池田真紀子のレビュー一覧

  • ボーン・コレクター(上)

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    ネタバレ

    ニューヨーク市警で科学捜査のエキスパートだったリンカーン・ライムが主人公のシリーズの第一弾。
    現在のライムは、事故のため四肢が麻痺し、首から上と左手の薬指しか動かすことが出来ない。
    自殺しようにもそれすらできない状況で、彼は楽に死なせてくれる人を探している。

    そんな時、猟奇的な殺人事件が起きる。
    元同僚たちはライムの寝室を捜査本部とし、殺人犯を追うのだが、実際に現場に行って鑑識業務を行うのは、関節炎に苦しむ美貌のパトロール巡査のアメリア・サックス。
    彼女は傍若無人なライムに最初は反発するけれど…。

    事件がニューヨーク市警からFBIに横取りされたところまで。
    サックスの現場検証とライムの頭脳で、3人目の被害者は命を取り留めたというのに、FBIに何ができるというの!という気持ちと、4人目のターゲットが犯人にロックオンされてしまった状態のまま、下巻へ続く。
    続きが気になるやないかい!

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    2026年02月27日
  • ファイト・クラブ〔新版〕

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    ネタバレ

    一気読みしたが、奇妙な小説である。
    引き込まれて、読む手が止まらないのだが、何が語られているのかは、よくわからないのだ。

    文体には、常に皮肉なユーモアが満ちている。
    さらに、話題を急旋回させたり、何度もリフレインさせたりする、独特のリズムがあり、グイグイ先を読ませる。

    しかし、物語の軸は何なのか?主題は何なのか?は、見えてこない。

    「主人公=タイラー」の構造は、予想できるし、序盤・中盤で、何度もほのめかされているため、ミステリー的な求心力が、仕込まれているわけでもない。

    第1章で、「主人公/タイラー/マーラ」の「三角関係」が示唆されるが、明確に提示されず、成立していないといったほうが良いぐらいだ。
    効果的な物語の推進力としては用いられていない。

    リアリティの水準もよくわからない。
    シーンによって、現実社会のようであったり、マンガ的であったり、おとぎ話のようであったりする。

    「生の実感」が得られない現代社会から、「血が沸き立つ暴力衝動」によって解放されること…、「本当の自分」を生きはじめること…、というテーマを読み取り、読者も血を沸き立たせることが多いらしいが、わたしには、そのような感触は一切なかった。
    そもそも、そのようなテーマだけでは、単純すぎると思うし、それでも、そのテーマを主眼に置くとするならば、もっとシンプルな構成にするはずだろうと思う。

    例えば、村上龍は「血が沸き立つ暴力衝動」を、もっと上手く、読者の血が沸き立つように描いていると思う。

    わたしにとっては、何がおもしろいのか、掴み取れないが、それでも、一気読みさせられる奇妙な作品であった…、文体に魅力があるのは間違いない。

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    映画も鑑賞してみたが、やはり、「ひとつの主題に向かって研ぎ澄まされた構成」ではなく、雑多な印象を受けた。
    ほぼ原作どおりに、あれこれを詰め込んだ結果、「とっ散らかっている」と言ってよいだろう。

    『ファイト・クラブ』が、世界的なカルト作品になった理由を考えてみる。

    まず何より、世界的スターである、ブラッド・ピット主演で映画化されたこと。

    次に、「ファイト・クラブ」、つまり、「男たちの地下喧嘩クラブ」という、世界中の誰もが一瞬で理解できるコンセプトを、タイトルにしたこと。

    そして、「男たちの地下喧嘩クラブ」というコンセプトは、世界的に需要があるということ。
    この映画以降の、日本でのアマチュア地下格闘技の流行や、ケージの中での総合格闘技の流行を考えると、このコンセプトには、(たぶん、はるか昔から)潜在的な一定の需要があるのだろう。

    何より注目すべき点は、「小説の読者や、映画の観客は、プロット全体を見渡したうえで、心を動かされるのではなく、ひとつのシーンや、ひとつのコンセプトに、強く惹きつけられ、その理解や解釈は、社会に伝播していく」ということだ。

    この点は、小説や映画に限らず「作品鑑賞」の本質に関わる議題であり、今後も心に留めておかなければならない。

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    2026年02月23日
  • シャドウ・ストーカー 下

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    正にジェットコースターのような展開でとても面白かった。ライムの登場で突然科学的に緻密になる展開は尚更面白い。翻訳物にしては面白いし読み易いのはやはり翻訳家さんの腕化素晴らしいからか。とても楽しめた、他作品も楽しみ。

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    2026年02月19日
  • ハンティング・タイム

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    面白かった。シリーズ物と知らずに読みましたが、前作読まずとも特に影響は無かったと思います。前半から中盤あたりまではなかなかテンポ感が緩めで1ページ2段構えのため文章量が多く感じたせいなのか、かなり読み進めるのに時間がかかってしまいました。しかし、追いかけっこが本格的にスタートし始めた中盤あたりからテンポもよく展開もわかりやすくて海外ドラマを見ているかの如く次から次へとページを捲っていける状態でした。ハラハラドキドキ感、真犯人とその真相に迫る感じが読み応えあり。あと非常に読みやすくしてくれている翻訳家さんだなと思いました。帯にドンデン返し20回越えとありますが、ちょっと20回もあったのかわからなかったです。またそのうち他のシリーズ作品も読んでみたいと思います。

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    2026年02月22日
  • 石の猿 下

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    ゴーストの正体に驚いた。ジェットコースター具合は相変わらずであっという間に読み終えた。やはりこのシリーズは面白い。

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    2026年02月18日
  • 12番目のカード 下

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    科学的で論理的な捜査手法と派手なアクションが楽しめる安定のシリーズはやはり面白い。真の動機も想像つかないし展開も二転三転激しくてあっという間だった。

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    2026年02月18日
  • ポーカー・レッスン

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    ジェフリー・ディーヴァーの短編集で、犯罪者の騙し合いによるどんでん返し(真の悪人はさらに上を行っていたというパターン)が楽しめる。
    個人的には「通勤列車」「監視」「一事不再理」「冷めてこそ美味」が好み。

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    2026年02月10日
  • 死が三人を分かつまで

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    2人の男と結婚をし、重婚を隠しながら2つの家庭を騙していたローレ。夫がもう1人の夫を殺して逮捕される。売れないライターのキャリーは事件を知り、本に書きたいと連絡をとり事件について調べ始める。
    かなり長めの話なので少しだらっとするけど、キャリーとローレの視点や、事件当時と現在のパートが交互に書かれていてなかなか面白かった。
    時間があるときにまとめて一気に読みたい感じの本だった。

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    2026年02月10日
  • ファイト・クラブ〔新版〕

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    映画版の圧倒的な映像美と、原作小説の剥き出しの言葉。その両方に触れることで、物語の真の姿が立体的に浮かび上がる、稀有な体験ができました。
    互いの描写がパズルのピースのように補完し合っており、一方だけでは味わえない「えげつないほど」の充足感に満たされます。過激で不謹慎、それでいてあまりに純粋な破壊の美学。ネタバレ厳禁の衝撃を、ぜひその身で、そして脳内で体感してほしい一冊です。

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    2026年02月08日
  • 魔術師 下

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    “これまでの作品の中で最高のどんでん返し度を誇る”と裏表紙にあったが、間違いない!!今までの作品の美味しいところを詰め込んだようで、しかもそれが綺麗に収まっていると思う。このシリーズには毎回振り落とされないようについて行くのが必死。サックスの昇進も気になりつつ、最後までハラハラドキドキの連続で思う存分楽しめた!

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    2026年01月25日
  • 魔術師 上

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    今回はあっさり上巻で犯人の素性がわかってしまうが、その分どう下巻で楽しませてくれるのかと期待してしまう。協力者でる、カーラも魅力的。サックスと犯人の追跡劇やライムが犯人にXXされるシーンはハラハラドキドキものでした。それにしても飽きの来なくて更に続きも楽しみにさせるJ・ディーヴァーって凄い!

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    2026年01月25日
  • 幼年期の終わり

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    ネタバレ

    面白かった。第1部で謎の存在だったオーヴァーロードたちが姿をあらわした第2部から面白さが増していった。オーヴァーロードたちの目的はハヤカワ版で読んでいて分かっていたけどそれでも楽しんで読める。オーヴァーロードの船に密航したジャンの帰還など第3部の展開も良い。

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    2026年01月24日
  • 石の猿 下

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    ネタバレ

    面白かった。
    みなさん書かれているように、ソニー・リーがなんとも味があって、死んでしまったのが悲しかった。
    誰がゴーストかはすぐわかるから、ストーリーとしてはまあまあ。

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    2026年01月08日
  • スキン・コレクター 上

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    翻訳物は苦手なケースが多いのですが、読みやすくてストーリーも面白かったです。
    シリーズの途中だったのを知らずに読んでしまったので最初から読みたい!

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    2026年01月07日
  • 幼年期の終わり

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    ネタバレ

    読むと不安になる、独特な不気味さがあるSF小説。

    物語のラストで人類は“超進化”を遂げる。しかしその結果、新人類の子供たちは親や旧世代の人類と意思疎通できなくなり、最後には地球を破壊して去っていく。

    私は思った。「これのどこが“進化”だというのか?」

    私にとって、種としての進化とは宇宙との調和に向かうものだ。しかし本作で起きているのは、旧世代との断絶と破壊である。これは進化というより、突然変異によって“クリーチャー化”しただけではないか、とすら感じた。

    だが同時に、これこそが著者クラークの示した「問い」なのだとも思う。私の違和感は、あくまで“旧人類の視点”に立ったものに過ぎないのだろう。

    本作における進化とは、既存の価値観と必ず断絶し、旧世代には理解不能で、個を捨て、感情や文化を超えた宇宙規模の意識へと合流することを意味する。その過程で地球という“入れ物”が破壊されるのも必然なのだ。

    クラークは進化を肯定しているのではない。むしろ、進化が持つ残酷さを描いている。読み終わると、何とも言えない気持ちだけが残る。そんなSF小説だ。

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    2026年01月06日
  • 眠れるアンナ・O(新潮文庫)

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    生存放棄症候群という病気のため、 4年間眠り続けるアンナは、その状況から、直前に殺人を犯したらしい。中盤で目覚めるのですが、その様はなんとなくホラー小説を彷彿とさせるように感じました。中盤から終盤にかけては、この事件がどういう方向に行くのか全くわからず、気づいたらなぜか急に逮捕されたり、急に釈放されたりと、どこか読み飛ばしたかな?と感じるような展開でした。そして最後まで二転三転する展開。おもしろくはありましたが、少し捻り過ぎのように感じてしまいました。

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    2025年12月31日
  • サバイバー〔新版〕

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    「あのファイト・クラブの作者」と説明するのが一番分かりやすいパラニューク。
    しかもこの本はファイト・クラブ映画公開と同い年に発表されたから、微妙に共通点を感じるし、探してしまいます。

    パラニュークの作品を読んでいていつも思うのが、アメリカのオルタナ世代の閉塞感やダウナーな感情をよくもここまで文章化できるなあという驚きです。
    翻訳家の方のセンスもあると思うのですが、小気味良いリズムで繰り出される下品なフレーズが、高尚な言葉遊びのように感じられるんですよね。

    時間を置いてからまた読みたい1冊でした。

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    2025年12月30日
  • 眠れるアンナ・O(新潮文庫)

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    政治家の母、投資家の父のもと、一流大学をでて、雑誌の出版社を立ち上げ編集業をしていたアンナはある時、友人が死んでいる殺害場所で意識が覚醒し(目覚め)元々夢遊病の症状あった(家族の秘密だった)りしたことと、疑う余地のない状況などから殺人犯と考えられている。しかし、本人は事件後4年も眠ったまま。睡眠関連の犯罪の専門家ベネディクト(ベン)はアンナを目覚めさせる依頼を受け彼女に関わると同時にこの事件を調べ始める。果たして犯人は?真相は?アンナは目覚めるのか?
    とまあ、あらすじだけ読むとなかなか面白そうなのですが、この文庫、さほど厚くないようなのに本文674ページと、普通の2倍あります。そして、2/3位まではなかなか進まない!最後に二転三転していくところにたどり着いて、おまえか~って楽しむまでに結構な努力必要です。多幸感薄め。
    殺人、不倫などあるので、中学校以上。基本は高校から。キットカット(娘の名前がお菓子みたいでちょっと覚えやすかった)幸せになれよ…。

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    2025年12月16日
  • 魔術師 下

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    翻訳本はちょっぴり苦手。
    ジェフリーディーヴァーシリーズは過去に挫折したことがあったので無理かなーと思いつつ、読み進める内に楽しくて上下巻止まることなく読み進めることができた。
    そんな体験が嬉しくて星4にしました。シリーズ何冊か買ったのでこれから読んでいきます。

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    2025年12月13日
  • ロードサイド・クロス 下

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    ブログ記事への誹謗中傷が広がる中、渦中の若者トラヴィスが行方不明に。そして次々と事件が起こる。
    ライムシリーズと違い、凄腕の刑事達の個人技より、ダンスを中心にしたチーム捜査で解決していきます。

    個人的には、終盤のダンスの母イーディの言葉に感銘を受けました。
    また、オニール達との関係など、今後楽しみな要素も残ってます。

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    2025年12月02日