鴻上尚史のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
言わずと知れた演出家でタレントの著者による、舞台や映像で効果的、魅力的な演技をするための考え方や練習方法を紹介したもの。たくさん「エクササイズ」が収録されているので、誰かとこの本を実践するのは確かに面白いし役に立つかもしれない(でもやっぱり講評してくれる人は欲しいと思うけど)。「世界で初めて、演技の秘密を解明し、演技へのアプローチを科学的に体系化した人」(p.17)と言われているロシアの俳優・演出家スタニフラスキーが提唱したスタニスラフスキー・システムという演技訓練方法に基づいている。著者自身がイギリスで苦労しながら身につけたということが伝わってきて、必ずしも上から目線でもない感じも良かった
-
Posted by ブクログ
2009年に第一刷が発行され、その後も発行され続けて、もう少しで第二〇刷が発行されようとしている。
内容こそ、当時の時事ネタを挙げながら平易に解説している本書だが、
発行から15年が過ぎた今でも、いや、今だからこそ、
信頼できる「生きかたの指南書」として多くの人たちに読まれ続けているだろうことは
容易に想像できる。
山本七平『「空気」の研究』、
阿部謹也『「世間」とは何か』、
また、阿部さんの仕事を受け継ぎ「世間学」というアプローチをされている佐藤直樹さんの著書
『「世間」の現象学』
などを参照しつつ、「世間」の正体をつぶさに観察し、浮き彫りにした一冊。
曰く、世間のルールがいくつかあり、
-
Posted by ブクログ
ネタバレ日本以外はじゃんけんはあまり有名ではない。日本人が対話が苦手なのは、じゃんけんがあるから。大切な問題はじゃんけんに任せてはいけない。
多数決もどうか。最終的にはそうするにしても、対話が先にあるべき。数の暴力を防ぐ。
シンパシーとエンパシー。同情、共感、と客観的な立場で相手の気持ちを考えること。シンデレラの継母は、なぜシンデレラをいじめたのだろう、と考える能力がエンパシー。
被災地に折り鶴を送る人はシンパシーが強い人。しかし相手の立場では考えていない。シンパシーよりエンパシーを育てる。
進路、良いもの、ベター、がわからないときは、最悪じゃないもの、を選ぶ。どちらがいいか、ではなくどちらが避けた -
Posted by ブクログ
安定の鴻上本。
この人の書く文章は常に気づきを与えてくれる。リフレーミング効果がある。同じような事象に対して異なる角度からの視点や、解釈の方法を教えてくれる。
★★★★
本当の孤独」とは、自分とちゃんと対話することなのです。
★★★★
本当に何が食べたいかを知るためには、一定時間、ちゃんと空腹になることが必要なのです。
★★★★
頭は、一瞬で旅行日程を理解します。が、体の理解は遅いのです。体は簡単には変わりません。体が変わらないから、旅行を実感として楽しめないのです。
★★★★★
あなたが有能なセールスマンであるほど、あなたは自分との対話が苦手です。有能なセールスマンとは、「他人の欲 -
Posted by ブクログ
「服装や頭髪の乱れが心の乱れにつながる」というなんの根拠もない迷信を信じて止まない多くの学校現場において、その表面的な問題に取り込まれ教師の掌の上で踊らされることのないよう、子どもたちは優先して取り組むべき課題を見極めることが必要だと感じた。
千代田区立麹町中学校において革新的な学校改革を行なってきた工藤勇一さんは、純粋な疑問に骨太に向き合い、立ち向かっていくバイタリティに溢れた人だと感じた。
鴻上尚史さんの言う「世間」や日本社会全体に蔓延る同質性に対しては、工藤氏の言う「自律」や鴻上氏の言う「健康的な自立」を行なっていくしかないと感じた。またその際、当事者意識を持ち、感情を出さず「対話」 -
Posted by ブクログ
「世間」と「社会」の違いを説く鴻上さんと、「ぼくはイエローで〜」の著者のブレイディさんの対談形式の本。
イギリスの教育の紹介などを中心に、日本人が今後どう変わるべきかという方向性が示されています。
「エンパシー」という、その人の立場を想像する能力が多様性には重要という指摘や、機会平等としての「equality」など、数々の指摘が染み入ります。
やはり、子どもの教育って大切だなあと感じました。イギリスが実施している教育が全てとは思いませんが、日本の教育も教師と生徒の相互信頼の下で、自分の頭で考える機会が必要なのではと感じました。
個人的には、ブレイディさんの息子さんが言った「日本人は、社