富安陽子のレビュー一覧
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富安陽子さんの作品を通して、彼女の物語の魅力を知るため、彼女の作品を読み続けている期間中です。
今回はずっと前から作品名は知っていたものの、敷居の高そうな印象を勝手に抱き敬遠していた作品なのだが、これが読んでみると、グイグイと引き込まれていく面白さで、明治時代のことを全く知らなくても楽しめるのは、やはり物語の魅力なのだろう。
富安さんならではの歴史、伝承、怪奇ものを贅沢に詰め込んだ本書は、大阪の古物商の娘「花岡イカル」が主人公であることや、彼女が働く場所が「文部省博物館(現、東京国立博物館)」であることによって、当時の古道具や美術工芸品を楽しめる趣向にもなっていることから、学校の授 -
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ネタバレ冨安陽子さんと言えば、昔々に読んだ『キツネ山の夏休み』実に久方ぶりにこの著者の作品を読ませてもらった。
大阪の古道具屋の娘イカルが、両親を亡くし、上野の遠縁のもとへ身を寄せる。河鍋暁斎の娘、おトヨと友達になり、それがきっかけとなって、博物館の古蔵にお勤めすることに。
貸してくれた方も言っていたが、とてもしっかりした少し不思議ミステリー。なかなか知識が要求されるので、大人でもしっかり楽しめる。上野博物館の横の古蔵って、寛永寺の持ち物だったのねぇ。確か今でもあったような…
トノサマ御用達の鰻屋さんもいいけれど、お豆腐屋さんにも行ってみたいのです。
3歳で不老不死はやっぱりやだなぁ。
五島列島への -
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13歳の花岡イカルは大阪の古物商の娘だったが、両親を立て続けに亡くし、遠縁を頼りに東京の上野へやってきた。ひょんなことから国立博物館の館長に目利きの才能を認められ、織田家の末裔である「トノサマ」と呼ばれる人の助手を務めることになった。博物館の敷地の外れにある古い蔵で収蔵品の整理中、「黒手匣」という品が無くなっていることに気付いたイカルたちが行方を探すと、美術品としてはほぼ無価値なその黒手匣を高額な値段で買い取ろうとしていた人物がいた事が分かった。黒手匣とは何なのか? なぜ収蔵品からなくなったのか?
文明開化の明治を舞台に描かれる怪異をめぐるミステリーフィクション。
快活なイカルのころころと -
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ホウズキくんのオバケ事件簿の鬼灯京十郎とは別の、そしてオバケの専門医として登場したことのある鬼灯京十郎先生のお話。
小学生の恭平が不思議な小道を通って鬼灯医院にたどり着いてしまう。
急患のために急遽出かけてしまった鬼灯先生に留守番を頼まれた恭平は、鬼灯医院を訪れるおばけ対応に追われる。
娘はオバケ事件簿のほうが面白いと言っていたが、私はこちらも面白いと思う。
鬼に大人しく予防注射してもらうため、恭平の匂いをうちわであおいで鬼が隠れる洞窟に送る作戦をとるところは笑ってしまう。
鬼の大好物は人間の子供なのだ!
私が恭平なら絶対に逃げる!
変わり者の鬼灯先生に恭平が振り回されるのが楽しい。 -
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中学受験の勉強に忙しくしている松山修の時間が盗まれた!
焦っているときに何かの気配を感じ、気づいたら自分の時間がなくなっているらしい。
犯人のトキノマイマイはレア度1。
つまりどこにでもいて、大人には1匹2匹ついていても珍しくない。
普段は耳の奥に隠れている(ゾゾゾ)が、忙しくしていると頭の上に出てきて貝殻をぐるぐる回す。
すると、その人に流れる時間にブレーキをかけて、外を流れる実際の時間とずれてしまう。
解決策はさらに鳥肌もの。
トキノマイマイの天敵、トキノカブリ(羽虫風)を耳の中に入れ、トキノマイマイを食べてもらうのだ。ゾゾゾ~
怖いよりも気持ち悪いおばけだ!
あまり忙しい忙しい言わ -
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鬼灯京十郎がおばけが見えるという秘密を知る人物が、主人公の真先以外にも早くもいた!
おばけが退治をしているうちに他の人にもバレてしまい、内緒にしていく展開かと思っていたので、そうきたか!
今回のおばけはうつせみ。
普段は蝉の抜け殻に隠れていて、通りかかった人間に取り憑いて分身を作ってしまう。
早く退治しないと本人と分身が入れ替わってしまう。
うつせみに取り憑かれたミナコちゃんの分身はコナミ。
どうやらミナコちゃんが溜め込んだ怒りが膨れ上がってできたようで、怖い顔で「ゆるさない」を連発。
私のイライラ気質も、うつせみによって本人と分身が入れ替わったことによるものなのかもしれない。
きっとそ