あらすじ
話題の新書、全身全霊のコミカライズ! 太平洋戦争末期に実施された"特別攻撃隊"により、多くの若者が亡くなっていった。だが、「必ず死んでこい」という上官の命令に背き、9回の出撃から生還した特攻兵がいた。飛行機がただ好きだった男が、なぜ、絶対命令から免れ、命の尊厳を守りぬけたのか。
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特攻隊の愚かさ
実話のマンガ化ですし、画力や内容等、あまり言うことないです。
戦闘機等のパイロットとか、当時の最精鋭部隊ですので、消耗品にすること自体がイカれています。なので作中でも、真っ当な人は反対意見を述べています。でも大日本帝国の軍隊で真っ当な意見が通っていたらああいう結果にはならないですからね。
ところどころ、現在の佐々木さんも出てきて、最後に原作者の鴻上尚史氏(氏の演劇作品はかなり好きです)も出てくるところが良かったです。
戦記物に付き物
特攻兵が主役なので不死身と言ってもどうも悲壮感が付き物です。色々戦記物を読んだけど最初景気よく局地戦で米軍を蹴散らしても最後は主人公が死んでしまったりめでたく米軍の勝利になってしまう。どうせなら日本軍大勝利で終わらせて欲しいな。
日本社会の空気
数多く出版されている特攻隊ものの一つ。
言い尽くされたことではあるが、本音と建前の違い、周辺の空気に逆らうことを恐れ流されてゆくみんな、その理不尽さをこの作品も十分に表現している。
絵柄は とてもうまい というわけではないが、原作の持っている雰囲気 原作の主張をよく表現している。
Posted by ブクログ
米兵が見たと描写されている特攻者の「無の表情」の描写が余りにも静謐で美しいとさえ思え、それが余計に憤怒をそそる。東直輝さんの絵のタッチが原作を描くのに長けていると感じた。