鴻上尚史のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレこれまで週刊誌で連載されてきた1,200本以上のエッセイから、人間とは、というテーマで30本までに絞り込み、厳選した、いわば「作品集」。
鴻上尚史さんの本は、コロナ前後からたくさん読むようになりました。
鴻上さんの文章のすごいところは、とっても「現実的」で、かつ「血が通っている」、でも「筋が通っている」ところです。
他人事のように、論文のように断定することがよしとされる風潮に疑問を持っている方には、すっと入ってくるんじゃないかなと思います。
個人的に印象的だったのは、
「色っぽくなるためにはどうすればいいのか」
と
「体と精神の不思議な結びつき」でした。
特に前者は、おおっぴらには言えないネタ -
Posted by ブクログ
予想外だったのは、「ブラック校則」の撤廃そのものは重要ではなかった、ということでした。ブラック校則自体は、生徒が自分の生きる社会を変えていく過程で削ぎ落とされた、硬直した不要なシステムの一つに過ぎなかったのです。
それは学校という社会の本質的問題ではありませんし、校則についての議論を深めると、子どもたちを大人が作った無意味な対立軸に閉じ込めてしまい、本質的問題の議論から遠ざけることになってしまいます。
作られた対立軸のトラップは、学校に限らず、政治や統治の思惑が働く場面ではよく見られるものです。大人の社会でも瑣末な対立軸を与えていないか、手近な対立軸に乗っかっていないか注意する必要がありそうで -
Posted by ブクログ
同じ舞台でも観客によって変わる、映像より生々しく感情が伝わるなどは授業に似ていると思った。私も教師という役を演じているから。
他人を生きてみる楽しさ、他人になりきる大切さがある。
なんとなく演じるんじゃなく、「こう演じる目的」を明確にするのも大事だという。そうじゃないと演劇ではなく演劇っぽい何かにしかなり得ない。ただそれを演技中は忘れるのだそう。綿密に計画を立てておけば想定外にも対応できる。相手やその時の状況を察しないで計画通りに無理やり進めると失敗する。演劇、芸術、文学、必要ないと思われるものこそが人生を豊かにする。
「芸術は人生を問う挑発的なもので、芸能は人生を肯定するもの」 -
Posted by ブクログ
<感想>
コンビニの傘を題材に演劇に役者の葛藤(心の動き)について解説するくだりは素晴らしかった。日常の小さな葛藤はたしかに存在するし、自分自身の経験を振り返っても嫌になるほど覚えがある。これほど無意識の振る舞いを言語化できる鴻上氏はすごい。
<アンダーライン>
★★★喜劇と悲劇は同時に存在する
★★★観客や読者が感情移入するのは「主体的に参加した時」です
★★★演劇は、「より多くの人へ、より速く、より正確に」生きる人に、「あなたは何を失いましたか?」と問いかけるアートなのです。
★★★★芸術は「あなたの人生はそれでいいのか?」と挑発するものであり、芸能は「あなたの人生はそれでいいのですよ」 -