小手鞠るいのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
広島と長崎への原爆投下。アメリカ人の学生達が肯定派と否定派に分かれて討論するという内容。
児童書に分類される本なんですかね?とても分かりやすくて読みやすかったです。
登場人物を色々なルーツをもつアメリカの学生達にしたのも良かったと思います。
日系人部隊第442連隊の事は全く知りませんでした。読んでいて胸が苦しくなりましたが、知れて良かったです。
読後感は良かったのですが、最後の核に関する出来事の年表を見ているとわたしは悲観的な方に気持ちのベクトルが向かいました。なんでだろ?
まだ一度も広島も長崎も行った事がないので、行ってみたいと思いました。
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Posted by ブクログ
爽やかな本に出会ったという感想が読書中も読み終わったあとも続いています。森林浴のような心地良さを感じる小手鞠るいさんのエッセイ集です。
ウッドストック という、北海道の富良野のような美しい自然の中に移り住んだ著者の、四季折々の自然から受ける恩恵が綴られています。
森の中で 著者は、季節の移り変わりは空から降ってくるのだと捉えます。
季節ごとの光が、生き物の声が、植物たちの息吹が、あるいは枯れていく彩りが、見ているものの心を治療していくと。
自然の中で生活することは楽なことばかりではないし、日本も大好きだけど、それ以上に、ここが自分に一番あった場所だと言える著者を心から羨ましく思います。
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Posted by ブクログ
ままならない男と女。
正直に生きれば生きるほど、堕ちていく。
帯の紹介は、こんな感じ。
多少、ねちっこいと思うところはあるけれど、先が気になって優先的にに読んでしまう、昼メロ的中毒性がありますね。
三組のカップル+一人のバリキャリ50代美貌起業家女性が、絡み合う恋心と身体。
一組目は、長い交際の末にようやく婚約にたどり着いた若いカップル。女性は、真面目で仕事も頑張るんだけど、なぜか彼以外の優しさを必要としてしまう。
次は、結婚8年、子供はまだいない。ご主人は奥様大好き、妻は不安定な夫婦。ご主人に充分愛されても、若い頃の元彼の奔放さに振り回される妻。
そして、バリバリの不動産マンから子供の交通事 -
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アメリカで暮らしている小5年の男子、深青(みお)が夏休みに母の祖父を訪ねて岡山に行く。そこで同じ年頃を戦争中にすごした祖父のスケッチブックに記された毎日と向き合い、追体験していくお話。まずアメリカで第二次世界大戦がはじまる前の祖父の生活を絵日記のように記したスケッチブックを見つけるところからスタートする。
絵が多いので当時の生活がよく理解できる。岡山なので原爆の後に被爆者が運ばれてきたのを見る様子や、空襲の後の死骸がたくさんある状況に慣れていく様が心に残った。マンガ的なイラストだけでなく、深青が語る文章を並行して読まないといけないので、多少の読解力は必要。
戦争中の生活が現代とかけ離れてしまっ -
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父「川滝少年」の漫画にしたスケッチブックに、
著者がフィクションの物語をつけた一冊。
川滝少年は終戦時13才、軍国少年として、生きていた。
作中では、孫の深青(みお)少年が、夏休みにアメリカから訪ねてきて
祖父といろいろ話し、戦争について知り、考えていく。
本音は★3.5というところ。
まず、それは、すごく表面的な味方なのではないかなぁ、
あるいは偏向していないかな、ということ。
たとえば、135頁。
「みんな、この人のために、喜んで(←ここが重要である!)死んでいったのだ。
そうするしか生きていく道はなかったし、それが正しい道だと信じていた」
ああ、そうか、この時点では川滝少年は、そう -
Posted by ブクログ
野鳥を主軸に据えて日常の自然を美しく描写してあること、日々の幸せやティーンの恋愛が折り込まれていること、同じ詩を日本語と英語の両方で味わえること、両親の離婚という問題をどう捉えるか、ペットを通じて命の重さと別れを共感することなどがオススメポイント。雑多な色々がまざりあっているのに、空気感は静謐。語り手の女の子(ニューヨーク在住)があまり欲を出さずに自然体で生きているからかな。
日本にも沢山の野鳥いるけれど、野草と同じで教科書で教わらないから素通りされている。ものさし鳥としてスズメ等を使うこととか、野鳥を鳴き声で探すこととか(ききなしという言い方とか、代表的な聞きなしの言い回しとか)、主人公千歌 -
Posted by ブクログ
小手毬さん作品は、あまり触れてこなかった。
ふと手に取ったこの作品がいかなる展開、ポリシー、作者のメッセージを持っているか感慨で胸が熱くなり、読後、しばし喧騒から解き放たれての思いにふけった。
山崎氏作品でも知られた日系2,3世の苦悩、強制収容所の実態、彼カノジョらのアイデンティティの揺らぎがここでも語られている。
戦後の生まれとはいえ、兄や姉から配給時代の話を聞くくらいで詳細は、このような作品を通じて知るだけ・・戦争は遠くなったといわれるゆえんだろうか、今では生き証人が激減している、
従軍し参戦した父は、ご多分に漏れず一言も語らず逝った。
子供、学生時代学んだ現代史は今思うと都合の良いよ