鴻上尚史のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ作家、演出家の鴻上尚史氏が
34の相談に答えるシリーズ五冊目
相談13では
「選択的夫婦別姓」が実現していないことが不思議でしようがないのです
と6ページにわたり詳細に書かれている
日本人が「波風が立たない結論」を
選びがちで
変わることを嫌い、同じことを続けていくことが一番重要だとおもってしまう感覚「世間」や「所与性」
この相談の回答には
何度も頷き、膝パーカッション!
相談14より抜粋
相手の発言をちゃんと受け止める親は毒親にならないのです。
相談22より抜粋
「考えることと悩むこと」は確実に分けるのです。
考えることは研究し実践すること
悩むことは
ウダウダすることです
悩 -
Posted by ブクログ
鴻上尚史さんの人生相談は
相談に答える形ではあるけれど
エッセイのようだ。
例えば、校則の厳しさに理不尽さを感じる高校生からの相談。
鴻上さん自身が高校生の時、校則の変更を公約に生徒会長になったそうだ。携帯もない時代に県内の全ての生徒会長と繋がり、
横の連帯を作り、組織的に変革を成し遂げようとした。結局、組織は一年でなくなったんだけど、行動力には頭が下がる!
自身にそんな経験があれば、
高校生にも納得の回答ができるわけだ。
相手に優しく語りかけ、時にはスパっと、時には肩に手をかけて寄り添い、ともに前を向いていこうとする姿勢がとても素敵。
子育てなど私の悩みと重なる相談もあり、
友達よ -
Posted by ブクログ
ネタバレ知識人のお悩み相談は感情云々一辺倒ではないし学びがいっぱい。
下記刺さった言葉↓
★結婚の意味
「一緒にいて一番楽しい相手と結婚」などありえない
長く共にいる夫婦の基本感情は「不機嫌」
恋愛感情が小さなぶつかり合いとすれ違いを繰り返しながらゆっくりと「不機嫌」に変わっていくのは必然
僕の周りで「不機嫌」に染まっていない夫婦はシステムとして「お互いが一人」の時間をちゃんと作っている。結婚の知恵だ。何日も顔を合わさないまま生活すると逆にお互いの関係はリフレッシュする。
結婚が長くなると夫は妻の家政婦的側面を手放したくなくなる
「理想の結婚」はその人個人の中にしかない、親や
世間とか義理の親とか関係 -
Posted by ブクログ
私には政治的見解がありません。いくつになっても、自分の意見を語ることが苦手だし、そもそも意見がない。
成績は良かったしテストはできたし、受験に失敗もしなかった。なのに、なぜなんだろうという長年の疑問にやっと、解決の糸口を見つけた気がした。
今からでも、自分の考えを語れるようになりたい。ブレイディさんの見た、イギリスで必ず出てくるカウンターのような人に。そのためには、知るべきことがたくさんある。
・世間とは、知り合い、近所付き合い、同じ会社など、謎ルールで縛られる人たち。私が社会と信じていたもの。
・シンパシーとは、かわいそうだと同情すること。
エンパシーとは、もっとフラットな気持ちで他人の立 -
-
Posted by ブクログ
特攻隊として9度出撃し、帰還した元兵士へのインタビューを元に、あまり一般には語られることのない作戦の本質・真実について述べられている。
直接本人の口から語られる言葉には、伝聞にはないリアリティと重みがあり、とかく美化されがちな特攻という作戦を、客観的に事実を積み重ねて解説していく。
精神論を振りかざす上官、若者や現場に最も負担を強いるやり方、志願という名の強制など、程度の差こそあれ現代社会においても、いまだに当然のようにこのような不合理が残っていると感じる。
歴史を変えることはできない。後の世代である我々にできることは事実を正確に把握し、学ぶことだ。
歴史を学べば学ぶほど、人間の愚かさや浅はか -
Posted by ブクログ
「世間」「社会」「空気」、
これらの観点から、日本人の行動や考え方分析しているのですが、読んでいて、とても腑に落ちた。良書。
周りが残業しているから帰りにくいとか、まさに「世間」だよなぁと思った。
また、初対面の人に、いきなり馴れ馴れしいタメ口とか、
注意するときに「ですます調」ではなくて、感情的に暴言を放つ人とか、これは「社会」との接し方がわからなくて、すべて「世間」として捉えてしまっているのではないか。「世間」の中で生きている、ゆえに「世間」の言葉を用いる。
逆に、“〜させていただきます”の連発や、過剰な敬語を用いてしまうーーこれは先ほどの人とは違って、「世間」が崩壊している環境で生き