あらすじ
画廊勤めの風子の前に台風のように現れ、19歳の身体を心ごと奪った大岸豪介。不器用で情にもろい豪介に深く刻まれた風子の愛の記憶は、幼い娘を抱えスナック勤めをした洋子との暮らしを彼が選んだあとも甘く、苦しいほどに切ない。元妻を自殺で失った河野至高と風子が結ばれた20年後のいまも……。70年代フォークの調べにのせ、秘めた想いを、肉体の歓びへと解き放つ大人の愛の物語。
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Posted by ブクログ
買ったのは多分2016年。大垣書店他のチェーン限定の復刊と。
風子、洋子、風子、夏来、そしてぐるっと廻って風子と若菜。
色々分かってない男は脇役でしかない。
出てくる場所が、19歳の風子が過ごしたのは百万遍、夏来が住んだのは出町柳で、河野は旭川でボート部だったとか。
Posted by ブクログ
主人公が最初に惚れ込んだ男の描写。
そういえば、こういう男、「欲しいのは、あなただけ」にもいたなあ。
それと同じく、その後の男についても・・・。極端といえば、極端。
でも、最後の場面はとても切実。
こういう切なさをうまく伝える文体って、なかなかないと思う。
Posted by ブクログ
ゴンちゃんと風子の出会い、結婚、離婚を描いた「空は何色」から始まる5篇の連作短編のような感じです。作中出てくるフォークソングが懐かしい。
ゴンちゃんと河野さんがバカ正直なほど自分の気持ちを優先しているのに対して、風子も河野さんの元妻である夏来も自分の本心は隠して生きていたのですね。河野さんが夏来の自殺の原因が自分が彼女から何かを奪い、踏みにじったと思っているのに「愛する人に歌いたい」で自殺の理由が全く別の事だった事実に驚きました。
最後まで読むと『好き、だからこそ』というタイトルがとてもしっくりきました。
Posted by ブクログ
好き、だからこそ許せないことがある。好き、だからこそ言えない秘密がある。好き、だからこそ誰かを不幸に陥れたとしても手に入れたい愛がある。好き、という気持ちは理屈では説明できないと言われるけれども、そこにこそ人間らしさが秘められているのかもしれない。しかし、もう一方で人間は生きて行かなければならない。誰かから手を差し伸べられることで、生を繋いで行くことができる。その時に生まれる情は、好き、ということと同じなのだろうか?小手鞠るいさんの世界に登場する女性たちは、いつも健気で自分自身の感情に正直に生きてゆく。
Posted by ブクログ
短編集かと思ったら、オムニバス形式で進んで行くいくつものおはなし。
最初はコテコテすぎるなぁと思いながら読んでいたけど、最終的には引き込まれてしまった。
若い恋愛と忘れられないひと。
だれにでもある恋のはなし。
Posted by ブクログ
好きって大変。
忘れられない恋愛が
絡まって、けど、ちゃんと前に進む
大人なお話。
ズルいなって思ったりもする。男ってズルいなぁって
解説がまたいい感じです。