鴻上尚史のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今現在もこの地球上で、人が人を殺める行為を必然とした戦争が起きています。
この日本でもそう遠くない過去には戦争がありました。しかし、既に戦争を体験した方が少なくなった現在、私も含め戦争を知らない人々も、学校の授業や終戦記念日など何かのきっかけで、その実態を知り、考えることも大切なのではないかと思います。
私は年に一度くらいは戦争について真剣に考えようと思っています。本を読んだり映画を観たり、その方法は様々ですが、本作はそんな思いで手に取った一冊です。
<作品紹介>
太平洋戦争末期に実施された“特別攻撃隊”により、多くの若者が亡くなっていった。だが、「必ず死んでこい」という上官の命令に背き、9回の出撃から生還した特攻兵がいた。その特攻兵、佐々木友次氏に鴻上尚史氏がインタビュー。
飛行機がただ好きだった男が、なぜ、絶対命令から免れ、命の尊厳を守りぬけたのか。
「第一章:帰ってきた特攻兵」「第二章:戦争のリアル」「第三章:2015年のインタビュー」「第四章:特攻の実像」の4部構成になっているのですが、私は第二章を読み終えるまでに4ヶ月かかりました。辛くてなかなか読み進められなかったのです。
攻撃をして帰還した部下に対して、「次は死んでこい」という上司って何?目的が「死ぬこと」になってしまっている。
現代の自分が生きていく上でも、会社であったり人との関係であったりのなかで、目的達成のための方法はいくつもありますが、私はそれを取り違えてはいけない。といつも思っています。当時の日本軍の上層部においては、まさにその方法を間違えてしまったのだと思うのです。
劣勢になったときに、勝つためには国民を鼓舞しなければならない。そのためには、優秀な操縦士が先陣を切って特攻することに意味がある。と・・・。
冷静に考えれば、優秀な操縦士は貴重であり、先陣を切って後のものを率いて攻撃し、生還させることが重要だと思うのですが。生きていればまた出撃できますし、後に続くものを育成することもできます。
そもそも、生きて帰ることを前提としない攻撃なんてありえない。そんなことを考えた人もそれに同意した人も許可した人も、どうかしているとしか思えない。
ですが、時として人間は過ちを犯すのです。それは多かれ少なかれ自分も含めすべての人に言えることです。
当時の状況から、特攻兵でありながら、9回の出撃から生還するということがどれほど特異であることかは想像に難しくありません。
とにかく怒りを抱きながら、胃が痛くなるような辛さを抱えながら第二章までを読み終えました。
第三章では、それを成し遂げた佐々木友次(ともじ)さんへの、鴻上さんによるインタビューです。佐々木さんがお亡くなりになる数ヶ月前だったようです。体調もよくないなか淡々と鴻上さんの質問に答えられている様子でした。会話から、お人柄の良さが伝わってくる内容でした。
そして、佐々木さんは、ただただ純粋に飛行機を操縦することが大好きで、その操縦にも自信を持っていた。だからこその抵抗だったのかもしれないと思いました。
第四章では、特攻隊の実像について鴻上さんの見解が綴られていました。
また、後書きには佐々木さんのお墓に刻まれた文章が記されています。
21歳の時に9回の出撃にも関わらず生還し、92歳まで生き抜いた彼の言葉は、とても重く心に響きました。
佐々木友次さんのことや特攻隊の話については沢山の書物がありますが、それぞれ見解が違います。命令をする側と受ける側では見えている現実が違うのです。
また、誰かの思惑によって事実が湾曲されていることもあります。
それは遠い過去のことばかりではありません。現在でもそれを感じることが沢山あります。それに踊らされ振り回されてはいけないと心にとめたいと思います。
過去のことを変えることは出来ませんが、未来は変えられるはず。何かを判断する際は一度立ち止まってよく考えることが大切だなと思います。 -
Posted by ブクログ
特攻命令を9回受けるも、生還した佐々木友次氏に関する本です。
佐々木氏は、死んでこいと発狂して命令してくる参謀長へも毅然と、死んできます、と答えるも生還。
次々と軍人が特攻で死んでいく中、そんなことがどういう精神状態で可能だったのか、本人へのインタビューも含め解説しています。
寿命がまだ来ていなかった、という言葉が印象的でした。
また、終盤は鴻上氏が当時の社会情勢なども鋭く分析しており、日本人特有の空気感で大本営発表を信じ国全体が狂ってしまったと言っています。
しかし、この時から何も日本人は成長していません。戦時下のようなことがここ数年前にありました。
コロナ禍による自粛警察、マスク警察、ワクチン警察です。
結局、アホみたいに一生懸命だったパーテーションは意味があったのか?
とっくの昔に検査などを辞め、社会を正常化させた外国はコロナで全滅したのか?
何故もう誰もワクチンを打たないで良いのか?
などなど、ほぼ誰も振り返っていません。
今振り返っている人は、やれ陰謀論者だなんだとレッテル貼りをされていますね。
恐らくは数十年したら学者などが、あの時の狂気を振り返って批判を行うでしょうが、その時は一緒になって自粛警察に協力していたマスコミも、日本人の国民性を手のひらを返し叩くでしょう。
そう、何も変わっていません。そして変わっていないことすら把握できていないので、未来永劫日本は変わることはないでしょう。
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Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白い、、安定の読後満足感。
恋愛をする理由、男性は9割が性欲(笑)、女性は9割が淋しさと見栄(!)、とおっしゃっていて、「えええええほんまやー!!!」と強烈に納得した。笑
自分は人をもう好きになれないのか?とふと思うこともあったが、なるほど今、自己充足感が20代の頃よりもあるからなのか、と妙に腹落ちした。淋しさもなくなり、見栄も随分とげっそりした。なるほどだからなのか、、すごい。。真理。。いやほんと真理。。そして、こんなに興味関心がなくなった自分はおかしいのか?と周りにいろいろ質問されることで思っていたが、この一文でものすごくほっとした。質問者さんだけでなく、読者にも鴻上さんの優しさが伝播して、救われている人は多いだろうなあ