小手鞠るいのレビュー一覧
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なんとなく表紙が気になって手にしてみる。
買い猫が死んじゃうお話なのね・・・と思いつつ、いったん手放すも、猫好きの本読み友達の顔が浮かんで、たまにはこういうのも読んでみますか、と購入w
猫のかたちの幸せは、猫のかたちの空洞に・・・。
愛し合っている二人は、喜びは何倍にもできるけど、喪失は半減させることができない。
それぞれが猫のかたちの空洞をかかえ、それはそれぞれの方法で埋めていくしかないらしい。
でも、その猫のかたちの空洞の中に猫はいる。
埋めるのでなく、お互いがそれぞれの猫のかたちを、悲しいものとしてでなく、愛おしむことができるようになったとき、また三人で一緒に暮らせるようになる・・・ -
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中学生は思春期の真っ只中。
小学校とは違う「大人」の世界がぐっと自分に近づいてくる。
それに憧れはするけれど、目の前にある世界は決して思い通りにはいかない。
恋や友情、親との関係、進学、容姿、その他いろいろ。
ちょっと気にくわないから悪口を言ってみた。
そしてそれで友人を失う。
ちょっとサボってみたら、あっという間に成績は落ちる。
ちょっと寝てたら、親に叱られる。
ちょっと食べたら、変なぶつぶつはできるし、なんだかプニプニしてきたみたい。
ああ、もう、こんな毎日のどこが楽しいの?!
私って性格悪い。
嫉妬もするし、腹も立つ、しかもブス!最悪。
あの人が好きみたい。
でも、本当に、私は -
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読み始めて、しまった…と思った。ヒリヒリするような恋愛の追体験をしているような。けれど、やめられない。他人から見ると、どうしてそんな関係を続けるの? と言われるような恋愛も、そのさなかにいるときは、きっとこんな気持ちなんだろうなぁと、生き生きと伝わってくるような筆致。
激しく、強く、痛みさえ感じたあとの最終章で訪れる回想のとき。穏やかで、でもまだ痛みがあって。
「すべてを手に入れてもなお不幸な人間がいるように、すべてを失ってもなお、幸福でいられる人間もいるのだ」「愛を知るためには、愛さなくてはならないのだ」
この境地に至るまでの主人公の想いに、最後は静かにうなずかされてしまった気がする。
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小路さんがいらっしゃるので購入。
電車移動時間等におすすめな読みきりサイズの短編集。
宮下さんはスコーレNo.4のみ読んだことがあり、他の方々の作品は初めて読みました。
本というキーワードを多角的な視点でピックアップして物語が展開しています。
「メアリー・スーを殺して」は、二次創作の畑を通ってきた身としては、お、俺を殺してくれ、と思うような暗黒時代を思い出させるような、そんなリアリティのある空気にえぐられました。面白かった。
やっぱり大好きな作家さんということで贔屓目もりもりな気もしますが、「ラバーズブック」がとても好きです。読み返したい短編。短絡的じゃなくて完結していてなおかつ重量がある -
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【本の内容】
支配欲をむき出しに、ときに力で組み伏せる「男らしい人」と、家庭を持ちながらもひたむきに愛してくれる「優しい人」。
ふたつの恋を思い返すときだけ、わたしはつかの間生者になれた。
激しくのめり込み、やがて溺れる恋の欲望を、駆け抜ける文体で描き出し、圧倒的共感を得た注目の恋愛小説。
自由よりも、後悔よりも、欲しいのは…。
全選考委員が絶賛した、島清恋愛文学賞受賞作。
[ 目次 ]
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『欲しいのは、あなただけ』はストレートに心の痛覚を責めてくる恋愛小説だ。
市橋さんも「死のにおいを嗅ぎながら読んだ」という。
サディスティックな「男らしい人」と妻子がありなが -