鴻上尚史のレビュー一覧
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鴻上尚史という人の名前は見たことがあってもよく知らないまま、タイトルにひかれて手に取った。
劇作家としてショーを続けなければならないので現実的な悩み解決をしてきたというところなどが面白かった。
悩まずに考えろ、なりたい自分とありたい自分のギャップの解像度を上げろ、というところは実践していきたい。
印象に残ったこと
・演劇は続けなければならないので具体的で実現可能な解決法を見つけてきた
・悩むことと考えることは違う
・何者かになりたい欲が現代は刺激され過ぎる
・ありたい自分といまの自分との差を埋めるためには、ありたい自分の解像度を上げること
・ありたい自分になれない自分をどう受け入れ -
Posted by ブクログ
日本の国の本質は、「『世間』と『社会』そして、『空気』に現れて」(p.188)おり、いかに同調圧力が強い国であるのか、ということを解説し、さらに同調圧力に負けないで生きていくための知恵を伝授するという本。
著者はイギリス留学の経験がある劇作家、演出家で、前に読んだ『演技と演出のレッスン』という本がとても面白く、この人の本なら人間や社会を分析した面白い話が読めるかなと思って、読んでみた。
結論から言うと、本自体が小学生向けの感じで、とても明確で分かりやすすぎるのだけど、ちょっと物足りない感じだった。巻末に『「空気」と「世間」』という講談社現代新書が紹介されて、もっと学問的に知りたい人はこっ -
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Audibleで就寝時に小学生の子どもたちに少しずつ聴かせていました。
前半は、コミュニケーションやスマホの話、自分の頭で考えることなど子どものうちに知っておいてほしい納得のいく内容で好印象でした。
後半は、若干筆者の主観的な意見が多く感じて、100%は首肯しかねると思いました。
対象年齢は、中学生以降がお勧めです。
なぜなら、合理的に考えることの例えで、サンタクロースの存在を挙げているからです。
まだ小学生の子どもたちに、突然正体をばらされてしまい、合理的に考えればおかしな点をズバズバと指摘されてAudibleを聴きながら全員絶句でした。
何もそんな例えを挙げなくてもいいのに、、、。
翌朝 -
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ネタバレ一冊目から一通り読んだ。
相談の内容にもよるが具体的な行動方法を示してくれているものが多いのでなるほどなと思う。帯の通り悩む、考えるの違い、感情と行動の切り分け方や事態の交通整理などわかりやすい。
著作がある分野、自己表現や校則関係の話になると急にエンジンが掛かり始める、まではいいが周囲を見下すのでちょっと疲れる。他にも不倫推奨な部分は合わないし(しかも否定する人間を「本当の恋愛がわからない」と断じる謎の選民意識付き)、マスクをコミュニケーションを遮断するためのツールとして叩き出すまで行くとちょっとなにを言っているのかわからない、防疫をなんだと思っているのだろう。
とはいえ100%自分の -
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「他人に迷惑をかけてはいけない」という呪いを親や教師からかけられている。
世間体という技術的な根拠のない恐怖に支配されている。
そして、そんな状況の中でお互いの首を絞め合っているドM集団が「古き良き」日本人だ。
世間という狭い共同体の中では距離感がバグったのかと思うほどベッタリとまとわりつくくせに、社会においては互いを信用しないし理解するつもりもない。
だから過剰に防御的な姿勢になって「させていただく」を連呼するようになる。
高度にマニュアル化されたロボットのような店員を見ると、なんだか寂しくなる。
彼ら彼女らは頑張っているつもりだろうから、なおさらである。
過剰な礼儀正しさは、寂しい。
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人生には悩みは付き物、特に10代から20代は学友との共同生活から始まり、社会人の仲間入りと全く違った世界へ踏み出す時など必ずや出てくる。その悩みは人それぞれだが、決して一人で悩まず、友人、家族、同僚、先輩、それに上司と相談する事だ。素直に率直に申し出る(質問)事から自分の悩み、思い、対処方法など「自分で考えた事」を思い切って行ってみる事で、思わぬ「解答、少なくとも助言」が貰え、気持ちも楽になる。ここにあるように「無口で籠ってしまう」と誤解が生じたり、思った方向へ進まない事にもなりかねない。悔やむとしたら「あの時話ししなかった」とか「あの時自分が何もしなかった」ことを後から悔やむのだ。現代は自分
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人生相談を読んでいてマトモな人だなという印象を持ってるので、若者向けのこの本も読んでみた。
世間体なんて大人こそ耳が痛い内容だし、スマホとの付き合い方、悩むと考えるの違い、自信を持つこと(これは心がけてるけどすぐ忘れる)はためになった。
自分が40数年でわかったこともアッサリ書いてあった笑
・たった一つの正解があるものはラク。(なので私は幼児に勉強させないようにしている)
・絶対はない
・人の考えてることはわからない(こう思われてるんだろうなと思ったり、勝手に悩んでも全然違ってたことは多々あった)
世の中どんどん単純なことが好まれる傾向が強まってるけど、人は人と関わらずには生きていけない -
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劇作家・演出家である鴻上尚史さんと、脳科学者である中野信子さんの対談本。タイトルにある「同調圧力」について語っている場面もあるものの、コミュニケーション全般について、鴻上さんが演出などの経験から培われた視点を、脳科学の観点からはどうなのか中野さんに質問する形が多い。
鴻上さんは「世間」を家族や近しい人など自分の知っている人で構成されている世界、「社会」をその反意語と定義されており、「世間」を大切にしている日本人は「社会」との繋がり方が分かっていないのではと提起されていたのが面白かった。
また、中野さんのお話で印象に残ったのは、97%もの日本人はセロトニントランスポーターが少なく、不安に陥りやす -
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読みやすいし、面白い。
「クール・ジャパン」。それは「クールなメイド・イン・ジャパン」。つまり、「それ、クールだね。」な日本製品。
日本にルーツを持っていたり、日本発祥だったりする商品や文化を、有名どころからマイナー物まで知ることができて、学びの多い本だった。
クール・ジャパンを知ることは、自分と自分の国を知り、未知の世界と出会うことであるという鴻上さんの主張には大いに納得した。
しかし、国民性や「◯◯人だから」と属性・分類に当てはめて、安易に批判したり評価したりすることは、危険であるということは改めて感じた。人は、一人ひとり違うから。
それを踏まえて、文化的信念や日本人の誇り・魂を