小手鞠るいのレビュー一覧

  • 星ちりばめたる旗

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    日系移民の3世代に亘る話。太平洋戦争時の日系人収容所の話が軸になるが、各世代の生き様、葛藤がよく描きこまれている。時代が飛び視点が飛んでも物語が破綻することなく、最後まで心地良い緊張感を保っている。。

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    2017年12月25日
  • 星ちりばめたる旗

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    再読。『二つの祖国』を読み、思い出して再度手に取りました。

    アメリカンドリームを夢見た大原幹三郎とその妻佳乃から始まる日系人三世代の家族の話。
    語り手は三世に当たるジュンコ。
    母ハンナはアメリカ人として生き、子供達にもアメリカン人として生きることを望んでいたが、ジュンコだけは日本を焦がれ、日本人の心を求めていた。

    『二つの祖国』ほど、アイデンティティに悩む人達の姿を感じることは無く、史実に基づいた実際にあった人種差別の、そして、母娘の話として読み進めていました。

    戦争が生んだ更なる人種差別。
    この歴史を知り、今後そんな不幸が起こることのないようにと願います。

    二羽の鶴に有刺鉄線が絡まる

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    2019年04月27日
  • 星ちりばめたる旗

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    ネタバレ

    ある一家の日系移民の3代にわたる苦難の歴史が綴られた物語。その中の言葉が心に沁みる。「何者でもない者として生まれてきた小さき者が、何者かになろうとして懸命に努力し、結局、何者にもなれないまま死んでいったとしても、その人が生きてきた時間は、決して無駄なものではないのです。それらの命は宇宙のかたすみで、一瞬であったかもしれないけれど、確かに輝きを放っていた星たちなのです。わたしたちはみな、流れ星と同じように、空に輝いたあと燃え尽きて、流れ落ちていくのです。その営みを、その儚い運命を、わたしは尊く美しいものだと思っています」

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    2017年10月31日
  • 猫の形をした幸福

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    結婚した2人が猫を家族に迎え、猫を「愛し合う」話。
    猫を通じて2人の愛が感じられ、素敵なお話だった。
    マキシモは幸せな生涯を送った気がする。

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    2017年05月12日
  • 思春期

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    中学生になった「わたし」の3年間。
    将来への不安、劣等感、嫉妬、初恋、親への反感などがみずみずしく描かれています。
    小学6年生から中学生に読んでもらいたい。
    もちろん大人も。

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    2017年03月30日
  • 海薔薇

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    ふとしたきっかけで再会して、1年に1回会うことにすると約束した男女。
    女は結婚して子どもこそいないけどキャリアもある。
    男は陶芸家で何回か結婚をしているし、子どももいる。
    確かに不倫だけど、ドロドロ感はなく、なんか普通に終わったと思う。
    ただ、1つだけ分からないことがある。
    公私混同をするな、意味は私のなかに公を入れるなという女の恩師の言葉。
    いつか分かるときが来ると願う。

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    2016年05月22日
  • 野菜畑で見る夢は

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    小手鞠るいさん、全くのノーマークでした!

    いつも行く古本屋さんで、タイトルと装丁が気に入って、ちょっと読んでみようかな~と思い、手にした本です。

    もともとラブストーリーが大好きですから、直球ど真ん中でした!
    キュンキュン、うるうるしながら、一気読みでした。

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    2015年11月12日
  • 欲しいのは、あなただけ

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    他者と幸せな関係を結べない深い孤独を抱える人の恋愛の話。世界の端っこでポツンと一人取り残されつつ、自分の記憶と共に生きることで自らを救済し得た主人公だった。

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    2015年09月25日
  • 永遠

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    けっこう怒涛の展開を迎える終盤。
    かつて好きだった男は一体誰だったのか。
    忘れていた過去を思い出したときにはいろんな感情が渦巻く。
    愛と憎しみは表裏一体なのだと思ってしまう本。

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    2015年09月10日
  • 君が笑えば

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    作者のあとがきにこれはお仕事小説です、と書かれていたが私は違うと思う。
    確かに仕事についてなかなかいいこといいますね、と思うこともあるが。
    19年前に別れた男女がひょんなことから巡り会って、今度こそ結ばれるという話。
    なるほど、と思う。歳月が過ぎ、見方や感じ方が多少変わったとしても、1人の人間として歩めるけど2人でもいいと思える時。
    そんな恋愛がしてみたいと思うのだ。

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    2015年07月05日
  • いちばん近くて遠い

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    なんだかダークな気分になった。埋められない空白を補填しなければならない人間はどこまでも行けるしどこへも行けないんだろうなと思った。

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    2015年06月03日
  • 望月青果店

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    雪に閉ざされ、停電した家で過ごす「現在」のあいまに、50代半ばになった鈴子は母との「過去」をゆるゆると振り返る。
    甘く穏やかなアメリカでの現在とは対照的に、日本での過去はほろ苦い。全編を通して登場する果物の、甘いだけじゃないそれぞれの味が記憶と結びついて、思い出したくないような過去をも鮮やかに見せてくれてしまう・・・。
    けして嬉しいものではない過去の記憶に、雪と停電の静けさの中で対峙する。想像しただけでも、げんなりする。
    ひとり、どんどん深みにはまり暗い方へと引きずられそうになった鈴子を光のほうへ引き戻してくれたのは、停電の復旧と雪かき業者の到着・・・でも、それだけじゃない。
    ラストに差す光の

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    2014年10月27日
  • 早春恋小路上ル

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    小手鞠るいさんの作品は「恋するからだ」を読んでからすっかりファンです。他の作品も読んでみたいと思いつつ、中々機会を逃していました。
    この自叙伝がノンフィクションていうのが凄い!
    小手鞠さんは恐らく私の母より少し若いくらいなのに、物凄くパワフルでいつも前向きな生き方。
    それに色んなバイト経験をしてて、読んでて本当に時間が経つのを忘れてしまいました。
    読んで感じたことは、頭の回転が早くて仕事が良くできる人なんだなあと思いました。様々な仕事に対する姿勢が素晴らしい。
    我武者羅ってこういうことを言うんだと思いました。28歳で離婚して、それからすぐにまた違う仕事をして、泣いてる暇なしって感じで。教師業も

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    2014年07月27日
  • 野菜畑で見る夢は

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    大好きな

    小手鞠るいさん。

    やっぱり

    しあわせに

    してくれた。

    野菜

    料理

    人柄

    どれも

    暖かくて

    気持ちがいい!!!

    こだわりの料理。

    こだわりの野菜。

    こだわりの生活

    2013.6.3

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    2013年06月03日
  • 猫の形をした幸福

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    アメリカで暮らそうとする主人公の彩乃と未知男。子どもが生めないので代わりに動物を飼おうという。愛護施設での運命的な出会い、そして家族「3人」での生活。性格も育ちも異なる二人の人間に「猫」が与える影響は。

    これまでの小手鞠作品の切ない破局・離別ストーリーの流れを汲みつつ、人間から「猫」に主体にして組み立てられた二人の夫婦生活は、とても羨ましく書かれている。

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    2012年10月29日
  • お菓子の本の旅

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    アメリカにホームステイしたが、家族になじめず孤独に過ごしていた遥。町民みんなから愛されるパン屋さんをやっているおじいちゃんの孫、淳。二人が一冊のお菓子の本で、不思議につながりあう。二人にとって大切な”何か”を運んでくれる”旅するお菓子の本”。留学や旅の中で何かを見つけ出す二人の話が、自分と重なりとっても親近感がわいた本。読み終わった後に、心の中があったかくなる本。お勧めです。

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    2012年08月31日
  • 空と海のであう場所

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    基本、さらっと、軽く読みたい時に手に取る作家さん。

    無防備に手を出したら、結構やけどしました。

    言葉は綺麗で、相変わらず、さらさらした語り口だけど、
    言葉の裏に込められた想いにぶち当たった時、気がついたら自分も深く物語の世界観に入り込んでいました。

    奪うよりも与えること。
    疑うより信じること。

    そんなことを考えさせる、大人の童話。

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    2012年07月29日
  • 早春恋小路上ル

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    京都が舞台ってのに惹かれて
    なんとなく手にとった。

    強い女って?
    働いていくって?
    女性にとっての幸せって?

    ガツンとくる内容やった!

    地元のお好み焼き屋さんが
    作品の中に出てて、
    かなりテンションあがった♡笑

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    2012年06月19日
  • お菓子の本の旅

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    亡くなったお母さんがかいた世界に一冊しかない「お菓子の本」。
    出会うはずのなかった2人が出会い、知り合う前に離れ、再び出会う、その仕掛けにちょっとやられました。
    話の中は、焦げたバターと甘い香りがふわりと漂っています。
    紅茶をかきまぜると、ザラメの砂糖がゆっくり、サラサラとけるような、そんな印象が残りました。

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    2012年05月31日
  • 早春恋小路上ル

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    ネタバレ

    やっぱり、小手鞠るいさん、好きだなあ。
    つまりは、自伝史ってやつでいいのかな。
    本屋さんデパートを始めたところからの
    お話はないのかなあ?

    何か、小手鞠るいさんの文章を読んだあとは
    心がほっこりするとともに
    わたしも頑張ろう!って思える。

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    2012年05月20日