小手鞠るいのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
事件をリアルタイムで知らない世代からすると、混沌としすぎて正確に捉えることが難しい時代を、小説という方法で表現した作品なのだと思えた。
この時代に自分が同じ世代で生きていたら、この政治的思想にのめり込んでいたかもしれない。そう思うほど千尋の一途さに感銘を受ける書かれ方だった。
YA世代の極端な奉仕的思考。何かを成し遂げたいと大それた野望を抱く一方で、自分の存在価値を小さなものとして粗末に扱いがちな心理。すっかり忘れていたけど自分にそんな時代があったと思い出した。
世の中を良くするために活動をはじめた人物が、次第に極端になり、手段を選ばなくなり、危険思想と見なされ、実際に危険人物とな -
Posted by ブクログ
私は作者と同じ年代です。
テルアビブ空港乱射事件は、TVでもセンセーショナルにとりあげられたので記憶に刻まれています。
50年経った今、ノンフィクションとフィクションの間だとする本文を読んで、やっと「なんであんな事をしたんだろう」という長い間の疑問に答えをもらった気がしています。
あとがきに作者の母校であり、奥平剛士の母校でもある高校の校長先生が全校生徒を前に「奥平さんの為した行為は間違っていたが、平等な社会、差別のない社会を作ろうとした彼の思想は、間違ってはいなかった」という趣旨の話をしたとあります。
凶悪犯罪とは違って、意志を持ってした行為には、しっかりした考えがあっての事だと思います。そ -
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“恋愛小説が嫌いという人に限って、恋愛への欲望が実は深い”。
そうなのかもしれない。
偶然でもいい
必然でもいい
目標でもいい
野望でもいい
これしかない
これだけができる
これだけが好きだ
そう思えることをひとつだけ見つけられたら
一生を通してそれを追求する
…
私は一生かけて英語を好きでいるんだと思う。
祖父を亡くして思ったことは、
お通夜もお葬式も四十九日も一周忌も、
そして日々のお参りも、
残された人にとって大事な過程だということ。
繋がれる、喜んでる、個人の希望を叶えたい、
全てそう思わざるを得ない残された人のためでもあること。
遺品処理もそうだとこの本から気付かされた。
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Posted by ブクログ
小鳥と熊の互いの小説がパラレル?リンク?したあたりから一気に読んでしまった。主人公たちより20年ちょっと歳を重ねている私でもキュンとしてしまう展開と文体に酔いました。
一人の作者が小鳥と熊のそれぞれの小説を書き分けていて、それぞれの思いや性格や視点、人生までをもありありと感じられたのがスゴイなと。呻吟と推敲の賜物なのか?観察力と想像力・創造力と文章力。小説を書く講義を通して私も勉強になったし、そう言う視点でこの物語を読み進めてみても面白い。
恋愛小説って久しぶりに読んだけど、設定年齢が年下でも結構楽しめるんだな、と。読まず嫌いにならないように、ビビッと来て出会った本はどんどん読もうと思います。