富安陽子のレビュー一覧
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ネタバレスズナ姫のシリーズは、名古屋の子供向け書籍を毎月1冊づつ配本しているメルヘンハウスの配本で1冊購入しました。
子供が好きになる挿絵かどうかはわかりませんが、なんとなくお話に合っているように感じました。
300歳の誕生日と書かれていますが、挿絵は子供なので、スズナ姫が子供だということが分かります。
喜仙菘姫尊(きせんすずなひめのみこと)が、今日からの正式名称です。
大巌尊(おおいわのみこと)がお父さんです。
菘(スズナ)姫は人に教えてもらうときの話方を心得ています。
「わたしはこの山の山神でスズナ姫っていうの。まだたった三百歳なんですもの、わからないことばかり、、、山の動物たちまで -
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シノダファミリーシリーズ。うーんやっぱいいなあ、大好きだ!ある日送られてきた泊まった覚えのないホテルからの招待状。ホギおばさんのいつもながらな不吉な予言を背に向かってみれば、食事もおいしい!お風呂も素敵なちょーゴージャスなホテル!だけど人魚の腕やら河童の腕伝説、なーんか変なことがあるみたいで・・・・。まあ、夜叉丸おじさんの名前がでた時点でなにかやったな、とは思っていましたが、相変わらず人騒がせな人、いや狐だなあ。パパがあいつ呼ばわりしたくなる気持ちよっくわかりますよ〜。親戚にはしたくないねえ。人魚の肉。どんな味するのかなあ。いやー不老はいいけど不死はやだなあ。でも人魚の肉を食べると不老不死にな
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富安陽子先生の数あるシリーズものの中の一つである、この「小さなスズナ姫」シリーズは小学校中学年~高学年向けの、神さまを主役としながらもシンプルで親しみやすい物語の楽しさがありながら、そこには子どもたちにとって、これからの人生を歩む上での温かな励みを得ることに留まらず、大人が読んでも大切なことに気付かせてくれる作品なのだと思い、単に楽しいだけで終わるわけではない点に、富安先生の子どもたちへの思いが込められているのだと思います。
前回、喜仙山脈をおさめる山神さま「喜仙大巌尊(きせんおおいわおのみこと)」から、三百歳(人間でいうところの六歳)の誕生日を機に、喜仙山脈の南の外れにある「スズナ山」 -
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シノダ!シリーズ6作目。休日のドライブに出かけた信田一家。しかし長いトンネルをくぐると地図にも載っていない一本道に出てしまう。引き返すにも広い路上ではなく、仕方なく進む。ついに見えてきた何本もそびえ立つ鳥居。それはキツネたちの婚礼の儀式会場である祝いの宮の入り口だった。キツネ以外は立ち入り禁止であるはずの祝いの宮に入ってしまったユイたち。人間とキツネのハーフであるユイ、タクミ、モエならまだしも、純粋な人間であるパパは見つかってしまったら大問題!それに加えて神聖な場所である祝いの宮内では嘘をついてはご法度という、素性を隠すには大きなハンデが設けられている。どう切り抜けるのか、壮大な一日が幕を開け
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シリーズものの中でも、特に一話完結ではない連作形式で進行する物語のレビューは、前の巻を踏まえたネタばれとなってしまうことが多いため、書き方が難しいのだが、ここではライトノベルとも捉えられそうな、このシリーズが如何に細やかな作り込みをされているのか、それを書いていきたいと思います。
五十嵐大介さんの緊迫感漂う表紙の絵からも分かるように、前巻では危機に巻き込まれていながら、割と何とかなりそうな楽観的な雰囲気も漂っていた中、今回は主人公たちのやるべきことに多くの人の命がかかっていることや、最終巻に続く終わり方を知ることによって、これは遊びではない神同士の本気の戦いに巻き込まれてしまったことを -
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見ていて思わず、往年の児童文学のそれを思い出してしまうような、本書の舞台となる山のふもとにある小学校を描いた素朴な見返しの絵から既に期待が高まる、自分で読むなら小学中学年から対象となる、富安陽子先生の創作童話です(2022年作)。
総勢10人(?)の小さな小学校だけど、新年度の初日、三年生になったばかりの「アカネちゃん」は、一番乗りで校舎に着こうとはりきって早起きをした、そんな気持ちをいっぱいに表して通学する姿を大島妙子さんの絵が見事に描いており、「オニのサラリーマン」とはまた異なる印象として、改めて大島さんの絵というのは、表紙も含めて子どもたちの感情を全力で描いていることにグッとくるも -
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まず、表紙の女の子、緑の髪に、緑の眉、
緑の目に、赤い瞳、不敵な笑みを
浮かべていて、ちょっと不気味で怖いけど、
インパクト大で興味をそそられる。
月を見上げると月虫がいる。
擬態の絵がリアルで、虫嫌いの人は、
眉をひそめたくなるが、生き物の神秘さ
を感じさせ、しかも、そいつは、
人間そっくりの姿にばける。
(不敵な笑みの正体はそこにあったのかと)
殿方がどんなに高価なプレゼントを持って
きても、興味なし。だって虫だからね。
最後、裏表紙まで物語は続き、時空を超え、
月虫は現代も!壮大なSFで、お話しと絵が
とてもマッチしていて良かった。
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ただ今、富安陽子さんの作品を読み続けて、不思議な物語の魅力を知りたい期間中です。
前回読んだ絵本「月虫の姫ぎみ」に続いて、漫画家の五十嵐大介さんの表紙の絵が印象深い、こちらは2015年発表のシリーズもので、これまで読んできた富安さんの作品の中では、初の中学生が主人公の物語で、現代の若者を思わせるくだけた口調もしっくりとくるような、彼らの奔放さの裏に垣間見える繊細な描写や、能力者と不思議なものが対峙するスリリングな展開には、正にYA文学という言葉がぴったりと感じつつ、そこには富安さんならではの要素をミックスさせることによって、オリジナリティもしっかりと感じられる素晴らしさとなっていたので -
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ただ今、富安陽子さんの作品を読み続けて、不思議な物語の魅力を知りたい期間中です。
『月虫の姫ぎみの はなしを して あげよう』から始まる本書(2025年)は、まさに富安さんの空想力が光る創作ものなのに、月虫の臨場感ある描写を読んでいる内に本当にいるものと思い込んでしまったのは、どうやら名前の似た雪虫と勘違いしていたようだと、後になって気付く。
でも、存在していたらロマンチックなのになぁと思ったのは、『月虫は、月の まわりを とびまわって、星くずに たまごを うみつける。もし、うんが よければ、その 星くずは いんりょくに ひかれて、地球へと おちて いく。』と、星くずに母の祈りと共 -
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ただ今、富安陽子さんの作品を読み続けて、不思議な物語の魅力を知りたい期間中です。
本書は「シノダ!」シリーズの一作目(2003年)で、そのタイトルは富安さんのあとがきによると、『信田妻』の物語を元にして生まれたからとのことで、一匹の雌狐が人間の男の妻となって、子どもをもうけるが、やがて正体を知られ、家族の元を去っていく、という内容に、私は切ないものを先に感じたのだが、そこを富安さんは、『狐の母と人間の父、そしてそのあいだに生まれ、ふしぎな能力をさずけられた子ども』という部分に魅力を感じ、物語を書きたいと思われて、あれこれと空想を楽しんできたそうで、そうした前向きな印象が、そのまま本書の -
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ただ今、富安陽子さんの作品を読み続けて、不思議な物語の魅力を知りたい期間中です。
本書は「菜の子先生」シリーズの一作目(2003年)となり、これまで読んできた富安さんの児童文学が全て長編だったのに対して、初の短編集となるのだが、いわゆる各話の内容が繋がった連作集ではなく、舞台となる小学校や登場する子どもたちも違っている中、唯一の共通点は菜の子先生が必ず登場することで、そうした構成から感じられたことは、『どこの小学校でも菜の子先生に会える可能性がある』ということであり、それは見方を変えてみれば、子どもたちは菜の子先生のような、ありそうで無い立ち位置にいる方を、実は必要としていて求めている -
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ただ今、富安陽子さんの作品を読み続けて不思議な物語の楽しさを知る期間中です。
本書は「小さなスズナ姫」シリーズ(新美南吉児童文学賞受賞)の一作目(1996年)で、主人公のスズナ姫こと「喜仙菘姫尊(きせんすずなひめのみこと)」は、喜仙山脈をおさめる山神「喜仙大厳尊(きせんおおいわおのみこと)」の娘で、もうすぐ300歳(人間でいうと6歳くらい)になろうというのに、毎日雲の御殿で留守番をすることに耐えられず早く父親から巣立ちをしたいと感じていた、というように神様が主人公でありながら、まるで人間のような過保護な父と自立心に溢れる娘とのやりとりに思わずクスッとさせられた楽しさは、きっと神様に対す