小手鞠るいのレビュー一覧
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さてさてさんのレビューを読んでから、この本を読みました。タイトルに先入観を持たずに読めて、よかったです。ありがとうございました。
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アメリカに移住し、夫と盲導犬と暮らしている鈴子。ある日、彼女に母親の病の知らせが。帰国予定の前に冬の嵐が訪れ、停電まで起きてしまう。そのなかで現実と過去へ思いを馳せる物語でした。
母親が娘に対する思いは、同じ女性としての思いと自分の子どもであるという思いが重なって、複雑なのかもしれません。この小説の母親は目が不自 -
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小手鞠るいさんが二十代から三十代にかけて、二度インドへ旅をしたとき(合計五か月)の体験に基づいて書かれた本(児童書)です。
インド象に乗った女の子の装画が気に入って、読み始めました。
中学生の三葉が読んでいる絵本作家の原稿が、インドへの興味をかきたてました。「インドは宇宙」という言葉どおりに、想像もつかないようなことが起きる未知の場所でした。中学生のときにインドに触れることができ興味関心がわいたら、大きな目を養うきっかけになるのでは、と思いました。
インドは大好きになるか、嫌いになるかの二択しかないことと、母なるガンジス川と言われる意味が、初めてよくわかりました。
いい本に出会えました -
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あなたが母親だとしたら、娘との関係をどう感じているでしょうか?
あなたが娘だとしたら、母親との関係をどう感じているでしょうか?
父親と息子、母親と娘、そこには同姓同士だからこその繋がりというものがあるように思います。それは、いつか自分が辿った道であり、いつか自分が辿る道だからこその思いがそこに垣間見えるからだと思います。そんな関係性は特に母親と娘の間で顕著に現れます。
母親: 『そういう耳のことをな、地獄耳いうんじゃ。第一、すずには実はならん。用もないのにりんりん鳴るだけじゃ』
娘: 『それでも母親なの。自分でつけた名前でしょ。いつまでも悪態ばっかりついてたら、私、死に水を取ってあげ -
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アメリカ在住の日系一世、二世、三世のファミリーヒストリーでした。三世代のことが交互に語られるので、始めは少し戸惑いましたが、徐々に時代ごとに話が進んでいることに慣れて、いつのまにか夢中になって読んでいました。
日系アメリカ人の方がどのように生きてきたのかを初めて知り、人種差別や戦争による苦労の連続に驚きました。
日本人というルーツに悩む祖母、捨てようとした母、興味をもつ娘の三世代の時の流れは、私が初めて知った日系日本人に起きていたことでした。
そのなかで夫婦の子どもへの思いの違いや、それぞれの子どもに対する母親としての思いの違いに、複雑な思いも感じとりました。
この本は、日系三世の娘が -
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著者の父親がスケッチブックに描いた『マンガ自分史』をもとに、昭和時代をふりかえった本でした。
描かれたイラストがとても味があって、すっかり気に入ってしまいました。文章で書かれたものを読むよりも、すんなりと頭に入りました。軍国少年がどのようにして出来上がったのかなど、戦争へと向かっていく様子などがありありと描かれていました。この戦争体験を子どもたちに伝えるために、『川滝少年のスケッチブック』という本も出版されているそうです。
父親が描いたものは、昭和を生きた痕跡がとてもわかりやすく、と同時に家族への愛情も感じる絵日記でした。父親が記したものを読んで、その当時を思い出す著者の気持ちが素直に表現 -
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小手鞠るいさんの児童文学ですね。
第一次世界大戦時の日本から赤十字の看護婦がヨーロッパに派遣された史実を元に、イズミという看護婦のフランスでの活動を執筆する伊東沙羅の物語も綴る、作中作品です。
沙羅は、二十五歳の新進気鋭の作家。父親と喧嘩別れして、アメリカの州立大学に留学している。
沙羅が生まれた時に、母親を亡くし、父と二人きりの生活だったが、沙羅が新人賞を受賞した作品が、ジェンダー問題を扱った作品だったのを、父が反発したのがきっかけで、親子別れしてしまった。
一方、作中作の看護婦の主人公のイズミは、京都生まれの看護婦に成ったばかりの若い元気な二十五歳。
二人の物語が、互いに語られなが -
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小手鞠るいさんの絵本ですね。
絵は、えがしらみちこさん(1978年、福岡県生まれ)
絵本作家。
『まほうの絵本屋さん』シリーズです。
ぼくたちは、夏にうまれた。
マリンもぼくも、うみがだいすきだった。
ぼくらはいつもいっしょに、すなはまであそんだ。
おひるねをしたり、かくれんぼをしたり、
かけっこをしたりした。
マリンが天国へいってしまった日、
ぼくはひとりでいつまでも、
空と海をみつめていた。
あれから、一年がすぎた。
貝がらをひろいあつめて、
家にかえろうとしたとき、
ふしぎな足あとをみつけた。
たどっていくとーー
わあっ! 絵本屋さんだ!
「よ