池田真紀子のレビュー一覧
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ネタバレウォッチメイカーたちは10件の殺人を計画していて、物語開始時点で2件の殺人事件を完了しているが、捜査班の動きに阻まれてその後が計画通りにいかない。
四肢麻痺の元刑事リンカーン・ライムは科学捜査に基づく推理により3件目の現場に警察を先回りさせて阻止する。相棒であり恋人でもあるアメリア・サックスを自分の事件に完全に引き入れたいが、彼女自身の事件を全うさせてあげたくもあり葛藤がある。
アメリア・サックスは刑事に昇進したばかりで自身の事件解決に意気込んでいる。しかし、刑事であった元恋人のかつての犯罪により立場が怪しくなりつつある。また、巡査であった父が現役時代に不正をしていたことを知り、打ちひしがれて -
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運命を悟った人物が、初めて自由意志を持ってそれに抗おうとする姿はやはりかっこいい。
テンダーブラウソンはカルト宗教のドグマにより生まれの時点で悲劇的な人生を辿ることが確定していて可哀想すぎる。彼もそれを自覚していて宗教から離れていてもゴミ溜めのような生活を送っている。しかし、宗教から離れている時点で抗う才能があり、終盤の行動においても主人公に値する人物だと思った。
ファーティリティ(豊穣の意を持つ)の未来予知がテンダーにとって人生の豊穣さに全く寄与せずむしろ逆効果になるのは、未来予知が人間が本来できないはずの能力で、できるという奴は金儲け目的で人を不幸にするだけだと皮肉を効かせているようで面白 -
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世の中のほとんど全ての人がスマートフォン・SNS中毒となっていて、必要以上にネットワークに繋がっている時間が多くなったことにより、自分自身と向き合う時間がなくなった弊害が大きいから、
意識的にネットワークから距離を置き、自分にとって本当に大事な物事にフォーカスしよう、という内容だ。
自分はその内容に共感し、読み始めてすぐにX、Instagram、Tiktokを削除(アカウントは消していない)し、iPhoneのホーム画面を整理して一頁目に最低限のアプリしか配置しないようにした。
今後考えるべき問題は、ほとんどすべてのヒトがSNSに毒されている状態の中、産まれたばかりの息子を今後どのように育て -
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ネタバレ面白かった!
30年という長い時間軸だけれど、自分の世代と重なっていることもあり、物語の中に自分がプレイしたり知っているゲームや、時代背景が出てきたのも楽しく読めた要因かもしれない。
自分の幼少時代にもこの物語の主人公達のような同世代がいたかもしれない、と思いを馳せたり想像を巡らせてしまう。
私自身はそこまでゲームをやり込んだタイプでもないし、詳しいわけではないけれど充分に楽しめる一冊だった。
長編だけど飽きることなく、読み終わったときはもっとセイディとサムのこれからを読みたい、という気持ちになった。
この2人の関係性は、間違いなくソウルメイト、絆、運命、そんなふうに言えると思う。人生でこんな -
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今度ばかりは流石にシリーズ終了かと思った。だって………、いや、ネタバレになるから書かないが、いくら何でもこれで続けるのは無理でしょ、と後半はずっとそう思いながら読んでいた。結論から言えば更にこの後もシリーズは続く訳だが、私自身は今まで読んだシリーズ中で一番面白かった。爽快感的な面白さではない。どちらかと言えば読みながら眉をひそめるような描写も多々ありながら、最後に読み終わった時の達成感というか疲労感というか、その脱力感はピカイチだった。
車椅子探偵ものとしては異例の犯人の逃走先を予測するというハンター設定。物証を元にした動かない科学捜査で果たしてそんな事が可能か?と思わせる難題をリンカーンは次 -
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デジタルなツールから離れ、自分にとって本当に大切なことに集中するための考え方を説いた本。断捨離のデジタル版とも言えるが、筆者はすべてのデジタルツールを削除するように主張しているわけではない。「惰性でSNSを見てしまう」というような状況を避け、もっと主体的に人生をコントロールするための一つの方法としてデジタル・ミニマリズムを提唱する。基本的な考え方やポイント、それらを踏まえた具体的な演習案なども提示してくれているので、本を読み進めながらデジタルの片付けを実践できるのはとても良い。デジタル・ミニマリストになれれば、デジタルツールやSNSに振り回されることなく、自分らしい生き方をすることができるだろ
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文春ミステリーベスト10の1位発表を見て、リンカーン・ライムシリーズの記念すべき第1作「ボーン・コレクター」を読んだのが2000年。それから約四半世紀の時を経てシリーズ第2作となるこの「コフィン・ダンサー」をようやく読んだ。キャラ設定など覚えているはずもなく、ほぼ新作のつもりで読んだが噂に違わずとても面白かった。
リンカーンは安楽椅子探偵ならぬ車椅子探偵だ。しかも最先端の機器を駆使して超微細証拠物から科学的な推理を行う。この一見「静」にも見える行動は非常にアクティブで「動」的だ。またアメリアを始めとする動けるキャラクターたちも銃撃戦はあるわ、飛行機は落ちそうになるわで全てが「動」に満ちた作品 -
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アメリカの小説って意図的に時系列を前後させてる気がする。断片的に連想のように思い出す記憶の集合体みたいな本の構成。
この本も、もっと続きが気になるってところで過去の話になったり時間が飛んだり、もどかしさもありつつ人生らしさが増す良さもある。
以下、好きな文章のメモ
「(娘の死をどうやって乗り越えられたか孫に聞かれた祖母が)朝、ベッドから出た。仕事に出かけた。病院に行った。家に帰った。ベッドに入った。次の日も同じことを繰り返した」
「ヒトの脳は、大切な相手のAIバージョンを長い歳月をかけて構築する。」
「もしかしたらそれは、遊びを求める心ゆえではないのか。もしそうであるなら、それは、すべての