あらすじ
読むと思わず誰かと語り明かしたくなる32の物語。
「『鶴の恩返し』で去らない鶴がいてもいい」「『考えること』と『悩むこと』は違う」「青春の旅立ちは不安に負けている場合じゃない」「バランスよくマイノリティー感覚を経験すること」などなど。
あるときは劇団の主宰者として、はたまたあるときは学校の先生として、そしてワークショップの講師として、人生相談の回答者として、さまざまな人の人生と向き合ってきた著者が見つめて考えた「生きる」についてのあれこれ。
【主な内容】
1 悩むこと考えること
ほがらかじゃない人生相談
「考えること」と「悩むこと」は違う
2 大人の階段を昇るということ
守るものがないからすべてを守ろうとする若者達と
子供だと嘆くなら子供扱いをやめること
青春の旅立ちは、不安に負けている場合じゃない
3 人を成長させること
バランスよくマイノリティー感覚を経験すること
言葉をいつも思いに足りない
理解できないけどやってみるということ
4 何者かになることは“成功”なのか
かつて僕も「主役」ができる俳優になりたかった
俳優の夢を諦める年齢
「豆腐リプ」とは何者か
5 ときにはロマンも必要だ
「生きる」とミニスカート
予備校の寮で人生を学んだ
6 親と故郷
ずっと働いていた両親について思っていること
年末年始、あなたは親と話していますか?
7 割り切れないからおもしろい
「逃げる」という選択
幸せとは何か? 僕はずっと問い続けている
人生の真実は0か100ではない
『鶴の恩返し』で去らない鶴がいてもいい
本書の文章は、連載「ドン・キホーテのピアス」(1994年10月12日~2021年5月26日号『週刊SPA!』〈扶桑社〉)をベースとして、再構成・加筆修正をしたものです。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
観念論ではなく、理想論でもなく、精神論だけでもなく、具体的で実行可能な、だけど小さなアドバイス
これが、考えることと悩むことは違う、なんだな。
そして
考えることと考えることは違う、になる。
そこまでいけば
どっちを選んでもそれなりに正しい、となる。
だから、鴻上さんの文章は納得。
日本の葬式費用は高すぎる、という話は目から鱗。直葬、考えたことなかったです。
Posted by ブクログ
鴻上さんの文章はいつ読んでも惹き込まれます。冷静に分析し理解し易い言葉で説明する。そんなふうになりたくて、何か感情的に言いそうになったり悩んだりしたときは、鴻上さんを思い浮かべて心を鎮めています。
Posted by ブクログ
鴻上さんをテレビで拝見はした事があるだけであまり知らなかったが、演出家という事もあってか情景がわかりやすく、エッセー集ということもあるがテンポよく読める。とくに中盤のエロネタ系が笑ってしまった。
Posted by ブクログ
鴻上尚史という人の名前は見たことがあってもよく知らないまま、タイトルにひかれて手に取った。
劇作家としてショーを続けなければならないので現実的な悩み解決をしてきたというところなどが面白かった。
悩まずに考えろ、なりたい自分とありたい自分のギャップの解像度を上げろ、というところは実践していきたい。
印象に残ったこと
・演劇は続けなければならないので具体的で実現可能な解決法を見つけてきた
・悩むことと考えることは違う
・何者かになりたい欲が現代は刺激され過ぎる
・ありたい自分といまの自分との差を埋めるためには、ありたい自分の解像度を上げること
・ありたい自分になれない自分をどう受け入れるか