鴻上尚史のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
事例も、その反応も興味深い。その上で、日本スゲーみたいな浮かれた心情とは、スタンスを異とする著者だから、異文化理解、時代突破の示唆書として、深く読むことができる。
話題の幅広さ、分析の鋭さの両面から見て、5つ星です。
・日本発:アイスコーヒー、ストレートパーマ、スーツケースに車輪。国力よりもこんなところを誇りの根拠にするのも悪くない。
・大阪発:回転寿司、カラオケ、インスタントラーメン。大阪人の気質は、外国人のお気に入り。
・一番の違いは日本人はストレスを忘れようとする。でも、イタリア人はストレスの原因を解決しようとする。
・定年退職したお父さんがボランティアする姿に、「社会と付き合う前に -
Posted by ブクログ
2006年から続くBSのcool japan司会の鴻上尚史が書いた本。クール・ジャパンがクールでないのは周知だが「コスプレはよくてフィギュアはダメ」という文句が気になり読んだ。
日本人はそう思わないが外国人にとってクールなものがあるというのは承知していたが、外国人、特に西洋人が理解できない日本人のセンスに少なからずショック。たとえば、仔牛の時から育てた牛を加工場に送り出した高校生が涙する(食用なのに泣くことはないだろう)、とか、赤ちゃんとつきっきりで寝る(親は別室でセックスするだろう)、とか。
文化と意識の違いが国によってあること、というか、自分たちの常識が世界ではそうでないことを知り得ること -
Posted by ブクログ
オーソドックスなコミュニケーションスキルを一通り紹介しています。コーチングを一通り勉強した者にとっては、当たり前のことばかりです。
しかし、全く飽きることなく、いえ、むしろ大変面白く読ませて頂きました。人との関わりのなかで、「どういう言い方をしたらいいんだろう」という場面に出っくわすことはよくあることです。そのような時にどのような気持ちや態度で人と向き合うか、具体的で示唆に富んでいます。
演出家の著者が体験を基に、有用なコミュニケイションの方法をまさにご自身の言葉でまとめていますので、大変説得力があります。
この「伝え方」もとても勉強になりました。
我が身を振り返り、足りないなー、意識 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本当に久しぶりに鴻上さんの本を手に取った。
鴻上さんの書く芝居もエッセイも大好きだったことを
思い出した。
この本を手に取ったのは5章の創作に関する話を読みたかったからなのだけど、全編楽しく読んだ。
この国の文化の地位が低い(国内において)ということを私は常々感じていて、そのことも見事に明文化されていて、そうそう、
そうだよねと共感せずにいられない。
多くの人がおかしい、とおもっていることについて
分析・言語化されていて、どの項目に反応するかは
人それぞれだけれど何かしら共感すところがあるので
はないだろうか。
10年間書けずにいるという、脚本創作に関する本、
是非書いてください! -
Posted by ブクログ
いちばん心に残ったのは第5章「ものを創るということ」
「創作の秘密について」では、「とにかく最後まで書いてみること」が重要だとありました。最近このことが身にしみてわかってきています。
演技とは感情と技術の両立である、とか、理解できないことでもとりあえずやってみることが必要だとか。ずっと鴻上さんが言ってきたことなのですが、改めて心にすとんと落ちてきます。
「物語」について考え続けること、台本を書くということなど、参考になることがたくさん書かれています。
時々、ああ、あの時代の人ならではだなあと思うような思考も見られますが、それも含めて鴻上さんなんだなと思いました。