鴻上尚史のレビュー一覧
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「世間」「社会」「空気」、
これらの観点から、日本人の行動や考え方分析しているのですが、読んでいて、とても腑に落ちた。良書。
周りが残業しているから帰りにくいとか、まさに「世間」だよなぁと思った。
また、初対面の人に、いきなり馴れ馴れしいタメ口とか、
注意するときに「ですます調」ではなくて、感情的に暴言を放つ人とか、これは「社会」との接し方がわからなくて、すべて「世間」として捉えてしまっているのではないか。「世間」の中で生きている、ゆえに「世間」の言葉を用いる。
逆に、“〜させていただきます”の連発や、過剰な敬語を用いてしまうーーこれは先ほどの人とは違って、「世間」が崩壊している環境で生きてきた人、「世間」というものを知らずに育った人ほど顕著ではないだろうか。関わる他者すべてが、まったく関係のない、遠い距離(「社会」)に生きているのだと思ってしまう。
人見知りの人なんかも、これと関係があるかもしれない。
「社会」もない。
「世間」もない。
かろうじて「空気」、共同体の匂いはまだあるが、それすらもなくなったら、個人はどうなるか。
紐の切れた凧のように、どこかに飛んでいってしまうのではないか(『推し、燃ゆ』の主人公が最後そうなったように)。
いや、そうならないように、日本ではSNSがめちゃくちゃ流行っているんだろうな、と思う。
今の日本にとって、SNSこそが「世間」の代用であり、セーフティネットであり、共同体の匂いである。
「空気」と「世間」。
とてもいい本。周りに薦めたいと思った。 -
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鴻上さんが若いひとたちに向けて送るさまざまなアドバイスが中年にも刺さる。
鴻上さんの著書は何冊も読んできたので、既知の言葉が多いのだが、何度読んでも刺さる刺さる。
最初、タイトル、某有名作品のほぼパクリやん!と、びっくり、がっかりしたけれど、「君たち」ではなく「君」とした理由も、あえてこのタイトルにした理由も納得できるものだった。
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“「多様性」は、素晴らしいことだが、しんどい”
──確かに。
みんな同じだったら楽だもんね。(わたしの感想)
鴻上さんは、多様性はしんどいことだけれど、これからもどんどん進むべきだし、私たちもそれに対応できるようになるようにするべき、というようなことを口を酸っぱくしてさまざまなご著書で述べられている。
“コンプレックス・ビジネス”
──「あなたにはここが足りません」「◯◯はいけない」という、脅しビジネス。ひとびとの心の隙間に付け入る。思えばビジネスの半分はこれではないだろうか、は言い過ぎかな。(同上)
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特攻隊とは、戦時中の上からの命令が絶対という軍隊の異常な状況の中で、若者達がお国の為にと自らの命を捧げて自爆攻撃をしたものというような漠然としたイメージを持っていたが、9回出撃して9回生還した人がいたという事実に、そんなことが可能だったのかとすごく驚いた。
この本によると、特攻による自爆攻撃で相手の艦隊を撃破するということは実際には難しく、特に作戦の末期には攻撃に相応しい飛行機もなくなっており、飛行訓練の足りていない若者が、効果がなく絶対に生きて帰れない攻撃を、訳の分からない精神論のもと実行し、犬死にさせられていたような状況だったようだ。
それでも、当時の新聞は戦争や特攻隊のことをエモーショナルに何度も記事にして、それを読んだ人々は感動して、こんなに若い人が命をかけてお国の為にと頑張っているんだからと戦争を続ける意志を強くした。戦争反対の新聞は部数がどんどん落ちるのに対し、賛成派の新聞はどんどん伸びたそう。メディアにとっては戦争は儲かるものだったのだ。
この戦争時の状況がコロナ禍の日本とそっくりに感じてゾッとした。毎日のように感染者数を報じ、新しいウイルスの株が出たと騒ぎ立て、本当に検証がされているか不明なのに"基本的な'感染症対策としてマスクやアクリル板や予防接種を人々に半ば強要。散々騒いだわりに、今となっては当時の対応が正しかったのかどうか誰も検証していない。
戦争中から何も変わっていないじゃないかと絶望的な気持ちになってしまうが、特攻隊として出撃し、9回も生還した佐々木さんという存在がかつて日本にいたんだと知ることは、希望になると思った。 -
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この本は、ささやかにでも国家と闘うためのガイドであり、国家と何らかのすべで、闘うこと
考えること身体でリアルを感じることをやめないように、呼びかけるものだ。
人民のための大義だよ、
国家権力の横暴に対しては直接行動しかないことぐらい、知ってるだろ
リアルな現実 リアルとはなにか
国家という抽象を具体的に身体で感じる喜び
現実を取り戻した 現実のリアルを実感できる喜び
胡散臭い、敵対すべき国家は、なくなってしまった。国家」マスコミや偉い人にたてつくとSNSやテレビで批判されテレビは国家を嫌悪したり敵視する人は出さなくなって、自助を国家から求められそれを実行しながら国家を再びお上とよびお上と捉えて何もしてくれないのに、本書の言葉を引けば、
脆弱な個人のアイデンティティーを支えてくれる存在 になってきた。このイゴゴチのわるさ気持ち悪さはまさに鴻上さんがおっしゃる通りだと思う。
学生運動や革命運動は日本には長らく無いから、それを体験してない同時代でないひとは本能的に引き寄せられるか必要に迫られる生い立ちか何らかの身体的なリアル身体的に国家を感じ取った場合に、磁石のように引き寄せられ、もどかしいような苛立たしいような、憧れのような、親近感と疎外感と違和感と複雑な感情で、彼等を追ってしまう、という点で激しく鴻上さんに共感する。
今2024年春おそらくアメリカから始まった学生運動、大学がイスラエルガザ攻撃に関与していることを糾弾する運動は全く異なる文脈。でも、1978年3月の成田空港管制塔に連なる爽やかさと、現実、リアルな国家に対峙しリアルを体感する硬いものを叩きつける感覚があると思う。
この作品は小説の入れ子というか、小説の執筆過程を小説にしていて、書いていることはセクトの名前を除いてほとんど伏せ字や仮名なし作者本人まで実名なので小説かエッセイか日記か何だかわからないくらい、書いてあるのはほぼほんとのこと。
想像すること、出会うこと。
最後にボット出版から再び刊行される際のあとがき。彼は早稲田で死んだ、が原案の
ゲバルトの杜という映画の中の、内ゲバ、川口くんを殺してしまうドラマパートを鴻上さんが担当するという話が展開されている。浅間山荘や内ゲバや成田三里塚の闘争ですっかり悪者になってしまった学生、左翼、、リベラルまでもが。
息苦しさしかない、国家への従順が求められるこの時代に、声を出しても声をあげてもパレスチナにもミャンマーにも届かない殺伐とした時代に。リアルな現実と思う、感じることを信じて闘う。かっこ悪いんだろうけどヘルメットをかぶらない、かぶれない私たちの闘い方、リアルを打ち破るリアルを示唆してくれる。
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ネタバレ目から鱗。
今までの教育って何だったんだろう?自分の子育ても反省することだらけ、だな。
日本の教育、何とかせねば。
以下、本文よりメモ。
目的は何なのか?細かい論点ではなく、大事にすべきことを考える。
戦う、のではなく、周りと対話する。
必要なのは対話
声のでかい人に合わせて折り合いをつけることでもなく、議論に勝つことでもなく、お互いの共通の目的を探し出すことこそが真の対話ではないか?
校則変更、全員担任制の導入、定期テストの廃止などは、結果であって目的ではない。
学校の目的
社会でよりよく生きていく力をつける
持続可能な社会を築いていくための方法を学ぶ場
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作家・演出家の鴻上尚史さんが、色んな人生のお悩みに答えるシリーズ。
色んなアドバイスをされているが、中でも、「人生は0か100かではなく、67点とか78点とかで生きていくもの」という考え方が印象的。
「どうすればいいですか」という質問には、難しいものがたくさんあって、答えが出せないと思うとき、「0か100ではなく、折り合いがつけられるところを探す」という柔軟な考え方はとても大事だなーという気がした。
それにしても、「結婚するべきか」というお悩みが(間接的にも)とても多かったのが少し意外。令和になっても人の悩みの根本というのは、そう簡単には変わらないらしい。 -
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ネタバレお馴染みのシリーズ第4弾。いつもこの著者の言葉にはハッとさせられる。
自分にない、やわらかい視点を持った回答に舌を巻く。こんなふうに捉えてみたいな、と思う回答が満載。
子どもを叱りすぎてしまうお母さんに
『「叱る」理由は、相手にありますが、「怒る」理由は、相手ではなく自分にあるのです。』
自分が今アンガーマネジメントを学んでいる最中なので、気づきを得た言葉。自分のコンディションが悪い時に怒りの原因があると悪循環に陥るよなぁ…と納得した。
部下のやる気を引き出す方法を聞く男性に
『仕事の楽しさを知ってもらう』
成功体験は人を変える。向上心のむく方向が違う、という例えは非常にわかりやすいし、現代的だなぁと思う。それはジェネレーションギャップなのかもしれないし、昔にだってそういう人もいたが黙殺されていただけかもしれない。それでもノルマや仕事内容が決まっているだけに、会社と言う組織は統率が大変なのだろう。それだけに、鴻上さんの『楽しみながら仕事をする』という考えが相談者に響くことを切に願う。
その他にも気遣いがやめれない人、息子の学歴を恥だと思う人、校則を潰そうと教師になった人…本当に世界は広いんだなぁと読む度に思う。
自分には想像もできない体験を色んな人はしていて、それぞれに思い悩んでいることを忘れないでいたい。