小手鞠るいのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
素朴でシンプルなイラストが、昭和の時代の懐かしさを感じさせる。
そして、その素朴なイラストの中で描かれる戦争の悲惨さは、どんなにシンプルに描かれようと、ひどい時代だったとしか言いようがない。
でも、写真やリアルな絵ではなく、戦争のおぞましさを全面に出しているわけではないので、そういう描写が苦手な子には、戦争があったという事実を知るのに最適な教材だと思う。
漫画風のイラストや、祖父と深青(みお)くんの会話から、第二次世界大戦がどんなものであったのか、当時を生きていた人の貴重な話がやさしく読めるので、いつか子どもと戦争の話をすることがあったら、この本を紹介したい。 -
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Posted by ブクログ
高校生だった著者が、ある朝の特別な朝礼で校長から聞かされた訓辞。同校出身の奥平さんが起こした事件から、この人のことを書きたいとふと芽生え、50年後に書き上げたというあとがきがある。
物語の主人公である不遇な女性ジャーナリストとともに奥平さんをモデルにした千尋とその人が手元におくヴェーユの思想をなぞっていく。駆け回り悩む主人公とともに世界の動きやこの人の思いをわかりたい、とは思えども、私には根本的な千尋の活動の転換点やヴェーユの記述が理解しがたかった。セツルや弱者への活動が闘争や正義のためと称する攻撃に向かう狂気、あたかも真面目に考え考え続けた若者が向かった先のようで、時代が違えば大学生としての