鴻上尚史のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書が出版された時がコロナ禍の真っ只中だったため、内容に関してもコロナ禍の話題が多く出てきます。特にSNSでの自粛呼びかけ「自粛警察」については、当時SNSを見ていて怖いと感じました。
「世間」が機能しているが故に治安が保たれている、でも少しでのそこからはみ出してしまった時のバッシング。コロナ禍に関わらず、家庭・親族内や会社の中でも起こりえることだから、息苦しいなと感じてしまうんですね。例えば私は長男なので、「長男だから!」というプレッシャーを家族・親族の中でひしひしと感じます。
この息苦しさの中で生きていくにあたって、本書にも書いてあります「小さな世間」の中にどんどん入っていくというのは良いなと感じました。現状、家族⇔会社という世間を行ったり来たりしている毎日のため、何か趣味の集まりに参加したり等、色々なコミュニティーに参加をしてみたいなと感じました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルから気になっていてやっと手を出せた一冊。個人的には、一人暮らしを始めたばかりの人や、ふとした時に孤独感を感じるような人に読んでみて欲しい本。
私たちの感じる「孤独」とは一体なにか、どこから来るものなのかという導入で、軌道に乗ってくるところまで読み進めやすかった(個人的に、読書は軌道に乗ってくるまでが少しハードルなので)。
この本の好きな所は、孤独や不安を消したり、なくしてしまったりすることを目的としていないところ。
孤独や不安を見つめ、共に生きていくしかない現実を受け入れるために、少し勇気がでる考え方や方法を沢山教えてくれる。
自己啓発的なニュアンスではなく、鴻上さん自身が生きてきた中で得た、一人の人間としての知見や言葉でそれらを伝えてくれるが故の説得力みたいなものがあるように感じた。
不安や孤独が「そこにある」ということを認めること、それらを消そうとする必要はないということを、改めて認識できるだけでもこの本を読む意味はあると思う。
-以下気に入ったところ、気になったところの引用-
・「100点を目指すのではなく、67点の人生を認めること」
・どんな実績も不安は消せない
・どんなになっても、自信を裏付けてくれる絶対の根拠なんてないんだと気づくことは、逆に勇気が出ます。
だって、「~になったら始めよう」とか「~って言われたらやろう」と待つことが無意味だと分かるからです。
・『他人』はただ周りにいるだけの人、『他者』は喜びと同時に孤独や不安をくれる人
・『他者』とうまくつきあえる人は、自分の不安ともうまくつきあえるのです。「前向きの不安」を生きられる人です。そして、孤独とも。
・宙ぶらりんな状態のまま、『他者』と、そして『孤独と不安』とふうふう言いながらつきあえる人が、成熟している人なのです。
・つらくてたまらなくなったり、不安でいてもたってもいられなくなったりしたら、誰かに何かをあげることを考えましょう。
・とにかく、自分にこだわることを減らすのです。
不安は、自分にこだわればこだわるほど、大きくなるのです。
・人間には、三つの距離があります。知らない人と話す距離、知り合いと話す距離、愛する人と話す距離です。
・あなたがおみやげを忘れても、許して、支えてくれる人を2人、持つことが目標です。
・そして、相手が忘れた時は、支えてあげるのです。
それは、依存ではなく、信頼です。
・「インターネットの一番の問題点は何だか、鴻上さんは知っていますか?」(略)「~一番の問題点は『間単になぐさめられること』なんです」(略)簡単になぐさめられるということは、応急処置をしてもらっただけということです。(略)根本的な手術とは、『孤独と不安』に生きるんだと、決意することなのです。
・恋愛の多くは、『一目惚れ』とか『好み』とか『タイプ』とかではなく、『孤独と不安』から始まるのです。 -
Posted by ブクログ
ずっと気になっていた方
ようやく読めた
ずっと文章がうまい理知的な印象だったが
本を読んでなんとなくわかった
演出家がどういう仕事をするかはよくわからないが
演劇という絶対評価が難しい物を作り上げていく課程で
演者に対して 自己の演出プランや芝居など感覚的なものを語源化し他者を納得させる事が求められる仕事である事がわかった
作者の
多くの日本人がモヤモヤするが それがうまく語源化できない事について うまく表現してくれるのは この職業からくるのだというのはよくわかった
少し抽象論は多いが 読んでよかった
しかし コラムが作成順ではないのが
どういう意図なのかは何らかの説明が欲しかった
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Posted by ブクログ
相談の回答に毎回納得感があるので、自伝的という本著をどんな人なんだろうと軽い気持ちで読み出した。
一番思ったことは私もこういう細かい嫌なことがあったということ。
悪い意味ではなく、中年になって懐古趣味というか、何となく今まで何でもうまく進んできた気になってたが、子どもの頃や若い頃の繊細な気持ちを思い出した。
第二章は大学からの劇団のこと。青春が過ぎる笑
第三章は最近〜これから。
1人で仕事したり、相談に乗ったり、批判されたりよく耐えられるなと思ったが、一章、二章のような下地があるからなんだろうなと納得した。
ともかく文章が読ませるので、朝うっかり読み耽って遅刻しました笑 -
匿名
購入済み勉強になりました
日本特有の世間について考えさせられる内容でした。ただ、私の勉強不足もあるのでしょうが、一部内容が頭に入り辛い箇所もあったように思います。
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Posted by ブクログ
ネタバレう〜む。。
「世間」壊れかけてるから、そんなもん置いて「社会」にスイッチしよう!
そして、思いやりより交渉力を鍛えよう!
……いや、交渉力もなにも、今の世の中は他人に無関心な人だらけだから交渉にも発展しないんじゃ……?
この本が書かれた当時は「世間」がまだ機能していたからこそ、交渉力を!と、言えるのでは?
と、思った。
どんな世の中でも思いやりは大事だと思う。
そして、まとめでは、結局「世間」と「社会」と行ったり来たりすればいい。
って、最初は「社会」に生きよう!から始まったにもかかわらず、最後には「社会」「世間」どっちもしかも複数行ったり来たりするといいって、なんだか矛盾を感じた。
私の見ている「世間」や「社会」と、著者の「世間」や「社会」にズレがある気がする……。
強烈な「世間」の中に生きている、がんじがらめになってる人にはおすすめかも。
私は「社会」の方が生きづらいのだけどもね。。 -
Posted by ブクログ
〝社会〟と〝世間〟の違い、そして世間が〝同調圧力〟を作り出している、と本書は解説。自粛警察などの現象を踏まえて、コロナ禍は戦時下のようであるとも述べています。震災時もコロナ禍も特別な罰則を設けずとも暴動などが起きずにいるのは日本人の民度というよりも、海外には無い〝世間〟の中にいるからであると。
世間は〝変化を嫌う〟特徴があり、同調圧力は〝異論を唱える者を暗黙のうちに自分たちと同様に行動するよう強制すること〟であり、それぞれ日本特有且つ根強い文化でもあります。
世間には幾つかのルールがあり、一つにはお中元やお歳暮を代表する〝お返し〟。貰ったら返すルールがあるからこそ、LINEの既読スルーが問題視されると言えます。二つ目は〝身分制〟。スクールカーストやママ友内でのカースト、年功序列の上下関係のルールがありながら、三つ目は〝平等主義〟のルールもあります。「みんな平等であるべきだ」という意識があるから、得をしているように見える相手を僻む。そして同調圧力が起こる。象徴的な言葉は「出る杭は打たれる」。圧力は人の行動を抑制するだけでなく最終的に村八分や差別も生みます。
社会と世間の違いについては様々な言い方がされていますが、しっくり来たのは「社会は個人の集合体」「世間は個人の不在」です。
世間には個人がいない。しかし個人は他者から肯定や承認をされたい欲求を持っているので、だからこそ正義の言葉を振りかざした排他的な攻撃がネットで起きやすくなっていると言えます。
恐らくこの先も日本から世間が消滅することは無いと思いますが、同時に、大切なのはやはり世間ではなく社会を意識することだと思いました。自分の家庭や職場に関連する身近な世間だけではなく、複数の様々な世間に入ってみること(見聞きするだけではなく属すること)で、一つの世間に囚われず、個人の存在も強く感じられるようになっていく。それが〝社会に属する〟ということなのではないでしょうか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ同調圧力とは、その時の一番強い集団である多数派や主流派と同じようにしろという命令。
日本には社会の他に世間があるから、社会のルールが崩壊しても世間のルールが機能し、緊急時でも略奪や暴動が起きない。
世間とはステークホルダーにより形成される世界と、その集団の力学で、社会は知らない人たちで形成された法的な世界。
社会は一つしかないから排他的にならないが、世間はたくさんあるから排他的になりうる。
日本人はすぐにじゃんけんや多数決をして物事を決めるため、議論が下手になった。
「他人に迷惑をかけない人間になれ」という教えにより、「他人から迷惑を受けること」に敏感になった。
結果を残しても、「世間」(身近な環境)のおかげとしてしまうことで、個人としての自己肯定感は低くなってしまう。