小手鞠るいのレビュー一覧
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小手鞠るいさんの童話ですね。
『どうぶつかぞく』シリーズのパンダです。
絵は、サトウユカさん。東京デザイナー学院グラフィックデザイン科イラストレーション専攻卒業。
パンダの子育てを描いたお話です。
子パンダのユウユウが一人立ちするまでを、子煩悩のおかあさんが、しっかりユウユウと過ごします。
ユウユウの視点で、やさしく温かくユーモアも交えて、愉しく描かれていて、パンダの生態が良くわかります。
サトウユカさんの絵も、可愛らしく微笑ましいく愉快になります。
このシリーズのお楽しみの「パンダのまめちしき」も、監修の今泉忠明さんが、分かりやすく解説されています。
パンダのおかあさんは、小パ -
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やなせたかしの伝記っぽいものなのかと思って手に取ったら、小手鞠るいにとってのやなせたかし先生エピソードと、やなせ先生の詩の紹介みたいな構成。連ドラもやっているし、光村国語とも相性良いので手にとったけど、小学生には向いてない内容でした。でも、小手鞠るいさんの人生を読みながら詩も味わえる良い本です。なかなか、詩の本って、手に取らないものね。後は、小説家を目指している子どもにオススメの本です。『放課後の文章教室』『放課後の読書クラブ』併せて読んで欲しい。
やなせ先生の詩は改めて読みたいなぁと思いました。やなせたかし全詩集に収録されているそう。
「ヒトミシリ科のヒトミシリ」(幸福の歌)子どもにも刺さり -
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小手毬るいさんの、ファミリーヒストリーともいうべきこの本に、親世代のことを知らされた思いがした。
私の母は朝鮮からの引き揚げ者で、その頃のことを一切語ろうとしなかったから。戦争の思いは人それぞれで、むやみに聞き出すこともできないデリケートなもの・・・と思っていたけれど、聞きたい気持ちはあった。とうとう聞くことができないまま、彼岸へ旅立ってしまったのは心残り。
小手毬さんのお父さんは、戦争中という暗い時代を、マンガにして記録していた。冷静に戦争を見つめる視点と、描写の豊かさに目を見張る。マンガにする、ということは、客観的に物事を見つめないとできない作業だ。この時代に並大抵なことではなかったと思う -
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1992年からアメリカに移住した小手鞠るいさんの日々を描いたエッセイ。
その生活は、自然の中にある。
春を迎え咲き誇る花々の描写は映像を見ているよう。
四季の移ろいは美しいけれど、自然は厳しく、災害に見舞われること多数。
特に、ニューヨークの北、ウッドストックの冬は雪に覆われ、厳しい。
そして、移住の肝(きも)は地元にどう溶け込むか、であるが、ここでの生活の「地元」は「自然」である。
玄関に吊るしたフラワーバスケットに小鳥が放卵。
庭の奥にある池には冬眠から覚めた黒熊さんが泳ぎにくる。
植えた花をむしゃむしゃ食べてしまう食いしん坊の鹿。
森の中でしか生きられない野生の強さと儚さとを感じる。
自 -
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小手鞠るいさんの絵本ですね。
小手鞠るいさん(1956年、岡山県生まれ)
小説家、詩人、エッセイスト、絵本作家。
絵は、高橋克也さん(京都府生まれ)フリーのイラストレーター。
ここは、なかよしのともだちと いつもあそびにきていた公園。
はっぱと木の実がおちていた。
なんてきれいな色なんだろう。
そっとひろって、スカートのポケットにいれた。
なんだかちょっと、さびしかった。
ともだちにもみせてあげたいなとおもった。
どうしているかな?
とおい外国へひっこしてしまった、
わたしのともだち。
かえろうとしたとき、だれかのこえがした。
だれだろう?
まるでわたしをよんでるみた -
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ネタバレ普通の恋愛小説と一味違う。
人と人との恋愛ももちろん描かれているけれど、これは紛れもなく猫と人の恋愛本です。
猫好きさんにとってはぶっ刺さる言葉がたくさん詰まっていていて、途中から他人事じゃない気持ちで読みました。(逆に、猫を実際に飼ったことがない人には理解しがたい本かもしれません。笑)
(以下引用)
・あなたが猫の主人なのではない。猫があなたのご主人様なのです。
・小判でも、真珠でも念仏でも、いくらでもあげる。
・猫と暮らす喜びは、召使になる喜び。
・幸せは猫に始まり、猫に終わる。
・猫は生きて動いている愛。猫を飼ってるんじゃなくて、愛を飼っている。
最後の最後、あと書きを読んで、著 -
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小手鞠るいさんの実父は岡山市在住。るいさんは1992年からニューヨーク在住ですが、ある日、お父さんから何冊かのスケッチブックが送られてくる。そこには、川滝少年(実父)の1931年愛媛県宇和島に生まれてから1945年岡山市で「敗戦」を迎えるまでの「体験」が、絵日記風に描かれていました。
るいさんは、暫くそのままにしていましたが、ある日思い立って、少し創作して、自分の子供・深青くんがスケッチブックを初めて読んで、日本に行った時に川滝おじいちゃんにスケッチブックのことを解説してもらうというお話に仕立て上げました。だから、設定は少し事実を変えていますが、「絵日記」はそのまま掲載されています。むしろ全 -
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夜、寝る前に少しずつ読み進めていたエッセイ。
あぁ…、私もこんな暮らしがしてみたい。
読みながら何度もそう思いました。
ニューヨーク州ウッドストック在住の著者。
「森」としか言い様のない大自然のなかでの夫婦二人暮らし。
小鳥たちのさえずりによる目覚め。家の池にやってきて水浴びをして帰っていく黒熊。池の睡蓮の葉を食べてしまう鹿。
出会うのは野うさぎ、きつね、たぬき、ビーバー、カナダグース、フクロウ、リス…と、いかに自然豊かな土地なのかがうかがえる。
森林での暮らしは、雪深い冬の厳しさなど自然の驚異はあるものの、都会の喧騒から離れ、穏やかでゆったりと流れる時間はとても心地よさそう。
野草が咲 -
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はじめてこの作家さんの作品を読んだ。
驚いたのは、文章の読みやすさ。
本書を朗読することがあったのだが、何ページも続けて朗読しても、つっかえることなく読み終えることができる。
こんな作品はあまりない。
アメリカの学生による、太平洋戦争をめぐるディベート小説というと、赤坂真理さんの『東京プリズン』を思い出す。
あれは読んでいてつらかった(作品の価値はしかし、そこにあるのだろうが)。
そんな読書経験があると、ちょっと身構えてしまうが、本書での高校生たちは、原爆投下を肯定するか否定するかの立場を超え、みな真摯で純粋だ。
全員が「戦争を肯定するつもりはない」という考えを持っていることが、ある種の安全 -
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アメリカ人だから、日本人だから、男/女だから、マジョリティ/マイノリティだから。そういう風に単純に区別して、そこに全ての理由を求めてしまえば楽なのかもしれないけれど、そうじゃないことを思い出させてくれた。
異人種でも深く分かり合える人はいるはずだし、同じ言語を話していても心の距離はずっと遠いままの人もいる。どこに行ったってヤバい人はいるし、優しい人もいる。
国際結婚をした知り合いの話を聞く度に、母国語でない言葉で感情を擦り合わせていくのは本当に大変そうだなぁ…と思っていたけれど、言語が違うからこそ、一層の慎重さをもってその作業に当たったり、一定の諦めがあるから期待し過ぎずに住むという利点も