鴻上尚史のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
この本と出会ったのは、大学の書店である。ポップに読めばモテると書いてあって手に取った。そのまま、レジへ持って行った理由は説明するまでもない。表情とか話術とか、表面的なスキルについて書かれた本だと思っていたが、内容は目から鱗であった。
作者である演出家の鴻上尚史さんは、ファッションやメイク、髪型を気にかけるように、感情や声、身体、言葉に気にかけて欲しいと書かれている。それぞれの要素について、素人の私にも理解できるように説明されている。読んで納得してしまったし、どれも自分の人生を豊かにするものだと思う。そして、理解することと実際にできることはまた別物なのだと勉強する本でもあった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ欧米の社会と言う言葉は本来個人が作る社会を意味しており、個人が限定であった。しかし我が国では個人と言う概念は訳語としてできたものの、その内容は欧米の個人とは似てもにつかないものであった
日本人は社会党政権を使い分けながら、いわば、ダブルスタンダードの世界で生きてきたのです
自分も世間ではなく社会に属している倒れている人に、簡単には声をかけられないのです
格差社会の激しい国、アメリカはキリスト教に支えられて成立している国なのです
何が迷惑なのかわかっているのは、世間です。けれど、グローバル化が進めば、自分の活動や欲望が、相手の迷惑になるかどうかは、実際にぶつかってみないとわからないのです -
Posted by ブクログ
内容はそう濃くない。単に、「クールジャパン」なものを並べているだけというならその通りなのだが、単に洗浄便座とかアイスコーヒーとかいうだけでなく、いつの間にか日本やアジア、ヨーロッパに人間の考え方、感性の違いにも及ぶ。
家畜の出荷にセンチメンタルになる日本人を大笑い。
赤ん坊は生まれたらすぐ別室。
ま、いろいろあるが、日本人は違いがあると自分に原因があるんじゃないか、変えなきゃ行けないんじゃないかと思いがちなのに、奴らは、自分が間違ってるとは露ほども考えない。
もちろん日本に来てる人たちだから強い人たちなんだろうけど、なんつか、これまでの世界史とか国際情勢とか、いろいろ考えるところもあった。 -
Posted by ブクログ
KYとかいう言葉を日経アソシエで見て、いったいなんのことだろうと思ってから、このかた空気というのはわかるようなわからないような存在であった。この本で、疑問に思っていたことが、かなり解消された。
日本は、世間で構成されている国であり、1000年前にキリスト教によって世間を解消した欧米とは違うのだ。どちらが良いということではなく、単純に違うのだ。欧米から取り入れた制度が、日本でうまく定着しないのも当たりまえで、アメリカがやっているから、ドイツがやっているから、日本もうまくいくはずだという議論は、この本を読んで後では、単なる考えの浅さを露呈しているか、いや、むしろ、うまいこと言って、利益を得ようとす -
Posted by ブクログ
詩の処方箋的なセレクトとあって、上から目線だと嫌だなと思いつつ読み始めたけれど、鴻上尚史氏の詩へのリスペクトがそこここに感じられてよかった。
冒頭の、ダイアナ妃が亡くなった時に、イギリスの人たちは献花とともに詩を添えるという話しにまんまと引き込まれ、歳後まで読んでしまった。
有名な詩の合間に、こんな詩もあったんだと思わせる作品に出会えるのがアンソロジーの魅力、素敵なラインナップだった(当たり前か!谷川俊太郎だぞ)
ラストの鴻上氏のことばにも共感。
長編を読む、ライブに行く、映画を見終えたような充実感をたったひとつの詩から、または詩の1行から得ることができる、なんて素敵なことなんでしょう✨ -
Posted by ブクログ
演出家の鴻上さんの本。
常に新しい俳優やスタッフと出会う演出家。
コミュニケィションは、聞く、話す、だけでなく交渉する
「世間」自分が所属している集団やグループ
「社会」他人、知らない人、群衆
欧米は、世間が存在せず全てが社会
日本人は社会との付き合い方が得意じゃない
ひとりごと
あなたと話す言葉
みんなと話す言葉
自分の言葉のレベルを変えることがコミュニケィションの技術
コミュニケィションが下手なのでなく、挨拶が下手な人が多い
集団が議論を続けるのは、ひとつにまとまるためではない。
メンバー一人一人が具体的にどう違うかを明確にするため。
ネットに書き込むことで、語りたい思 -
Posted by ブクログ
ネタバレ鴻上さんの著書「幸福のレッスン」には、「心のバランスを失うことを恐れない」という一節があります。
「えっ、どうして?、心のバランスを失ったら、ちょっと怖いんじゃないの?」と思いましたが、本文を読んだ後、「失う」のと「崩れる」のは違うよねと気が付きました。
「心のバランスを失う」というのは、心のバランスを激しく揺さぶられること。
ものすごく怒ったり、嬉しかったり、悲しかったりすることです。
夢中になったり、一生懸命になったりすことと言いかえられるかもしれません。
鴻上さんは、「大きな喜びをくれるものは大きな苦しみもくれる。そう覚悟して、心のバランスを失うことをおそれないようにする」ことを提案 -
購入済み
いま、知っておくべきこと
あるテレビ番組で紹介されていて、興味をもちました。
時期的なこともあるかもしれません。
特攻隊員がみんな笑顔で出撃していったなんて信じていませんでしたが、こんな帰還兵がそしてロジカルに特攻に反論した人達がいたという事実には、驚きました。
私にとっては、リーダー論としても読めました。
精神論だけで指示を出すという、無策。
従わざるを得ない地獄。
似たようなケースを今も見聞きする現実。
それを国民性と呼ぶなら、今すぐに見直したい。
命じられた死で、人を英雄化するような世の中に二度としたくないと強く思いました。 -
Posted by ブクログ
舞台演出家の鴻上尚史氏が1997年にロンドンの名門演劇学校に1年間留学したときの日記。
もう20年も前の話か!と驚いたけれども古さも感じず、鴻上さんの文章自体がとてもユーモアがあって、笑えるし、気楽に読めてかつものすごくおもしろかった。
イギリス名門演劇学校の授業とはどんな内容?っていうおもしろさはもちろん、英語を習得することとか、イギリス人と日本人の気質の違いとか、英日の教育や社会、演劇などの違いとか、すべて興味深かった。例えば、授業のあととかに「質問は?」といわれると日本人はたいてい黙っているけど、イギリス人は、たいした内容でもなく、質問ですらない単なる感想を延々としゃべったりする。それは -
購入済み
自分の気持ちに正直になれた人
人間、自意識の高い人ほど、体制やその中での立場他人の目などに制約され、自分自身の本当の気持ち、生き方に反する行動を取らざるを得ない。
佐久間氏は父親の生き方から得られた生きる事への自信、子供の頃からの空を飛ぶ事への憧れ、人間としての正邪の判断を心底に置いて、余計なことを考えず自分の気持ちに忠実に生を全うしようと言う強い意志があったために結果的にあの戦争を生き残れた。
体制、時代の風潮に流されず人としての生き方を貫く強さがいかに大切か、考えさせられました。