいテーマに触れているので、読みながら心がざわつくのですが、終章の落とし方が素晴らしいと思います。
  • 情事と事情
    ここ最近、女性作家による恋愛小説、をフィクションか否かを問わず立て続けに(あくまで自分のペースだが)読んだ。また、男女の或いは人間の情愛について考えさせられる映画(ドライブマイカー)も観た。

    私はこれまで、女性の恋愛観、性愛感、と言うものを全く理解していなかったのだな…と今更ながらに気付かされた。...続きを読む
  • 情事と事情
    個性豊かな複数の女性と男性が絡み合って「情事」を織りなす。場面の移り変わりが激しくて少し読みにくかったけど、それだけ人々の心のなかはいろんな感情が渦巻いているということか。情事のなかにはさまざまな事情と心情があって、それがリアルに描かれているのがよかった。ラストは衝撃的。

    p.57 実家の母親から...続きを読む
  • 私の何をあなたは憶えているの
    『あなたはわたしの何を憶えているのでしょう?』

    あなたは、そんな風な問いかけを受けたとしたらそこに何を思うでしょうか?何と返すでしょうか?私たちは日々生きる中で、日々新しい経験をし、新たに記憶として刻んでいきます。一方で私たちの記憶容量には限りがあり、日々過去の経験の記憶は損なわれてもいきます。...続きを読む
  • 情事と事情
    2022/06/12予約 6

    途中からわからなくなり、相関図を書いた。

    フリーライターの彩江子と大学時代の同級生である愛里紗。装丁家の愛里沙の趣味は料理とガーデニング。
    彩江子は、あくせく仕事するライターで、どちらかといえば女性問題などを扱う。ガチガチの仕事女だがある時、写真家アシスタントの修と...続きを読む