鴻上尚史のレビュー一覧

  • 不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか

    Posted by ブクログ

    戦争があったということはもちろん知っている。ただ、そこでなにがあったかまでは知らない。40代の私がこの状態なら、さらに若い人たちはもっと知らない。知ろうとしなければ得られない。「死ぬことが使命」だなんて世の中、絶対に嫌だ。今は戦争は日本では起こっていないけど、周りの雰囲気に対する違和感に声をあげられない、そのことが凶器を孕んでどうなっていくのか、ある意味今も戦時中なのではないか、なんてことも考えた。
    生きる、生き残ると決めきった佐々木さんの想い。こんな想いを自分のこどもたちにはさせたくない、もらった命をどう使うか、死ぬことが使命だなんて、絶対にさせない。

    0
    2023年08月19日
  • 世間ってなんだ

    Posted by ブクログ

    久しぶりに鴻上さんの本を読んだが、おもしろかった!

    この本のテーマ「日本をこんなにも息苦しくしているものっていったい何なんだ!?」ということについて、私自身も最近頻繁に考えていることだったので、すごく興味深かった。鴻上さんの意見には大きくうなずくことばかりで、読んでいてとても気持ち良かった。

    なぜ最近そんなことを考えるようになったかというと、最近仕事が変わって、やたらお堅い日本企業で働くようになって、その息苦しさに驚愕しているから。
    だから、鴻上さんが紹介していた第二次世界大戦中のCIAの「妨害工作ガイド」には超笑った。(鴻上さんはsabotageをカタカナ語的に「サボり方」と訳していたけ

    0
    2023年07月23日
  • 「空気」を読んでも従わない 生き苦しさからラクになる

    Posted by ブクログ

    世間と社会の概念が、とても分かりやすく説明され、納得できました。

    自分の生き方を振り返って、複数の世間を行き来しながら、心の安定を図っていたことに気づきました。

    「日本人は、しょうがない という言葉を連発する民族」という記述は目から鱗でした。自分自身、最終的にでる言葉が「しょうがない」です。

    社会話という考え方、なるほどなあと思いました。

    0
    2023年07月20日
  • 愛媛県新居浜市上原一丁目三番地

    Posted by ブクログ

    生家の住所が題名という自伝的小説?。著者の生まれ育ち、晩年の著者の父を知っているだけに、感慨深く読んだと同時に、その父の愛媛の教師が組合をしていると、昔でもそうだと思うが、人権侵害の扱いをされ、その親のもとで育ってきた著者の気持ちを汲むと胸が痛む。その気持ちをプラスに生かされ、行動力もあったのだと思うが、稀有な作家になられたのかと思う。人生も後半気になってくると、このような自伝は胸に染みる。

    0
    2023年07月13日
  • 愛媛県新居浜市上原一丁目三番地

    Posted by ブクログ

    大隈裏でサークル活動をしていた者として、いろいろと身につまされながら読みました。
    私は10年くらいあとの世代なので、もうちょっとライトな世代ですが。
    劇研さんの苛烈な様子はいまも昔も変わらないんだなあと。私はただ眺めていただけですが。

    0
    2023年07月11日
  • 同調圧力 日本社会はなぜ息苦しいのか

    Posted by ブクログ

    世間と社会は全く異なるもの。そう考えて、普段の生活で周りを見渡すと、これは世間、これは社会だな、と見えるようになり、少しだけ世の中が分かるようになったと思います。
    人と関わるのが面倒だと感じる人は、その理由が分かるかもしれません。

    0
    2023年07月08日
  • 不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    衝撃だった。
    まさかただでさえ致死率が高い特攻で、9回出撃し、生きて帰ってこられた方がいらしたとは!

    まず「「特攻」が全くの犬死であることは、当事者は全員わかっていた。
    1)日本の戦闘機がまったくアメリカの操縦機に叶わなくなっていた。最高速度が違う。
    2)第一目的目標である空母にたどり着く前に、アメリカのレーダー網により察知され、VT信管により撃墜される。(アメリカ軍はすぐに対策をとった。)
    3)日本の飛行機、特に零戦は、安全性能を犠牲にして性能を上げたので、特攻するにしても、護衛機の援助なしにたどり着くことはまず不可能。すぐに引火する。
    4)動く船に、重い爆弾で当てるのは、機銃照射がある中

    0
    2023年06月25日
  • 不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか

    Posted by ブクログ

    あらすじを見てみると、あの狂信的だったであろう太平洋戦争の戦時下、上司の命令や周囲の圧力に屈さず特攻を9回も生き延びた方のお話らしい。

    ざっくりと3部構成で、
    ・9回の特攻について
    ・ご本人へのインタビュー内容
    ・特攻の始まりと描かれ方の批判と考察
    となっていた。
    (読んだ本人が勝手に分けてるので違う読み取り方の方もいらっしゃるかも)

    読んでみると、9回のうち実際に飛び立たれたのは2,3回のようだった。とはいえ、特攻という死ありきの出陣を前にしても冷静でいらっしゃったようで、敬服した。そしてやはり、ちょっとやそっとでは揺るがない信念をお持ちのようだった。悪く言うと、頑固。当時はさんざん虐め

    0
    2023年06月17日
  • 愛媛県新居浜市上原一丁目三番地

    Posted by ブクログ

    あの当時の、倶楽部の新入生はスゴいネ。

    流石に真似はできないな。まあ、他人に真似ができい事をやり遂げてきたから、芝居が作れるんですね

    杉並区でも活躍を期待してます!

    0
    2023年06月10日
  • 親の期待に応えなくていい(小学館YouthBooks)

    Posted by ブクログ

    親の期待から楽になる方法。親との関係を他者、同調圧力、世間と社会という著者が繰り返し述べてきたものに照らし合わせ読み解き、健康的な自立を促す。
    具体例を挙げて述べられているのでわかりやすい。若者にとって心身を守る武器となる一冊だろう。

    0
    2023年05月27日
  • 親の期待に応えなくていい(小学館YouthBooks)

    Posted by ブクログ

     メインターゲットは10代のようだが、大人にもお勧めしたい。平易な文章なのでサラッと読めるし、悩んでいた子供のころの自分にタイムマシンに載せて愛情と助言を届けることができたような気持ちになり、癒される。それに、大人になるにつれ、悩みの表面的な形こそ変わるが、根本的な部分は10代のころにはもう形成されていることが多いのではないか。

     さて、親子とは、「他者度」が0から100を目指して成長するものである。それを前提に、本書は、そもそも「他者」どうしのコミュニケーションとはどういうものか、という一般論から説き起こす。

     コミュニケーションとは、お互いの意見がぶつかったときに、ワーストを避けながら

    0
    2023年05月24日
  • 何とかならない時代の幸福論

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ブレイディみかこさんと鴻上尚史さんの対談ふたつ。
    「世間と社会」「エンパシーとシンパシー」など、学びがありました。面白い対談だった…もっとお話聞いていたい。。
    日本人は、自分の周りの「世間」は関わりがあるとして考えられるけど、それより外の「社会」はそうではないから自分に関係ないものとして捉えてしまう、みたいな説はすごく腑に落ちました。政治の話が出来ないのもこれなんだな。
    政治の話してると「意識高い系」と揶揄されるのほんと意味分からないけど、うちらにはどうも出来ないこと言ってるwwwみたいなのもあるかも。歴史的に、民主主義を自力で勝ち取ってないというのもこの傾向を大きくしてると思います。大正デモ

    0
    2023年05月22日
  • 不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか

    Posted by ブクログ

    特攻に関する本(近代日本の戦争も含めて)を初めて読みました。若い兵士が天皇陛下万歳と突っ込んで行ったと聞いていたが、実際はこんなに理不尽なことが行われていたのかと。鴻上尚史氏の丁寧な取材、考察もとてもわかりやすく良かった。
    現代も当時と構造が全然変わってないのではないかと思う。

    0
    2023年05月20日
  • 孤独と不安のレッスン

    Posted by ブクログ

    ほのぼの人生相談シリーズを読んで、鴻上さんのものの考え方に感銘を受けていたところこの本を発見して読んでみた。
    孤独と不安というものに向き合うことが人生にとっていかに大切か、考えさせられる本だった。

    特に響いたのが他人と他者の話。
    深く関わり合わない人は「他人」、深い喜びや愛情をくれるが同時に悲しみや苦しみもくれる人が「他者」。この「他者」と上手に付き合えるかが、孤独や不安とも付き合えることというのは深い学びとなった。

    最後に鴻上さんが生きる力をもらっているという詩がいくつか紹介されているのも良かった。あとがきにも沢山書いてあったが、一番大切なこと、
    「なにがあっても死なないように」。

    0
    2023年04月16日
  • 演劇入門 生きることは演じること

    Posted by ブクログ

    どうして演劇を観るの?演劇って面白いの?
    今までそう問われたことが何度かあり、自分の中で時々振り返って気持ちを整理していた。この本には、自分なりに考えていたことや、考えもしなかったことが書かれており、膝を打つような気持ちになった。
    また、演劇と映画、ドラマの表現の違いもとても興味深かった。

    0
    2023年04月10日
  • 不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ほとんどの戦争の資料を読んだ中で、まさか佐々木さんのような方がいらっしゃったなんて…本当に嬉しかった。生きて還ってくれた…。
    あの時代それが許されなかったのに何回も帰還する強さ。日露から帰還した父の言葉の支えは本当に大きかったんだな。

    それから彼の表現性に心を突かれました。
    二度の戦死報告後、母に生きてることを伝える。
    ーーーーーー
    マニラに行って春が来た。

    0
    2023年04月06日
  • 鴻上尚史のもっとほがらか人生相談 息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋

    Posted by ブクログ

    前シリーズに続き、愛のある冷静な回答で毎度ハッとさせられる。
    悩んだ時にまず物事を客観的に捉えるというのは、とても大切なんだなと教えられる。

    0
    2023年03月24日
  • そんなとき隣に詩がいます

    Posted by ブクログ

    「詩は漢方」
    その通りだと思います。

    詩に興味をもった人には、まずこの本をおすすめしたいと思うような、谷川さんの詩の真ん中のところを抽出した本でした。

    小説やルポや参考書がどうしても読めないときでも、詩なら読めてしまう。やっぱり詩は薬です。

    0
    2023年03月13日
  • 不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか

    Posted by ブクログ

    鴻上尚史氏の執念で奇跡的に実現できたインタビューが貴重。劇団や人気番組クールジャパンのホストを経験した視点か、特攻兵ということの成り立ちや本質をわかりやすく説明した内容。

    指示する立場とされる立場の責任分担が曖昧な対応は日本だけで考えると、日本人にはなんとなく受け入れられている面もあるのかもしれないが、ノットクールジャパンな部分かもしれない。

    書籍の最後を締めくくる、報道ステーションにある内容(ネタバレになるので詳細は伏せます)には、はっとさせられた。

    私達は何か戦前に起きたことに対して学べているのだろうか?佐々木氏の行動が広く知られ希望となりますように。

    0
    2023年03月05日
  • 鴻上尚史のほがらか人生相談 息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋

    Posted by ブクログ

    世間体を気にして鬱病なのに病院に行けない話やいじめを受けた小学生の話が特に考えさせられた。背景に潜む同調圧力について、日本の宿痾(長い間治らない病気)とし、解説している内容が非常に面白かった。

    0
    2023年02月12日