小手鞠るいのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
心の中に甘いものを
お菓子は人生にとって絶対必要なものではない。
しかし、その存在があることで自分が変化したり救われたりすることがある。
甘いことは幸せなこと。
不思議な本の旅が始まる。
主人公は遥と淳。
遥が人生で初めて立ち向かった困難。
それに打ち勝つ勇気をくれたのは、遥の亡き母が残した『お菓子の本』。
一方淳は、亡くなった祖父がずっと守ってきたパンとお菓子の店を閉めることに悲しみを覚えている。
そこで彼を助けたのが『お菓子の本』。
二人を結びつけるもの、二人だけではなくてあらゆる場所にいる人たちと結びつけ合うきっかけが『お菓子の本』だったのだ。
真っ白な頁に夢を描く。
皆同じ小麦粉だ -
Posted by ブクログ
施設で出会った一組の男女が大人にであって再会し、別れ、
再びつながりの糸をたどる物語り。
心の扉を相手に向けて開けたと思えても、
じつはその中には鍵のかかった小さな扉があったり。
人は簡単に「自己開示」というけれど、開け方がわからない、
そもそもどうすることが「開ける」ことなのか分からなかったりする。
そんな自分に気づいていながらも、どうしようもなくて、
一人でいること、誰にも束縛されず孤独でいることを「自由」とよんで
自分の内側に鍵をかけてしまう。
なんだかアラシの気持ちが良く分かる気がしました。。
そんなアラシが二人をモチーフに書いた「泥棒猫と遊牧民」は
心の悲鳴が聞こえてきそうなほ -
Posted by ブクログ
・・・生きている人を愛するように、亡くなった人を愛し、亡くなった人のことを書きたい。死んでしまった人のことを「今」によみがえらせたい。
死者と過去を、生者と現在のように、見つめたい。なぜなら、わたしとあなたの時間は、過去に向かって流れているのだから。過去に向かってしか、進んでいけないのだから。過去が、わたしたちの現在であり、未来なのだから・・・
生者の驕りを廃して、過去に愛した今は会えない者への真実を追い求め、亡くなること、亡き人への想いを歌い上げる賛歌です。
職場の後輩だった女の子、はじめての仕事をくれた編集者、何通もの手紙をやりとりして別れた人、若くして逝った詩人、亡き祖母、大好