小手鞠るいのレビュー一覧
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10数通の文章に対する質問(ツイッターで魅力的な文章を書くコツを教えて、小説家になるには?など)に筆者が答えている内容です。文章を書くことに興味ある人、作家に憧れているひとにオススメの本。作者の考えだけでなく、色々な本からの引用を用いた解説になっており、文章はさすが文章教室と言っているだけあって、平易なのに心に届きます。私が一番印象に残った回答は第四章体験を書くの最初の投稿、小説家になりたくて投稿している人への回答です。この答え、結構辛辣。作者は「こてんぱん」と表現されていますが、いやはや、小説家になりたければこれくらいの批評は蚊に刺された程度と思わなければならないそうです。「才能、努力、運。
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本紹介のエッセイ。58冊の本が引用文とともに(全部の本じゃないけど)紹介されていて、いくつも読みたくなった。時々創作もおり込まれていて、ちょっとおもしろい流れだった。特に、将来小説家になりたいなぁという漠然とした夢を持つ小学生は読むべき。放課後の文章教室と姉妹本のような関係らしく、そちらも読んでみなければ、と思いました。
かなり昔の本(金閣寺とか)から、最近の本まで色々紹介されていたが、「私たちが子どもだったころ、世界は戦争だった」が一番惹かれたかな。あとは、村上春樹が好きだといいながら、いくつかの著作あげてこれは苦手だった。よくわからなかった。歯が立たなかったし、理解できなかった。とはっきり -
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あなたの『大切にしているもの』はなんですか?
これは実に幅の広い質問ですね。『大切にしているもの』と言われてもあまりに漠然としています。でも不思議とあなたの頭の中には、すっとそのイメージが思い浮かんだのではないでしょうか?長年にわたって集めている何かしらの趣味のコレクションのことを思い浮かべた方もいるかもしれません。そうではなく、家族の顔を思い浮かべた方もいるかもしれません。そして、そういうことではなく、自分が一人になれる時間、そんなものを思い浮かべた方もいるかもしれません。この質問に正解など当然ありはしません。人によって『大切にしているもの』は当然に異なって然るべきだからです。
ただ、そ -
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あなたは、『戦争なんて自分には関係ない』と思っていませんか?
先の大戦が終わって80年という年月が流れました。恐らくこのレビューをご覧になってくださっている方の中で戦時下の記憶がおありという方はいらっしゃらないのではないかと思います。先の大戦が終わり、それから流れた長い年月の中で、私たちの国は世界で唯一と言っていいほどに戦争とは無縁の歩みを進めてきました。それはとても幸せなことだと思います。しかし、その一方で世界に目を向ければ、今日、今この瞬間も続くウクライナへのロシアの侵攻を含め世界は未だ混沌とした中に置かれています。そんな戦争真っ只中の国や時代にたまたま生まれなかっただけ、私たちはそんな -
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事件をリアルタイムで知らない世代からすると、混沌としすぎて正確に捉えることが難しい時代を、小説という方法で表現した作品なのだと思えた。
この時代に自分が同じ世代で生きていたら、この政治的思想にのめり込んでいたかもしれない。そう思うほど千尋の一途さに感銘を受ける書かれ方だった。
YA世代の極端な奉仕的思考。何かを成し遂げたいと大それた野望を抱く一方で、自分の存在価値を小さなものとして粗末に扱いがちな心理。すっかり忘れていたけど自分にそんな時代があったと思い出した。
世の中を良くするために活動をはじめた人物が、次第に極端になり、手段を選ばなくなり、危険思想と見なされ、実際に危険人物とな