あらすじ
ハイキング中に家族とはぐれた9歳の少女。「何か」が潜む森の中、一人で歩き続けるも、やがて食糧は尽き――。過酷な状況で懸命に生き抜こうとする姿を描いた壮絶なサバイバル小説が、全面改稿で甦る!
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Posted by ブクログ
面白かった!グイグイ引き込まれて夢中で読みました。森へ入っていく主人公トリシアは9才にしては大人びて、頭もよく、観察眼があって、運も強い。それが面白い。
森の細かな描写は美しく、恐ろしい。広大な世界の光や闇が実際思い浮かぶよう。歩くうち思いも掛けない情景が突然広がり、唖然とさせられ、ゾッとして、虫のうっとおしさにウンザリして、自然の怖さを見せつけられる。その中でも野生動物を見て喜ぶ子供らしさもあるトリシアの視線全てに生き生きとした生命力を感じる。
あらすじを数行でまとめると単純な話なのに、命のかかった大冒険のワクワクとスリルと、現実を超えた驚異的な展開、魅力的な登場人物や悪魔じみたもの、トリシアが現実と幻覚の境界をギリギリで行き来する不思議な感覚をもう存分に味わわせられました。
またキングが読みたい!
Posted by ブクログ
ハイキング中にコースを外れた9歳のトリシア。アメリカの森は深いのだろうな…
食料は少なく子供の知識で何ができるのか…
だけど彼女はくじけない。人がいると信じた方向を目指して歩く。彼女に力を与えているのは何だろう…
本の中で数日がたったころ、ベートーベンの交響曲第九番の演奏会にコーラスで参加した。
世界中のトリシアを応援する気持ちで歌った。
全ての人々は兄弟なんだよ みんなが君を守りたいと思っているよ!!
Posted by ブクログ
9歳の少女が森で迷子になって、サバイブするだけのお話もキングが書くとこんなに面白くなるのはなぜなのか??
人生を乗り越えるためのヒントが沢山描かれている感じがして良かった。
Posted by ブクログ
RソックスのT•ゴードンファンの少女がハイキングで遭難するだけの話といばそれまでなのですが、そこはさすがキング、最後までひっぱられるように読みました。彼女は果たして生還できるのか。
キングだから最後までわからん!なところもよきで、好きな作品でした。
Posted by ブクログ
スティーヴン・キング。別に遭難つながりで読もうとしたわけではないけど、タイミング的にかぶってしまった。この表紙ではない旧版の文庫だったので細かい違いはあるかもしれません。
遭難のきっかけが「こんなことで?!」と思うほど他愛ないのが逆にリアル。そして、ひたすら一人で歩くだけなのに飽きさせない筆致はさすがの名人芸。自然の威圧、虫、滑落、ヒル、沼、飢え、体調不良に幻覚。苦難のバリエーションってこんなにあるんだ。そしてちょっぴりの救いがラジオ。
それにしても、全編を貫く「推しが尊い」の一念よ。9歳のトリシアにとっての推し、野球選手のトム・ゴードンは徹頭徹尾かっこいい。かっこいいでは追いつかないほど描写が美しく、ほとんど神々しいくらいで、まさに「尊い」としかいいようがない。窮地の彼女が強く賢くあれたのは彼のおかげ。
書かれた当時には「推し」なんて言葉はなかったけど、このへんもキングの先見の明なのかしら笑