鴻上尚史のレビュー一覧
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10代、20代頃の悩み8割くらいが、だいたいこの本で分かるんじゃないだろうか。
「世間」…自分に現在・将来関わりある人たち。
「社会」…自分には関わりを持たない人たち。
⇒現在は"世間"が中途半端に壊れ「空気※」になった。※空気感、雰囲気、ムードなど
"世間体"という言葉があるように、日本は文化的に周りからの目を意識したり、同調する圧力(良く言えば"協調性")を重んじる環境で育った国なんだなと思った。
学生時代の友人関係、会社勤めてしていた頃の職場関係、親戚付き合い、モヤモヤしていた原因が具体的にわかった気がしました。
自分は他人と深く付き合えない冷たい人間だと思っていましたが、家族以外深掘りしない付き合い方は間違いじゃなかったな。
この同調圧力の根付いた日本で暮らすには、1ヶ所の世間(=空気)に深く染まりすぎず、広く浅く交友関係を広げ、知恵を付けて上手く立ち振る舞うこと。(なかなか難しいな…)
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Posted by ブクログ
工藤校長が、部活動をPTA主催にし、部活動を指導する教員はPTAに入って指導することで、保護者からは文句の代わりに感謝の言葉をかけられるようになったと言うのは、凄まじい発想の転換。部活動以外の様々なことに応用できそうである。
演出家の鴻上さんが「このシーンで1番大切なことは何か?」を俳優とともに話して「何を表現すれば良いのか」を俳優が自分で気づくかたちで導くことができるのが1番良い演出家というのは、良い教師と重なると感じた。
「社会のために学校は何ができるのか?」を常に意識していくことが大切だと感じた。その為には教員や大人達が常に社会にアンテナを立てていなくてはならない。 -
Posted by ブクログ
「空気が読めない」などの空気とは、所謂、世間を形づけるルールに合致した状態の様な強固なもので無く、流動性が高い状態の事を言う。
要するに、この先何かの事情で状況が変わる可能性(流動性)が高い場合に用いられる。さらに「空気」には潜在的に畏怖や圧力を感じる何かが存在しており、これらは人を拘束する。日本人は「空気」に目に見えない畏怖するものを感じている。
実は「空気」がルール化させると「世間」へと変貌する。ここで「世間」と「社会」の違いは何かと問われると世間とは自身のコミュニティに近い場合であり、社会とはその以外である。
例えば、近所の行きつけのお店(世間)の人への態度とコンビニ店員(社会)への態度では日本人はあからさまに態度、距離感が違う。これは欧米人からすると異様に映るようで、欧米人は逆に「世間」と「社会」の境界線があまり無く上記の様な場合特に差は見られない。「社会」に対する対応方法を歴史的に習得しているからだ。
さて、本書ではこの「空気」を打開するための方法を筆者は提供している。
一つは「空気」を相対化する事で、反論、疑問視、攻撃できる様にする事だ。先ほど述べた様に「空気」はある種絶対的なもので皆そこに何かしらの圧力及び畏怖を感じている状態である。それらを打開するためにも、比較検討できる状態にすることが望ましい。
二つ目は「水を差す」ことだ。あるグループ数人が全員で旅行に行くことになっている「空気」の場合、「でも、お金ないからなー」と言うことが水を差すと言うこと。これが「空気」が壊れた瞬間である。
昨今は「世間」よりも「空気」を大事にする傾向にある。それはなぜか。一昔前は「世間」は経済的セーフティネット(農業社会)であったが、近年は都市化、経済的精神的グローバル化が進み同質化が保てなくなり、「世間」が崩壊してきている。昔無かったモノが現代にはある。現代の人はそれがあることを基準に物事を判断するのだから変わることは当たり前である。
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身を置いてきた学校というシステム、それにあまり疑問も持たずにきた自分に辟易すると同時に、今この本を読めて良かったなと思う。
対立軸ってキーワードが1番印象に残った。学校や職場じゃなくてもっと身近な家庭でも、安易に対立軸を持ち込んで(家族の非を感情的に責め立てたり)、それで結局何もならない、分かり合えなくてってことは多い。相手を思い通りにはできないってそもそもそういう前提であること、そして妥協点を探していけるってことはどんな人間関係でも大事なのかなと思う。
自分の感情を押し通す、相手を思い通りに動かす、そんなことじゃなくて、もっと本質的なことは何かにいつも焦点を置いていたいと思う。
加えて無意味なスローガンの話で、みんな本気で思ってないよねっていう同調圧力というか、そんな姿勢が内面化されてるっていうのはハッとしたというか、結構やばいなと思う。長年感じてた理不尽さ、意味のわからなさとつながった気がする。 -
Posted by ブクログ
世間と社会を対比させ、日本と欧米を比べることで両者の違いを分かりやすく書いている。
特に欧米が優れていて、日本はそれを真似るべきだという安易な主張ではなく、それぞれの背景の違い(キリスト教と世間)から冷静に分析しており非常に理解しやすかった。
現在(2024年)は本書の執筆時点(2009年)と比べてリアルな「世間」はますます崩壊している一方で、インターネット上の主にSNSを中心とした仮想の世間や空気の力は増していると感じる。
複数のコミュニティに緩く参加する、というのは自分自身も実践していることであり、それにより各コミュニティへの依存度が下がり気持ちが楽になる実感をもっているだけに、非常に納得感があった。
これから多様性がより尊重されていくことが予想される中、同一性を強制する世間ではなく、各々違った個人が生きる社会に適用していくべきだと感じた。 -
Posted by ブクログ
イギリスと日本の空気感、暮らし、教育の違いが分かりやすく興味深かった。
プレイディーさんの著書を読んでいたので、解像度上がった気がする。
幸福論という点では明文化されているわけではないけれど、政府や世間の目を気にしてただ流されて生きていくことは幸福ではないと改めて感じた。
当たり前に行われてきたことに疑問を持ち、自分なりの考えを持ち、できれば発信もしていく、そうありたいと感じた。
結末にも記載があったけれど、コロナは大変なパンデミックであるけれど、情報に疑問を持ち自分たちで考え行動するキッカケになったのは感じる。
劇的に良くならなくとも少しずつ社会が良くなるよう小さな一歩を踏み出していくことが、幸福論なのかも?