小手鞠るいのレビュー一覧
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アメリカで暮らしている小5年の男子、深青(みお)が夏休みに母の祖父を訪ねて岡山に行く。そこで同じ年頃を戦争中にすごした祖父のスケッチブックに記された毎日と向き合い、追体験していくお話。まずアメリカで第二次世界大戦がはじまる前の祖父の生活を絵日記のように記したスケッチブックを見つけるところからスタートする。
絵が多いので当時の生活がよく理解できる。岡山なので原爆の後に被爆者が運ばれてきたのを見る様子や、空襲の後の死骸がたくさんある状況に慣れていく様が心に残った。マンガ的なイラストだけでなく、深青が語る文章を並行して読まないといけないので、多少の読解力は必要。
戦争中の生活が現代とかけ離れてしまった今、子どもにも理解できる良い本だと思った。実在した少年の記憶(記録)なので、ドラマチックな展開になっているわけでもないのにこれだけちゃんと読める(読ませる)ことがすごい。 -
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父「川滝少年」の漫画にしたスケッチブックに、
著者がフィクションの物語をつけた一冊。
川滝少年は終戦時13才、軍国少年として、生きていた。
作中では、孫の深青(みお)少年が、夏休みにアメリカから訪ねてきて
祖父といろいろ話し、戦争について知り、考えていく。
本音は★3.5というところ。
まず、それは、すごく表面的な味方なのではないかなぁ、
あるいは偏向していないかな、ということ。
たとえば、135頁。
「みんな、この人のために、喜んで(←ここが重要である!)死んでいったのだ。
そうするしか生きていく道はなかったし、それが正しい道だと信じていた」
ああ、そうか、この時点では川滝少年は、そう考えていたのか。
疑問を抱きつつも、出征し死んでいくことになった人びとの
手記などが明らかになるのは、もっと先のことだから、これはこれで良いのだね。
でも、このままだと、読者はその通りに受け止めてしまう。
それでは、まずいのではないかな。
声を上げられなかった、もっと複雑な思いがなかったことになってしまう。
とはいえ、岡山空襲で焼け焦げの遺体になれていく様子、
乗っている汽車にグラマンから攻撃を仕掛けられ九死に一生を得たなど
少年の語りを通し、現実味を帯びてくる。
知らなければ話にならない。
戦争が遠い昔の歴史でいてくれればよいのだけれど・・・
ユーモラスなイラストトともに、読みやすい一冊。 -
Posted by ブクログ
野鳥を主軸に据えて日常の自然を美しく描写してあること、日々の幸せやティーンの恋愛が折り込まれていること、同じ詩を日本語と英語の両方で味わえること、両親の離婚という問題をどう捉えるか、ペットを通じて命の重さと別れを共感することなどがオススメポイント。雑多な色々がまざりあっているのに、空気感は静謐。語り手の女の子(ニューヨーク在住)があまり欲を出さずに自然体で生きているからかな。
日本にも沢山の野鳥いるけれど、野草と同じで教科書で教わらないから素通りされている。ものさし鳥としてスズメ等を使うこととか、野鳥を鳴き声で探すこととか(ききなしという言い方とか、代表的な聞きなしの言い回しとか)、主人公千歌のステップシスターである絵理奈は凄く知っているけど、稀。あと、こんな本のように野鳥をそばにおいた本があまり思い付かないなぁ。椋鳩十、舟崎克彦の雨の動物園とか?表紙のレンジャク、一度見てみたい憧れの鳥です。「ねえ、あそこの公園のおっきいケヤキにレンジャクいたって!」「マジ?チョーレア。見に行こ。まだいるかな?何時の情報?」なーんて、あり得ない会話を夢想。
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10数通の文章に対する質問(ツイッターで魅力的な文章を書くコツを教えて、小説家になるには?など)に筆者が答えている内容です。文章を書くことに興味ある人、作家に憧れているひとにオススメの本。作者の考えだけでなく、色々な本からの引用を用いた解説になっており、文章はさすが文章教室と言っているだけあって、平易なのに心に届きます。私が一番印象に残った回答は第四章体験を書くの最初の投稿、小説家になりたくて投稿している人への回答です。この答え、結構辛辣。作者は「こてんぱん」と表現されていますが、いやはや、小説家になりたければこれくらいの批評は蚊に刺された程度と思わなければならないそうです。「才能、努力、運。この三つがそろっても、作家にはなれない」やなせたかし。
他にも読書感想文の書き方で、はっとするような解説や、詩へのアプローチの仕方など、普段指導に関わる人にも役立つし、普通に読んでも面白い本です。 -
Posted by ブクログ
本紹介のエッセイ。58冊の本が引用文とともに(全部の本じゃないけど)紹介されていて、いくつも読みたくなった。時々創作もおり込まれていて、ちょっとおもしろい流れだった。特に、将来小説家になりたいなぁという漠然とした夢を持つ小学生は読むべき。放課後の文章教室と姉妹本のような関係らしく、そちらも読んでみなければ、と思いました。
かなり昔の本(金閣寺とか)から、最近の本まで色々紹介されていたが、「私たちが子どもだったころ、世界は戦争だった」が一番惹かれたかな。あとは、村上春樹が好きだといいながら、いくつかの著作あげてこれは苦手だった。よくわからなかった。歯が立たなかったし、理解できなかった。とはっきりいっているのがすごいと思った。それでも好きな理由は、ぜひこの本を読んでみてください。