鴻上尚史のレビュー一覧
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戦争があったということはもちろん知っている。ただ、そこでなにがあったかまでは知らない。40代の私がこの状態なら、さらに若い人たちはもっと知らない。知ろうとしなければ得られない。「死ぬことが使命」だなんて世の中、絶対に嫌だ。今は戦争は日本では起こっていないけど、周りの雰囲気に対する違和感に声をあげられない、そのことが凶器を孕んでどうなっていくのか、ある意味今も戦時中なのではないか、なんてことも考えた。
生きる、生き残ると決めきった佐々木さんの想い。こんな想いを自分のこどもたちにはさせたくない、もらった命をどう使うか、死ぬことが使命だなんて、絶対にさせない。 -
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久しぶりに鴻上さんの本を読んだが、おもしろかった!
この本のテーマ「日本をこんなにも息苦しくしているものっていったい何なんだ!?」ということについて、私自身も最近頻繁に考えていることだったので、すごく興味深かった。鴻上さんの意見には大きくうなずくことばかりで、読んでいてとても気持ち良かった。
なぜ最近そんなことを考えるようになったかというと、最近仕事が変わって、やたらお堅い日本企業で働くようになって、その息苦しさに驚愕しているから。
だから、鴻上さんが紹介していた第二次世界大戦中のCIAの「妨害工作ガイド」には超笑った。(鴻上さんはsabotageをカタカナ語的に「サボり方」と訳していたけど、本来の意味の妨害工作って方がしっくりきますね。)
CIAのエージェントが、相手国の組織の生産性を水面下で阻害するための方法、なんだけど、これ、冗談抜きでうちの会社の体質そのものですわ。これを読んで、私はアメリカ人を心から尊敬した。
・「注意深さ」を促す。スピーディーに物事を進めると先々問題が発生するので賢明な判断をすべき、と「道理をわきまえた人」の振りをする。
・可能な限り案件は委員会で検討。委員会はなるべく大きくすることとする。最低でも5人以上。
・何事も指揮命令系統を厳格に守る。意思決定を早めるための「抜け道」を決して許さない。
・会社内での組織的位置付けにこだわる。これからしようとすることが、本当にその組織の権限内なのか、より上層部の決断を仰がなくてよいのか、といった疑問点を常に指摘する。
・前回の会議で決まったことを蒸し返して再討議を促す。
・文書は細かい言葉尻にこだわる。
・重要でないものの完璧な仕上がりにこだわる。
・重要な業務があっても会議を実施する。
・なるべくペーパーワークを増やす。
・業務の承認手続きをなるべく複雑にする。一人で承認できる事項でも3人の承認を必須にする。
・すべての規則を厳格に適用する。
この間、会社で「業務効率化改善委員会」なるものが立ち上げられて、みんなで何回かにわけていくつかのグループで数時間かけて話し合っていたけど、結局何も変わっていなくてワロタ・・・(涙目)
なんで日本人にはこのムダが分からないんでしょうかね。
やっぱり「失敗」が許されない、というか、エライ人が問題が起こることで自分の評価を下げたくない、っていう思いが強すぎるのかな、と私は分析しているのですが。
ほかにも、日本を息苦しくしているいろんなことについて、明るいトーンで指摘されていて、「こんな風に変えていけばいいのでは?」なんていう提言もされている。この本を読んだからといってすぐに何か状況が変わるわけではないけれども、読後はなんだかスッキリした。
今、息苦しさを感じて鬱々としている人には超絶おすすめです。 -
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ネタバレ衝撃だった。
まさかただでさえ致死率が高い特攻で、9回出撃し、生きて帰ってこられた方がいらしたとは!
まず「「特攻」が全くの犬死であることは、当事者は全員わかっていた。
1)日本の戦闘機がまったくアメリカの操縦機に叶わなくなっていた。最高速度が違う。
2)第一目的目標である空母にたどり着く前に、アメリカのレーダー網により察知され、VT信管により撃墜される。(アメリカ軍はすぐに対策をとった。)
3)日本の飛行機、特に零戦は、安全性能を犠牲にして性能を上げたので、特攻するにしても、護衛機の援助なしにたどり着くことはまず不可能。すぐに引火する。
4)動く船に、重い爆弾で当てるのは、機銃照射がある中、ほぼ不可能。仮に当たっても効果が薄い。アメリカ軍が発見したように、急降下爆撃による一撃離脱が効果的。
5)最初の特攻こそ、その時点での腕利きが選ばれたが、以降は若年者が選ばれた。
6)とても難しい操縦が要求されるにも関わらず、特攻に選ばれる兵士は、圧倒的に飛行訓練時間が足りない者が選ばれた。
7)末期になるほど、明らかに劣る戦闘機。かつ、護衛機も付けず、行け!となった。
従って、この命令は、全く戦理を逸脱している。目的は、あくまで銃後にある。こうまでして敵と戦うという、やがて本土にいる我々も同じように後に続くという決意を表した。 -
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メインターゲットは10代のようだが、大人にもお勧めしたい。平易な文章なのでサラッと読めるし、悩んでいた子供のころの自分にタイムマシンに載せて愛情と助言を届けることができたような気持ちになり、癒される。それに、大人になるにつれ、悩みの表面的な形こそ変わるが、根本的な部分は10代のころにはもう形成されていることが多いのではないか。
さて、親子とは、「他者度」が0から100を目指して成長するものである。それを前提に、本書は、そもそも「他者」どうしのコミュニケーションとはどういうものか、という一般論から説き起こす。
コミュニケーションとは、お互いの意見がぶつかったときに、ワーストを避けながら、お互いが納得するベターあるいはワースな「落とし所」を見つけることだ、と作者は定義づける。
コミュニケーションが得意な人とは、誰とでも仲良くできる人のことではない。「もめた時になんとかできる能力のある人」のことだ。
衝突を避け、相手に合わせるのはその時は楽だが、結果的に相手の要求を大きくし、より大きな苦しみを生む。
中間の点数になるような解決策を手探りで模索していくのが大人になるということである。
だから親との関係でも、親を100点満点で喜ばせる必要はない。0と100の間のどの点数で親の期待を応えようか探っていけばよい、という。
改めて、自分のコミュニケーション能力の未熟さを痛感させられた。
前に、ストレスを溜めためには「アサーティブコミュニケーション」ができるようになる必要がある、と聞いたことがあるが、本書のいう「コミュニケーション」とはおそらくアサーティブコミュニケーションのことを言っているのだろう。私はこれがうまくない。相手に合わせてはつらくなり、限界を超えると相手との関係自体を断っていたが、これは目先の楽を求めすぎていたのかもしれない。
一方で、人間関係において100を目指しすぎていたのだと気づかされ、心が慰められもした。
私は人と会った後、その人が求める「ベスト」な振る舞いができなかったと思うと、脳内反省会を繰り広げ自己嫌悪ですごく落ち込んでしまう癖がある。
特に、最近は高齢の両親の世話をする必要が出てきた。苛立って冷たくしてしまっては自己嫌悪に陥る。
でも、ずっと機嫌よく優しくいられたら完璧だったろうが、そこまでできなくたって良いはずだ。
介護では自分を責めないことが大事だとあちこちで読んだ。十分心に留めていたつもりだったけれど、やはり、「親の期待に100応えたかった」という思いが知らず知らず湧いていたのだろう。
ワースでもベターでも、ワーストでさえなければ良い。落としどころを探るべく、自分なりに試行錯誤はしたということだ。脳内反省会が始まりそうになったら、そう自分に言い聞かせていこうと思う。 -
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ネタバレブレイディみかこさんと鴻上尚史さんの対談ふたつ。
「世間と社会」「エンパシーとシンパシー」など、学びがありました。面白い対談だった…もっとお話聞いていたい。。
日本人は、自分の周りの「世間」は関わりがあるとして考えられるけど、それより外の「社会」はそうではないから自分に関係ないものとして捉えてしまう、みたいな説はすごく腑に落ちました。政治の話が出来ないのもこれなんだな。
政治の話してると「意識高い系」と揶揄されるのほんと意味分からないけど、うちらにはどうも出来ないこと言ってるwwwみたいなのもあるかも。歴史的に、民主主義を自力で勝ち取ってないというのもこの傾向を大きくしてると思います。大正デモクラシーは違うし、戦後民主主義はアメリカがくれたやつ。我々はほっといたら大日本帝国みたいな全体主義に近付いてしまいがち……ほら、今も。
エンパシーとシンパシー、機会平等と結果平等。この説明もわかりやすかったです。
ブレイディさんの「本当に経済を悪くすれば、お上は民を治めやすくなる」はゾッとするけど真理です…「貧すれば鈍す」だから。「国民が政治に関心無い方がありがたい(=やりやすいので)」みたいな発言した政治家もいることですし。
あと、ちょっと前の対談なので、日本の良いところは安全だということが挙げられてます。現在はそれすら危うくなっているので、ますます、何とかならなくなってる……。 -
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ほのぼの人生相談シリーズを読んで、鴻上さんのものの考え方に感銘を受けていたところこの本を発見して読んでみた。
孤独と不安というものに向き合うことが人生にとっていかに大切か、考えさせられる本だった。
特に響いたのが他人と他者の話。
深く関わり合わない人は「他人」、深い喜びや愛情をくれるが同時に悲しみや苦しみもくれる人が「他者」。この「他者」と上手に付き合えるかが、孤独や不安とも付き合えることというのは深い学びとなった。
最後に鴻上さんが生きる力をもらっているという詩がいくつか紹介されているのも良かった。あとがきにも沢山書いてあったが、一番大切なこと、
「なにがあっても死なないように」。
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本書は、工藤先生と演出家の鴻上さんの対談本です。
学校を「変えた」人として注目される工藤先生ですが、全編を通じて、工藤先生も鴻上さんも、何も難しいことはおっしゃっていません。
大事なのは自分で考えること。大事なものとどうでもいいものを間違えないこと。
それに、命より大事なものなんてないじゃないか。分かり合えなければ、分かり合えるまで対話したらいいじゃないか、と。
決して精神論や根性論ではない具体的な思考プロセスが示され、非常に納得感のある内容でした。誰かに責任を負わせるのではなく、何はなくとも現場でこれだけのことができるんだよ、と道筋を示しているところが良いです。
繰り返し読み、自分なりに理解することで、十分家庭にも応用できる内容です。 -
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他の方の投稿で「質問が(益々)ほがらかじゃない。(笑)」に対して笑ってしまいましたが、鴻上さんはほがらかの姿勢を崩さないですね。
(全体的に)
★こういう相談の返しができると「理想の上司」になれるのかな…あくまで頑張るのは…もしくはその人の人生を生きるのはその人なんだもんね。
(参考になった、「そうだそうだ!」と思ったところ)
★リーダーは情報を流通させる人
自分だけで決めてゴリゴリ進めるのではない
★ブラック校則にしがみつく教員にしろ「手段」(を守り抜くこと)が「目的」になったまま思考停止している
大企業の崩壊と同じ。
★堂々巡りする「悩んでいる」という状態と「考える」は別物