池田真紀子のレビュー一覧
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「知性ある者は、運命の必然の腹を立てたりはしない」
その考えかたは、人類のには最後まで受け入れられなかったわけだな。
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地球外知的生命体「オーヴァーロード」(最高君主)に地球のオーナーシップが移行され、人類最後の人間ジャンが地球の終わりをレポートする最後はまるで自分がその瞬間に立ち会っているみたいに具体的ですごかった。
「自分の悩みなんて宇宙の大きさに比べたら大したことない」という考え方の処世術にうんざりするほどの説得を与えてくれる作品。
「草を食べる虫を食べる鳥を食べる獣を食べる人間」という仕組みを食物連鎖というなら、このSFで描かれてたのは「文明・知識連鎖」って言える。
私たち人間は人間の間だけで優れている劣っているって比べあっているけど、オーヴァーロードたち、さらにその上位に君臨するオーヴァーマインドたちからしたらアリの巣を眺めてるくらいの感覚。ちょっと遊びで月を回してみるくらいの技術力の前に、たかが一惑星の生命体がどう抗えるのか。
タイトルの「幼年期」が「人類の(宇宙全体の知的生命体と比較した)成熟度」って解釈できたけど、皮肉すぎて著者のセンスすごい。
SF作家ってほんとすごいな。
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#読書記録
#幼年期の終わり -
Posted by ブクログ
J・ディーヴァーの短編集。 16作品収録でページ数だけ見れば長編小説級。
短編小説を真っ向から感情移入して読む人はいないでしょう。 どれだけドラマティックな結末を用意しても登場人物に思い入れようが無いのだから仕方ない。 ならばひたすらにエンターテイメント性、読者を驚かし裏切ることに傾倒してゆこう。 ただ短い話ではないです、予め短編とはどうあるべきかを作者なりに捉え定義して作られています。 本作はそんな短編集です。
私は本作を一種のパズルクイズのように考え、直感的に誰が悪意を持っているのか答えるように読んでいきました。 当たれば喜び、外れれば驚く、そこには至極単純な感情しか湧き上がっていないのですが面白いのだから何の問題もないです。 大きな展開の起伏と複雑な感情が欲しいのなら大人しく長編を読めばいいのですよ。
短編に求められてるものを見極め書かれた本書は「クリスマスプレゼント」程の一大イベントではないが大きなサプライズになりました。 -
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ネタバレ本書の結び近くの頁でライムが
『報道と扇動の境界線はどこにあるのか』
と思考する描写があるのだが、ライムの考察は全くその通りだと思う。
日本でも最近、回転寿司などを狙った事件が多発しているが、率直に騒ぎ過ぎだ。
報道が加熱すればするほど、幼稚で歪んだ自己顕示欲と承認欲求を持った者たちが後追いする。
二番煎じがダサいとも分からない、そもそも客観視など言葉すら知らず、当然持ち合わせもしない未成熟で低能な者どもからすれば、恰好のステージにしか見えないのだ。
マスコミが騒げば騒ぐほど、それらは奴らに認知されてしまう。
更に、
今、各地起こっている組織化された強盗事件を
報道機関は『闇バイト』という至って軽い言葉で扱っている。
果たして、
そんな日本語は存在するのか?
『できちゃった結婚』、『授かり婚』といった人の誕生に関わる事柄が軽視とも取れる言葉で世間に流布されると共に、親の自覚の無い一部のバ○どもが世に解き放たれ、虐待は飛躍的に増加した。
プーチンという○チガイのせいで、今も今後もこの国の経済は間違いなく困窮する。
そんな混沌の中で『バイト』と銘打って重犯罪を軽いコトバでてらいなく垂れ流す報道機関はもはや犯罪者たちの片棒を担いでいるとしか思えない。
『そういうやり方があるのか…』と。
作中でも、狡猾な犯人の手によってSNSを利用してのプロパガンダが功を奏し、ライム達の権威を貶め、遂には市警から更迭されてしまう。
プロパガンダの効果はそれに留まらず、やがては民衆を扇動し暴動を巻き起こす。
冒頭のライムの台詞は暴動の様子をニュースで知った彼が独りごちた言葉だ。
ライムの言う『境界線』を見誤れば、報道はいとも容易く煽動にすり替わってしまう。
はたして、発信者にその自覚はあるのだろうか?
長々と蛇足が過ぎた…。
本編の感想。
なるほど、シリーズの愛読者なら作中の次の展開は推して知るべしなのだが、勿論ディーヴァー氏自身はそれすら織り込み済みで、更にそれの裏、加えて新たなシチュエーションを仕掛けてこられる…あたかも彼自身がウォッチメイカーの如く。
その文脈で考えると、ライムチームの新しい仲間、
彼は逞しくも利他的で非常にナイスガイなのだが…『おまえ、もしかして?』と思えなくもないのだ。
読者をこれ程、疑心暗鬼にかける本シリーズ、益々、今後が楽しみなのだが、次作はどうもまた別シリーズのようだ(彼のシリーズも好きだけど!)
最後に蛇足の続きを少々。
朝の情報番組で前々から違和感があったのは、
ホワイトボードにずらり並んだ各朝刊。
アナウンサー達がそれを読み上げる…
えっ?
新聞をただ読むって…それじゃ各テレビ局独自のニュースソースって?
マスコミ各自が独自ニュースを持ち寄ってこそ、
それが真実足るかの角度が高まるんじゃないの?
予算が無いんか知らんが、そこを怠るなら最早ニュース番組なんて無意味でしょ?
精度40%の報道、内閣支持率かよ。
それなら芸能人の尻でも追ってるしかないか…
いや、それも文春さんの二番煎じか(笑)。
もしかするとディーヴァー氏は
日本に限らず、矜持を失った報道機関の在り方を
作品を通じて、訴えたかったのかも知れない。
彼ら名手達は本当に伝えたい事を作中巧みに忍ばせるのだ。 -
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ジェフリー・ディーヴァーは好きな作家です。
展開がスピーディーで会話がお洒落。
この「スリーピング・ドール」同作家のリンカーン・ライム シリーズのスピンアウト版との事。
ライムが物証第一主義で科学捜査の天才に対して今回の主役キャサリン・ダンスは人間嘘発見器と言われるキネクシスの天才。
キネクシスとはチョットした動作や表情からどんな嘘でも見破ってしまう行動心理学らしい。
カルトのリーダーが取り調べをされていた拘置所から脱獄。
脱獄の直前に彼を取り調べていたダンスと彼女のチームが脱獄犯を追う。
ストーリー展開はスピーディーで登場人物のキャラクターも良いので楽しく読めました。
ですが敵役の脱獄犯のキャラクターが少し弱い。私には少々小者感がありもう少しスケールのデカイ悪党であって欲しかった。
アクションあり随所に間一髪的な追いつ追われつのスリリングな展開ありで、流石ディーヴァーと思わせる部分は多数あるだけに残念。
でも一般的には面白い小説だと思います。 -
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読み終わりました。
おもしろかったです。でも、なんとなくクリスマス・プレゼントとは趣きが違う…
悪い人同士の知恵比べみたいな話が多くて、少し胃に来る感じ。
生まれついての悪人は、クラックコカインダイエットで読んでいて、再読してもやっぱりおもしろかったです。
原題はBorn Bad 原題を知ると、さらにぐっときます。
救われない話が多いのですが、ポーカーレッスンは面白くて、映画的でした。老スタントンは、ロバート・デュバルのイメージで。
TVドラマのタイトルも頻出。中でもザ・ソプラノズがよく出てきました…CSIも、ローアンドオーダーも…好きですけどね(笑)なんとなくこそばゆい感じが…
どんでん返しは好きですが、少しどんでんとは違う…?
そんな1冊でした。
クリスマス・プレゼントを先に読んだのですが、こちらの感想を先に投稿。
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Posted by ブクログ
抑圧された社会への反逆。
誰かが決めたレールを歩み続けることの疑問。
自己破壊による生への実感。
ファイトクラブにのめり込む彼らには共感できないまでも、この世の中にどこか息苦しさを感じながら歩んでいる自分自身に突き刺さる要素が多く、かなり衝撃を受けました。また、抑圧された社会への反逆という点で、伊藤計劃「ハーモニー」の要素を強く感じました。ファイトクラブの影響を受けたと言われるのも納得です。
ただ、文章がかなり読みにくく、いまどの場面で誰が話しているのが分かりづらいのは欠点かも?結末はだいぶ違いますが、映画版がこの小説の映像化作品として非常に良くできているので、そちらを見た上で、保管として読むのが正解かもしれません。