【感想・ネタバレ】鴻上尚史の具体的で実行可能!な ほがらか人生相談 息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋のレビュー

あらすじ

「気持ちがふっと軽くなります」「相談と、鴻上さんの回答を読んで、心と頭が整理されました」など、鴻上尚史さんの、相談者の身に寄りそった実践可能なアドバイスが毎回大好評。PR誌「一冊の本」、AERA dot. 連載の書籍化第6弾!

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Posted by ブクログ

シリーズ6冊目、相談はネットでも読めるらしいですが毎回購入しています。今回もほがらかじゃない相談が多数、どう回答すんの?と思いながら読みすすめました。回答の出だし、共感の言葉からはじめるのは大事だよなあ、とあらためて思う。

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2025年07月29日

Posted by ブクログ

【351冊目】鴻上尚史さんの人生相談連載エッセイをまとめた本で、本書で書籍化は6冊目になるそうです。今回も「日本人には“世間”はあるけれど“社会”はない」という指摘や、「悩む」と「考える」の違い、「シンパシーよりもエンパシーがこれからの時代には重要」といった、“鴻上節”が存分に炸裂していました。
世間=知っている人で構成されているもの、社会=知らない人で構成されているもの
※悩む=時間だけが過ぎるがやれることは何も思いつかない、考える=うまくいくか分からないけど少なくともやることは思いつく
※シンパシー=同情心、エンパシー=相手の立場に立てる能力。これまでは「協調性」の時代だったが、今は「多様性」の時代に移行しているという文脈で。

本書の魅力は、何よりも“人生相談の多様さ”です。ページをめくるたびにまったく違う悩みが現れ、どれもその人にとっては唯一無二のオリジナルな苦しみです。宗教2世の問題や家族関係、ジェンダーをめぐる葛藤など、極めて現代的なテーマも多く、自分自身にもどこか当てはまる内容に思わずドキッとする瞬間もありました。「人生とはこんなにも苦しみに満ちているものなのか」と、読み進めながら胸が締めつけられる気持ちになるほどです。

また、鴻上さんの回答は、問題に対する“解像度”の高さが際立っています。日頃からこうしたテーマについて自分なりに考えを深めているのだろうと分かる言葉ばかりで、決して一足飛びに結論を出すのではなく、自身の理解を踏まえて演繹的に回答を導き出していきます。そこには、自分の言葉で誠実に向き合っている姿勢があり、とても信頼できるスタイルだと感じました。

そしてもう一つ、特に好感を持った点があります。それは「あなたの相談に対する回答となる言葉を持ち合わせていません」と正直に答える場面があることです。とくに、過去や他人の気持ちなど、どうしても変えられない事柄に関する相談においては、無理にアドバイスをせず、ただそのつらさを受け止めるだけ。分かったような言葉で飾るのではなく、「自分には答えられない」と伝える誠実さが胸に残りました。

心に残るいくつかの相談や回答を箇条書きに。

◯知的障害のお子さんを2人抱え、「死ね」と怒鳴るまでに至ったお母さん→施設に預けましょう
※子供を施設に預けることが解決策だと思ったとしても、色々と叩かれるこのご時世、それを伝えるのはとても勇気が要ることだと思います。

◯美容整形の代金を出そうとせず、整形自体も認めない親に反発する女子高生→ルッキズムは辛いよねと受け止めつつ、感情的になって冷静に考えていないことをたしなめる
※「親に高額な請求をしていることが一般的ではないとわかっています。しかし、普通から外れた顔に産むのは子どもに重い不幸を味わわせるもので、その不幸を避けられる方法があり経済的にも可能なのに放置するのは「愛していない」と同義に感じます。」という相談に、どうして親が悪いとばかり叫んで、自分でどうにかしようとしないの?とやんわり釘を刺しています。整形自体は否定しない、というのもポイントです。
※「周りの大人や本、ネットなどから『大学が人生で一番多様な人と知り合いになる』と知ったので、大学生になるタイミングで整形をしようと決めました。」という相談に、「本当に大学時代がそんなタイミングなの?」と、これまたやんわり釘。長く生きている大人にだからできる忠告ですね。

◯コロナに感染して修学旅行に行けなかった娘が憔悴しているのを見て、悩む母親→娘さんが立ち直るのに任せるしかない
※「普段の生活態度、学習面でも努力が足りない節があり、バチが当たったんだと言ってしまったことがあり」という相談者に、それは最悪のひと言でしたと正面から非難。
※鴻上さんの「つらくてどうしようもない時は、その感情を吐き出したり、泣いたり、気分転換したり、湿りになってうずくまったりしながら、時間をかけて立ち直るしかないでしょう。」という回答に、私自身も、そうか。出来ることがそれしかない時があるよな、と救われた気持ちになりました。
※コロナ禍のエピソードとして、初日公演だけで中止となってしまったアニーで、楽屋で小学生の出演者が別の小学生に「胸をこうして叩くと、涙が止まるから」とアドバイスしていたというエピソードを読んで、涙が止まらない…

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2025年11月23日

Posted by ブクログ

人のどうしようもなさって自分にもあるなと
それは弱さ?分かる人と分からない人がいる

自己肯定感の低い人は自分が周りから笑われないかばかり気にしている→これはエネルギーが自分に向いている状態
自分の思ったことを考え無しに言う人もエネルギーが自分に向いているという点では上記の人と変わらない
そういう人は本を読んだりしても他者に向けるエネルギーがないから身にならない
↑これめっちゃここ1ヶ月の自分で泣ける
人のエネルギーは有限だから、自己肯定感(自信)があればこそエネルギーが相手(他者)に向き、相手に寄り添える

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2025年06月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一冊目から一通り読んだ。

相談の内容にもよるが具体的な行動方法を示してくれているものが多いのでなるほどなと思う。帯の通り悩む、考えるの違い、感情と行動の切り分け方や事態の交通整理などわかりやすい。

著作がある分野、自己表現や校則関係の話になると急にエンジンが掛かり始める、まではいいが周囲を見下すのでちょっと疲れる。他にも不倫推奨な部分は合わないし(しかも否定する人間を「本当の恋愛がわからない」と断じる謎の選民意識付き)、マスクをコミュニケーションを遮断するためのツールとして叩き出すまで行くとちょっとなにを言っているのかわからない、防疫をなんだと思っているのだろう。

とはいえ100%自分の考えににぴったり合う人間なんて自分以外にはいるはずがないので、自分にも当てはまる、思い当たるものを読んで、確かにそうだと感じたものを参考にするのには良いと思う。

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2025年05月07日

Posted by ブクログ

つい人生相談や悩み相談をみてしまう、読んでしまう。どこかに自分に通じる悩みがあるかもしれない、自分と同じように躓いてしまった誰かの人生があるのではないかと思って。鴻上さんはとにかく自分や相手と対話をし、向き合うことを促す。タイトル通り具体的であることは確か。

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2025年04月26日

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