あらすじ
「AERA dot.」で大反響の連載、待望の書籍化。子育て、夫婦の不満、容姿、孤独……相談者に寄り添った鴻上尚史さんの丁寧な回答に、「電車で思わず泣いてしまった」「素晴らしすぎる、神回答!」「何度も読み返した」などとTwitterでも話題沸騰! 書き下ろしも収録。
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Posted by ブクログ
物事をすごく深く考えていて、それを言語化しているのが凄い。
自分の悩み関係なく、質問への回答を読むたびに、そういう考え方があったのか、と色々と気づかされる事が多く、次の質問を読むのが楽しみになってしまった。悩んでいる質問者には悪いけど。
Posted by ブクログ
文庫になっていた本が気になって単行本を購入。
悩みについてリアルだし切実さが伝わる。
その悩みに前向きに本人の立場に立ってできることを伝える著書の能力は凄いと思う。
Posted by ブクログ
知識人のお悩み相談は感情云々一辺倒ではないし学びがいっぱい。
下記刺さった言葉↓
★結婚の意味
「一緒にいて一番楽しい相手と結婚」などありえない
長く共にいる夫婦の基本感情は「不機嫌」
恋愛感情が小さなぶつかり合いとすれ違いを繰り返しながらゆっくりと「不機嫌」に変わっていくのは必然
僕の周りで「不機嫌」に染まっていない夫婦はシステムとして「お互いが一人」の時間をちゃんと作っている。結婚の知恵だ。何日も顔を合わさないまま生活すると逆にお互いの関係はリフレッシュする。
結婚が長くなると夫は妻の家政婦的側面を手放したくなくなる
「理想の結婚」はその人個人の中にしかない、親や
世間とか義理の親とか関係ない
★同調圧力
日本は「同調圧力(みんなが同じになろう)の強さ」「自尊心(私には価値があり生きててもいいのかとか思わず自分を大切にする)の低さ」の宿痾(しゅくあ=長い間治らない病気)。日本はこの2つが世界基準で強くて低い。
戦時下の日本軍の特攻(死ぬ命令)など日本だけ。
軍隊がなくなった日本で学校は一番同調圧力が強い組織。戦後79年経っても変わってない。なぜなのか考え続けているがまだ答えは出ない。
アメリカは健全な自尊心を持つよう教育されるが日本は自尊心に対する教育はなく道徳の時間を含めて「同調圧力」に敏感になることを繰り返し教えられる。
組織にいる以上従わなければいけないとき「負けた」「ホントはこんなことしたくない」とネガティブにならないこと。生き延びるために選んだ戦い方のひとつなのだから。
★モテない
ひどすぎるポイントがないのにモテないのなら、それは「いいポイントが何も無い」から
何も語るべきことがない、性格が良い悪いでなく「無い」人もいる
いいポイントがない自分にこつこつモテポイントを足す行動をせよ
★旧約聖書に書かれた神から与えられた戒めの1番目は「私の他に神があってはならない」。神は私を唯一の神として信じる限りお前を守ろうと言うのだ
「世間」も同じ。日本は無神と言うが「世間」という強力な一神教が存在する。
江戸時代までの「世間体の悪さ」は、嫁が世話できない、未来の働き手の子供を作れないということなので村の存続に関わった
「世間」に所属している限り人は生きられた。
明治に「社会」という概念が導入された、「世間」だけでは国家が成り立たなくなるから(教育や軍隊のため世間を超えて人を集めなければいけなかった)。明治政府は「世間」を解体し「社会」を定着させようとしたがうまくいかなかった。明治から100年経つがまだ日本人には社会より世間の考え方が身近。
友達などの「世間」では性格が良くても「社会」は無視する、むしろ存在しない人も居る。
私たちは中途半端に壊れた「世間」に生きている
「世間」とは共同体を尊重する考え方
「社会」とは個を大切にする考え方
ニューヨークの教室に行けば「普通」など無いことがよく分かる
★前向きになれない
若いと人生を「0か100か」と思い込みがち。人生は
48点とか76点とかで生きていくもの
中途半端な点数でも必死に生きていかなきゃならないから人生はしんどいし面白いのだと思う
Posted by ブクログ
ネットでこの本に掲載されているひとつの質問に対して誠実に答えている記事を読んで、ぜひ読んでみたいと思っていた本。
鴻上尚史さんの優しい語り口と質問者に寄り添った回答が読んでいて心地よい。
ただその質問に表面的に答えるのではなく、自身の知識と絡めながら物事の本質を伝える様は、著者が長年人々の相談にのり続けてきたからこそ出来ることだろう。
どんな質問にも質問者に共感をし、気持ちを理解した上でアドバイスしていくことは今後自分にも取り入れていきたい。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ素敵な本。心が軽くなる。ユーモアも最高で、電車の移動で読みながら外にも関わらず何度も笑ってしまった。笑 そして、ここまで親身に、そしてバシッと回答できるのが素敵すぎる。ほがらか、とタイトルについているものの、深刻な悩みも多く、現代社会のリアルが垣間見れる。いい意味で「ぐさっと」くる部分も多く、やわらかい言葉とのコントラストが味になっている。SOSを発している人には具体的な対応策を、そして質問者さん自身の考え方が危ういな、という方にはわりと真っ向にぶった斬ってくれる感じで、これまたすごい。二作目以降も楽しみ。
「やった後悔よりやらなかった後悔の方が大きい」「自分の人生を生きる」「無意識の優越感」
Posted by ブクログ
世間体を気にして鬱病なのに病院に行けない話やいじめを受けた小学生の話が特に考えさせられた。背景に潜む同調圧力について、日本の宿痾(長い間治らない病気)とし、解説している内容が非常に面白かった。
Posted by ブクログ
読んでいて気持ちが良い。「こういう角度で物事を捉えるのか!」と毎度毎度感心します。
鴻上さんが色々な経験をされてきているからこその回答だと思いますが、理路整然としているようで愛情や人情味も溢れていて、温かい気持ちになります。
スラスラと読みやすくてバイブルにしたい本です。
Posted by ブクログ
新聞や雑誌の人生相談やお悩み相談といったコーナーを、興味本位で読むことは多いが、回答がつまらない。理想論や精神論、酷いのは回答者の自慢話がだらだらと書かれていたりする。しかし、この本は全く異なる。著者の回答は、びくりするほど論理的で実践的で優しい。「世間」にどう立ち向かうかという鴻上氏の思いが根底に一貫していると感じる。若い時にこんな本があったら良かった。
Posted by ブクログ
本書に書かれる相談・回答内容も学びになるが、何より鴻上さんの物事の捉え方や視点から、大人としての生き方を勉強させていただいた。
・物事を極端に捉えないこと
・相手の話がどんなに非常識であっても、頭ごなしに否定せず、まずは傾聴・共感すること
・既存の価値観に縛られず、自分と対話・対峙することの重要性
これらのスキルを身につけるだけでも今よりずっと生きやすくなる気がする。
温かさと厳しさ
理性と感情
バランスのとれた素敵な方だなぁ。
Posted by ブクログ
もっと早くに読んでおけばよかった〜
本当にいい本。
目から鱗だったのは、社会と世間の違い。
なんとなく分かっていたようで言語化にまで至っていなかったので、しっくりきました。
微笑ましいものや深刻なものまで、本当に様々な人生相談がありますが
何に苦しんでいるかを意識化するだけでも、心がすっと楽になるものなんですね。
何度も読み返したくなる本です。
Posted by ブクログ
相談に出てくる人に対して良い悪いと判定したり、闇雲な精神論を出したりせずに、必ず具体的な対応策を提案している。すごい。
自分と全く同じと思えるような相談内容がなくても、生活していて感じるモヤモヤと共通する部分がたくさんあり、自分の中で言葉にもならず溜まっている嫌な感じのものが、言語化されて新しい視点を得て、結果心が軽くなる。
読んで良かった。
Posted by ブクログ
私には関係ないなと、思った相談でも、
そんなとらえ方もあるんだなと、刺激になった。
リアルな相談には、未来のことまで考えて返答されていて、考えさせられました。
Posted by ブクログ
励まされる、とはちょっと違う、楽になる視点や捉え方を提案されてなるほどと納得したり、実践してみようと思えたり、すでにできていることにほっとしたり、あのモヤモヤはそういうことだったのかと言語化してもらえたり。
読めてよかった。
Posted by ブクログ
読んでよかったと思える本でした。
一見個人的に見える悩みを所与性や同調圧力の強さなどの日本の風土的な価値観から紐解き、相談者が悩みの軽減や解決に向けてアクションを取れるように相談者の個別的事情に寄り添って策を提案という素晴らしい人生相談の本でした。こういう支援のしかたもあるんだなぁと目から鱗でした。
Posted by ブクログ
いつも通りの勉強させられる回答。あとがきにあって納得したのが、鴻上さんがなぜこう言う回答が出来るのか。演劇の演出家として40年間プロの演劇の現場で、嫌悪や対立や怒りを減らしたり折り合いをつけたり、どうにかこうにか解決する方法を考えて来たからと。
そして、相談28舐められやすいキャラ。これは会社で怒れない私にとって学んだ〜。
Posted by ブクログ
WEBでたまに紹介されているのを見かけたので読んでみた。人生相談する人って、困り事をきちんと書けるだけでもすごいと思っている。それに対して、本当に優しい語り口で回答していて、相談者に幸あれという気分になった。
Posted by ブクログ
読み進めるうちに鴻上さんの回答パターンがわかってくる。ご自身の思想哲学に基づいているわけだから当然のことではあるけれども、それがだんだんと明確になってくるのは楽しかったし共感も強くなっていった。
相談を読んだ時点で一旦ページを閉じて、鴻上さんの回答を予想したりもした。
苦悩や問題を抱えている人にはとても有用な本だと思った。
Posted by ブクログ
精神を病んでいる妹さんを世間体を気にして病院に行かせない親。弟さんの相談が心に残った。そう親が死んだら後悔するのだ。あの時なんで病院に連れて連れて行かなかったのかと。
Posted by ブクログ
鴻上さんの優しさで作られている本。
どんな質問者にもリスペクトや優しさが感じられる。
これを読んだ相談者は、嫌な気持ちになることがなく、しっかり深く受け止められると思う。
そして、同じような悩みを抱えている読者にも寄り添ってくれると思う。
Posted by ブクログ
気が落ちたときに読むおすすめの本。
本当にタイトル通りで、気合や根性のいる解決策じゃなくて、なんというか、苦しんでる人に寄り添って、ほがらかに導いてくれるのだ。
Posted by ブクログ
それぞれの悩みを通して、自分を客観視出来ます。自分自身のアイデンティティを再確認しながら読み進められる不思議な本です。読後心が軽くなりますよ。
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劇作家の鴻上尚史さんが受けた悩み相談を一冊の本にしたものです。もともとネット連載されていたものだとか。私は知らなかったのですが、知っていたら絶対に毎回見ていただろうなーと思います。
本として出版されている以上、時間的な感覚はあるのですが、内容は誰もが「あるある」と思えるような普遍的な問いから「なかなか複雑な」込み入った問いもあり、バリエーションに富んでいます。
この直前に『「空気」と「世間」』を読んでいた私にとって、もっとも刺さったのが、帰国子女の子どもが奇抜な恰好をしていじめられそう、という悩みでした。
読んでみて私もかつて「日本」というシステムと闘っていたのかな、と思いました。
同調圧力やその場の空気については、他にも著書があるようですので、そちらも併せて読んでみたいです。
Posted by ブクログ
「人生相談」だったら読売新聞のそれが圧倒的です。日経新聞の「私の履歴書」や朝日新聞の「折々のことば」と同様、新聞開いたら必ず読む自分にとってのメインコンテンツ。普通の日本人の今この時代のこころの断面図が毎朝、映し出されています。市民とかいうより、庶民というか、死語にも思える一般大衆の普段の暮らしの中では行きどころのない悩みが、読売新聞のそのコーナーに寄せられているのを思う時、日本で一番売れている新聞がなんで読売なのか、がなんかわかる気がします。もちろん多彩で、有能で、温かく、知的な回答者が入れ替わり答えていますが、でもたぶんその悩みはそれぞれの回答者に向けられている、というより読売の人生相談というコーナーに向けられているのでしょう。それだけに切迫感が溢れています。この鴻上尚史の「ほがらか人生相談」も、ほがらか、がついているにしても相談者にとってディープな葛藤が寄せられています。でも、相談者本人ではない、この本の読者にとっては、その悩みに回答者である鴻上尚史がどう回答するか、が読みどころになっています。読売新聞の回答のキレ、に対して、鴻上尚史の回答は、ゆっくり包み込むように相談者に語りかけています。それには文字数が限られる新聞コラムと無制限のWebというスペースの違いによりものでしょうが、鴻上尚史という劇作家の気質にもよるものでもあると思います。そもそも読売のそれは悩みそのものの炸裂に意味があるような気がして、ほがらかのそれは、相談者が、鴻上さんがどう言うだろう、という期待が滲んでいる相談が多いような気がします。うがった見方かもしれませんが、読売新聞とAERAdot.というメディアの読者の違いということもあるかもしれません。あとがきにもありましたが、「鴻上さんの人生相談に相談を送りたいのだが、これといって相談したい悩みがない」というTwitterのつぶやきがでるぐらいに鴻上尚史からの言葉が沁みます。今年の3月のNHK EテレのSWITCHインタビューでのブレイディみかこと鴻上尚史の対談で知った本ですが、2020年の締め括りとしても、読んでよかったぁ…な本でした。
Posted by ブクログ
誰にでもありそうな人生のちょっとした躓きに、鴻上尚史が軽やかに答えます。重い小説の合間に、コーヒーブレイクとしても楽しめる一冊。時々、悩みに応じた本を推薦してくれるのも嬉しい。
Posted by ブクログ
どういうわけか、「人生相談」が大好きである。好きな回答者をあげれば、お叱り型の佐藤愛子さんや上野千鶴子さん、分析型の岡田斗司夫さんや橋本治さん、文学型(とでも呼ぶしかない)車谷長吉さん、無頼型の西原理恵子さんなどが思いつくが、鴻上尚史さんもそこに加えたい。
この方は何型と言えばいいのだろう。とにかく相談者に寄りそう姿勢がとても温かい。上から折伏する感じが全くなくて、噛んで含めるように相談者に説いている。自分とはまったく関係のない悩みの内容であっても、読んでいるだけで気持ちがほぐれていく気がする。2も読もう。
Posted by ブクログ
いろんな悩みがある人がいるんだなあ。作者の解答が、優しくもあり、でも厳しく(家を出て母親から離れるしかないんだよとか)もあり、的確でなるほどなと思えました。
Posted by ブクログ
相談してくる人たちに寄り添いつつも現実的で実現可能な解決法を教えてくれるので、読んでいてもスッキリする。
自分の親がこういう話し方をしてくれたらありがたいだろうな。
Posted by ブクログ
28の悩みについて著者が回答する。
以下は、その一例。
・夫とは価値観が合わず、毎日一緒にいたいと思いません。結婚の意味ってなんですか?
・個性的な服を着た帰国子女の娘がいじめられそうです。普通の洋服を買うべきですか?
・小3から好きだったKちゃんと同窓会で再会。火鉢の底で赤く燃える炭のような私の思いは続いています
・鬱になった妹が田舎に帰ってきましたが、世間体を気にする家族が、病院に通わせようとしません
・友達と元カレが付き合いだしました。友達が許せないし、彼のことも忘れられません
・兄が継いだ実家の酒蔵がうまくいかず、田舎に帰って手伝うよう迫られ、断る決断ができません
・専業主婦の妻が、突然働きたいと言いだしました。突然の方向転換はルール違反じゃないでしょうか?
・そこそこのスペックだと思うのに、恋は連敗。モテるにはどうしたらいいですか?
・10キロ太ったら周囲の男性の態度が変わりました。結局女は容姿が10割でしょうか?
・学校のグループ内で私は最下層扱い。本当の友達がほしいです
・4歳の娘が可愛くありません
・就職活動がうまくいかず絶望的な気持ちです
世の中の理不尽に泣くもの、自分のふがいなさに歯噛みするもの、親兄弟との軋轢に消耗するもの、
様々な悩みが提示されている。
この目次だけ眺めていても、人生を生きるというのは大変な事だなあ、と思ってしまう。
内容を読むと、それぞれに真剣に懊悩する想いが相談の文章からうかがえてしまう。
数年前まで読売新聞を購読していて、その人生相談の欄を愛読していた。
人生の悩みは、健康、家族、金、職業、人間関係の5つに集約される(そりゃそうだ)
過去の悔悟、将来への不安、現在の窮地など様々ななかで、一番心に響いたのは
「やらなかった後悔より、やった後悔」アクションこそが人生を拓くきっかけになる。
仮に失敗したり恥をかいたとしても人生は0or100ではない。
58点や36点の時もあれば95点の時もある。
晴れた日も雨の日も生きて行く。雨の日は傘を差せばいいし、何だったら出かけなければいい。
まあ、そんな風に思えれば悩む事も無いんだけどね。
自分なりに悩みを解決するとしたら:
・アクション
・寛容と諦念
・違う視点の探求
・仮説と検証
・自省、自律、自尊
といったところか。