小手鞠るいのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書に登場する「メイミー」こと「花森真美絵」は、時代設定も年齢的にも小手鞠るいさん自身と似通った様が、まるで私小説のようにも思われた、それは小手鞠さんが1992年からニューヨーク州在住であることや、彼女の側に14年間ずっと居た猫の存在が、彼女の人生に於いて、いかに大切でかけがえのないものであったのかを物語っていて、しかも猫をテーマにして書いた長編小説は本書で四作目になるという、この猫に対する拘りは、愛し続けることが如何に幸せなのかということを、自ら実践しているようにも思われた。
しかし、その反面、たとえ愛する猫がこの世からいなくなったのだとしても、人は変わらずにその幸せを見出して生きていけるのか? ということも、自らに絶えず問い掛けているような、そんな相反する複雑な気持ちのやり取りには、本書の『幸福とは常に、諸刃の剣』の言葉が染み入るようで、猫好きにとって愛する猫とは、他のそれでは代替できない程の特別な存在であることを、小手鞠さん自身の人生を通して教えてくれたようでもあった、その内面でずっと燻りながら燃え続ける想いというのは、おそらく本人にしか分からない。
物語の内容は、私の人生とかけ離れた世界観で共感しにくかったものの、世界でどんなことが起ころうとも、自らの人生がどんなに苦難に陥ろうとも、猫が私を幸せにしてくれることだけは確かなことだということを実感できたことが、私にはとても嬉しかったことから過去の三作品も読みたくなり、小手鞠さんがどのようにして、それと向き合ってきたのかを知りたくなった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレアメリカに住む千歌と日本に住む絵里奈はステップファミリー。二人の関係がなんとも良い。野鳥が好きな二人のメールには鳥の話題がたくさん出てきて、鳥好きには楽しめる。鳥の英名と和名の紹介もおもしろい。
渡り鳥で季節の巡りを感じ、子育ての姿に感動する。鳥の囀りの不思議。
『野鳥の魅力は、人の手で触れないこと。偶然、ほんの一瞬しか。だから見ることができた人は、幸運に恵まれた人』うん、分かる分かる。
千歌は、夏休みに動物の保護団体にボランティアで参加し庭鳥の世話を体験し、指導者ボブの影響を受ける。『庭鳥は友だち。友だちは友だちを殺して食べない。これがやさしくて美しい人間のすること』と。千歌はチキンを食べないと決める。
う〜ん。このセンテンス、
この本を読む多感な思春期の子どもをある方向に導いてはいないか?とても不安になる。
『全ての命に意味がある。意味と存在意義と存在価値が』
心に沁みる大切なフレーズが散りばめられている。
その中に『食べない』が自然に入り込んでいることがこわい。
成長期の子どもに動物性タンパク質は必要だし、人間として自然な事だと思う。
親を理解しようとする姿や、恋への憧れ、愛犬の死へと話が進む。なんだか盛りだくさんだな。あれ野鳥の話は? -
Posted by ブクログ
永遠に忘れられない「過去」と
永遠に続いてほしい「現在」に 生きる女性。
39歳、離婚歴あり、英語短大講師。
「過去」の男は、高校時代の友人の彼。レイプのような一夜だけの男。
「現在」の男は、新進気鋭の政治家。妻子あり。
むろん不倫、仕事でもブレーンとして、物分かりの良い愛人として、均衡の取れた大人の関係。
そこに、一枚の葉書が届く。母となった高校時代の友人の現況を知らせる便り。
まるで過去からの葉書に 過去と現在の永遠の不確実さに動揺する。
小手鞠さんに慣れてきて、小気持ちの悪さが気持ち良くなってきた。
恋愛サスペンスという紹介だったけど、ラストにあんまりな事件はあるが、二人の男性の見えない部分がサスペンスかなあと思ったりしている。
参考文献に、代議士秘書関係の書籍がたくさんあったから、こんな事もあるかもねと楽しめました。