あらすじ
明治16年、文明開化の東京にやってきた、大阪の古物商の娘・花岡イカルは、親戚のトヨの用事で上野の博物館を訪れた際、館長に目利きの才を認められ、博物館の古蔵で怪異の研究をしている織田賢司(= 通称トノサマ)の手伝いをすることになる。トノサマの指示で蔵の整理を始めたイカルだったが、台帳と収蔵品の照合を終えた後、黒手匣(くろてばこ)という品物だけが何者かによって持ち去られたことが発覚した。いったい誰が、何の目的で盗んだのか? 隠れキリシタンゆかりの品とも噂される、この匣に隠された秘密とは?
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Posted by ブクログ
面白かった!
2から読んでしまって、早く最初のを読みたかったのだけど、こっちの方がテンポもよく、中身も面白いかも。
イカルがあれよあれよという間に東京の親戚の家に住むことになり、上野の博物館の蔵の資料を整理する仕事にありつく。それもイカルが目利きの才を発揮したからなのだが。トノサマとアキラとイカルの会話が楽しい。
キリシタンの伝説?が絡んでいて、不思議なお話だった。
完璧な人はいないけど、それでいいんだと励まされる物語。
Posted by ブクログ
いゃあ、面白かった〜!
明治の東京を闊歩する少女の姿が見えるようだった。大阪の道具屋の娘、花岡イカル(13歳)は両親を亡くし一人で東京へやってきた。母の遠縁にあたる大澤家で暮らし始めたイカルだが、河鍋暁斎の娘、トヨと訪れた上野の博物館で館長に目利きの才を認められ…。
文明開化(馬車鉄道etc)、上野寛永寺、東博、烏の絵師・暁斎…と興味惹かれる用語や、禅之助さんの装画も素敵で、あっという間に物語に引き込まれた。
イカルを始め、登場人物がとても魅力的。
田中館長、織田賢司(トノサマ)、河鍋暁斎、
娘のトヨも実在の人物なので、物語がよりリアルに感じられた。
トノサマの助手になり古蔵の整理中に発覚した黒手匣(くろてばこ)の盗難。
トノサマ、奉公人のアキラと共に、隠れキリシタンゆかりの品と言われる匣の謎を追うが、イカルが知った結末はなんとも切ない!
母の故郷(斑鳩)に住む鵤(イカル)は美しい声で鳴く強い鳥。「鳥のように羽ばたき好きな所へ飛んでおいき。あんたやったら、きっと大丈夫や」と、亡くなる前母が娘に伝えた言葉にウルっとさせられた。
付録の地図を見ながら上野、湯島、神田猿楽町…と、イカルが辿った道を歩いてみたい。長崎の五島列島の島々にも行ってみたいと思った。中高生だけでなく、大人が読んでもワクワクさせられる一冊です。
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明治時代の博物館を舞台にしたあやかし譚。
大阪の古物商の娘として育つが、両親が相次いで他界したことで東京の遠縁に引き取られた少女が主人公。目利きの才を見込まれ、博物館で怪異の研究と古蔵の管理をしている人物の助手をすることになり、ある品物が消えた事件を追う。
児童文学作家の印象が強かった富安陽子さん、YA文学もとても面白い。時代物だけれど敷居が高過ぎず登場人物が魅力的で引き込まれる。あやかし譚ということで、適度に謎が残る具合も良かった。
続編もあるようなので是非読みたい。
Posted by ブクログ
芸術は好きだけど何の役にも立たないことを痛感している己が救われる物語。自ら創り出すことは出来ず、鑑賞ばかりの身でも、好きなものが世界を広げ、自活の術となっていくのは非常に嬉しい。ほんと救われる。2巻も楽しみ!
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間違えて続巻を先に読んでしまって、トノサマが実際には老人だったことに驚いた。私のイメージでは、40代くらいだった。柔軟な考え方と行動力に騙されていたらしい。やはり順番に読まないといけないと思いつつ、知らなかったからこその勘違いを面白いとも思った。もちろん他の登場人物、特に大澤家の人たちとの関係についても、あらためて理解した。怪異よりも、盗まれた黒手匣を探すミステリの趣が強く面白かった。
Posted by ブクログ
児童文学ですが、それなりなボリュームに結構な読みごたえ。大人が読んでも、さほど平易だとは思わない。というかかなり面白かったです。
題材は、1880年代(かな?)・東京の国立博物館が舞台・古美術・隠れキリシタンなど、好事家好みの素材のてんこ盛りで、河鍋暁斎の娘をはじめとして、実在の人物がたくさん出てくるのも、楽しい一冊でした。続刊も読んでみよう。
「怪異研究事始め」とあるけれど、妖怪登場!的な展開やおどろおどろしい怪談のような話ではなく、むしろミステリータッチ+幻想という感じでした。
Posted by ブクログ
主人公は、美術品の審美眼を持つイカルちゃん。
両親との別れで孤独になる運命になりながらも、
力強く生きていく♪
イカルちゃんがとにかくいいコで可愛い♡
舞台は明治時代の上野。
軽快で読みやすい文章で、
賑やかな当時の上野の姿が色鮮やかに思い浮かぶよう。
イカルちゃんの活躍で骨董品の謎解きをするも、
謎が解けてスッキリ!
というより、
切なさがじわ〜と滲むラスト。
うーん、こういうの、好きかも。
イカルちゃんのほんのり恋模様も気になるところ♡
富安陽子さんの作品はこれが初めて。
他の作品も読んでみよう〜と思いました☆
Posted by ブクログ
途中別のものに浮気して止まってましたが、1/3くらいから一気に読んでしまいました。
とても面白かったです。最初アキラ怪しいとおもってたんですが、素っ気ないけどいい人(?)でした。ただ、やっぱまだトノサやアキラの素性が知れないような気します。イカルがお世話になってる家が躾けにうるさい家なのですが、別に悪い人ではなく、そういうちゃんとした教養も必要ではないかともうだいぶ大人なので思いました。なんか赤毛のアンのマリアみたいだなと思いました。
Posted by ブクログ
続刊が出たので再読。
ひょんなことから東京国立博物館の怪異の蔵でトノサマの助手として働くことになったイカル。
蔵での盗難があって、その盗まれた品の謎に迫っていく。
2度読んでもミステリーと怪異の話が凄く面白くて惹き込まれた。
イカルの東京にやってきた経緯は辛いが、全然湿っぽくならず、大阪の生家で培った目利きを活かして仕事を頑張るイカルは好奇心旺盛で、明るく、力強く生きている姿には励まされ、応援したくなる。
トノサマは意外にもお堅い人ではなくて理解があるところが好感が持てた。
Posted by ブクログ
おもしろい!シリーズの幕開けを感じさせる終わり方がとてもよかった。またこの人たちに会える。少し先の未来に楽しみができる。富安陽子さんの作品にはそういうあたたかさがある。わたしたちはここにいるから、またいつでも会いにおいで、と言われているようでホッとするのだ。
物語は東京・上野にできたばかりの博物館を中心に繰り広げられる。明治時代の歴史や文化に詳しくないわたしでも、主人公イカルが働く博物館の古蔵、道具屋や天主堂へ向かう通りの情景が目に浮かび、街の喧騒や行き交うひとびとの話し声までも聞こえてくるようだった。おかげでぐいぐいと物語の世界に引き込まれ、一気に読みきってしまった。次作もすでに入手しているので、すぐに読み始めたいと思う。
Posted by ブクログ
明治のはじめ、ひょんなことから上野の博物館で手伝いをすることになった古物商の娘イカル。いわくありげな黒手匣紛失事件に出くわす。
実在の人物をちりばめ、現実的に描きながら要となる部分に怪異を用いる。それにより膨らむ物語。いやあ面白い。
Posted by ブクログ
とても良かったです!
両親をなくした少女が、たった一人遠い土地でいかつい老夫婦と共に暮らすというシチュエーションは、私のバイブル『赤毛のアン』に通じます。厳しく怖いと思っていた老婦人が、実は深い慈しみを持っているところもまた然り。違うのは、アンは子供としての喜びもって日々生活しているのに対し、少女イカルは「いかに身を立てるか」と考えているというところ。古道具の鑑定という才能を活かしてひたむきに働いている様子は応援せずにはいられません。しかし持ち前の好奇心と探究心から不思議な事件に巻き込まれるていく物語の面白さ!さらにイカルを囲む人物たちも「キャラが立って」魅力的な人ばかり。この役はあの俳優かな?とドラマになるのを妄想してしまいます。
エンディングのイカルの名前にまつわる話もとても素敵でした!
Posted by ブクログ
富安陽子さんの作品を通して、彼女の物語の魅力を知るため、彼女の作品を読み続けている期間中です。
今回はずっと前から作品名は知っていたものの、敷居の高そうな印象を勝手に抱き敬遠していた作品なのだが、これが読んでみると、グイグイと引き込まれていく面白さで、明治時代のことを全く知らなくても楽しめるのは、やはり物語の魅力なのだろう。
富安さんならではの歴史、伝承、怪奇ものを贅沢に詰め込んだ本書は、大阪の古物商の娘「花岡イカル」が主人公であることや、彼女が働く場所が「文部省博物館(現、東京国立博物館)」であることによって、当時の古道具や美術工芸品を楽しめる趣向にもなっていることから、学校の授業とはまた違った視点で知る日本史の面白さにも繋がっているようで、それは、河鍋暁斎、田中芳男、トノサマこと織田賢司など、実在の人物が物語に登場することによって感じる親近感が、より興味を持たせるきっかけとなる上に、それは物語自体に臨場感を持たせた面白さにもなっている。
日本史の面白さや興味深さについて、もう少し書くと、私は明治時代について殆どと言っていいほど無知だったのだが、馬車鉄道や海の上を走る汽車など、本書で初めて知る過去の出来事から改めて日本の面白さを実感したり、当時の新しい立派な博物館が戦場跡に建ったことに思いを馳せてみたり、そこで行った美術工芸品等の収集には、『文明開化や廃仏毀釈の流れの中で打撃を受けていた日本古来の文化財の損失をくいとめ、保護する役目もはたした』ことを知ることで、当時の人々はどのような気持ちであったのだろうと想像してみたくなる、そこには「文明開化」や「廃仏毀釈」の言葉の意味を知るだけでは分からない、当時の人々の思いを知りたくなる気持ちが、より興味を抱かせるきっかけとなるのではないかと思ったのである。
勿論、学びの面白さだけではなく物語自体の面白さも印象的で、両親を相次いで失い、母の遠縁を頼って東京にやって来たときは、「これからどう生きていけばいいのだろう?」という不安な気持ちでいっぱいだったイカルであったが、その後に「古蔵」での「怪異研究」という仕事を知ったときの、『あやしげであったが、その言葉に胸が高鳴るのを覚えた』ことによって、古物商での父の姿を見て育った彼女が好きなものに出会えた喜びへと好転する、そうした展開には思わず読み手も乗せられてしまい、イカルと一緒にワクワクするような不思議な謎を追いかけたくなる。
イカルにとって上司にあたるトノサマや、河鍋暁斎の娘「トヨ」、トノサマの奉公人「アキラ」といった登場人物が物語に更なる彩りを与える中、彼女が挑む「黒手匣」の謎には思いの外に切なさが宿っていて、それは『生と死』や『命の存在』について考えさせられる部分も強く、単に楽しいだけの物語にはしていないところもポイント。
そして、「イカル」という名前に込められた母の気持ちを思い出して、前を向こうとする彼女の未来への思いと交錯するのは、『目に見えているものだけが全てではない』という新たな視点で知る世界の見方だと思い、そこにはイカルが挑む謎や怪異だけではなく、現代でも自然の多い地で耳を澄ませば不思議なものたちの声が聞こえてきそうだと感じる、富安さんの、そこには決して畏怖だけではなく古代の人々への敬意やロマンも垣間見えた、彼女のいつまでも変わらぬ思いが物語の根幹に潜んでいるのではないかと、私は思うのである。
Posted by ブクログ
両親を亡くし、東京の親戚に引き取られた少女イカル。
父の道具屋で遊びながら育っただけあって、骨董品の目利きの才はかなりのもの。
その才を見込まれて、ふとしたきっかけで、上野の博物館で怪異研究所の助手として働き始める。
誤って2巻から読んでしまったため、1巻を読むのが楽しみだった。
今回は、蔵から盗まれた、隠れキリシタンゆかりの品と思われる、黒手匣の謎にせまる物語。ミステリーあり、怪異ありでなかなか面白かった。
Posted by ブクログ
まっすぐな少女イカルの成長譚+オカルトミステリー。生き生きと描かれる人々(歴史上の人物もいる)、街の様子がいい。イカルは基本的に徒歩移動だけど、一度通っただけの道を翌日から一人で歩いて行けるのは、当時なら必須能力だったのかな。Googleマップでイカルの行動範囲を辿ってみたけど、地図アプリ見ても正反対に行くほど方向音痴な自分には、初日から一人で奉公先に通ったりおつかいに行くのは無理だと思った。
Posted by ブクログ
冨安陽子さんと言えば、昔々に読んだ『キツネ山の夏休み』実に久方ぶりにこの著者の作品を読ませてもらった。
大阪の古道具屋の娘イカルが、両親を亡くし、上野の遠縁のもとへ身を寄せる。河鍋暁斎の娘、おトヨと友達になり、それがきっかけとなって、博物館の古蔵にお勤めすることに。
貸してくれた方も言っていたが、とてもしっかりした少し不思議ミステリー。なかなか知識が要求されるので、大人でもしっかり楽しめる。上野博物館の横の古蔵って、寛永寺の持ち物だったのねぇ。確か今でもあったような…
トノサマ御用達の鰻屋さんもいいけれど、お豆腐屋さんにも行ってみたいのです。
3歳で不老不死はやっぱりやだなぁ。
五島列島への憧れは強まりました。
Posted by ブクログ
13歳の花岡イカルは大阪の古物商の娘だったが、両親を立て続けに亡くし、遠縁を頼りに東京の上野へやってきた。ひょんなことから国立博物館の館長に目利きの才能を認められ、織田家の末裔である「トノサマ」と呼ばれる人の助手を務めることになった。博物館の敷地の外れにある古い蔵で収蔵品の整理中、「黒手匣」という品が無くなっていることに気付いたイカルたちが行方を探すと、美術品としてはほぼ無価値なその黒手匣を高額な値段で買い取ろうとしていた人物がいた事が分かった。黒手匣とは何なのか? なぜ収蔵品からなくなったのか?
文明開化の明治を舞台に描かれる怪異をめぐるミステリーフィクション。
快活なイカルのころころと変わる表情が素直で可愛らしかった。「怪異研究事始」とあるだけに、最後はぞくりと怖く、それもまた面白かった。
Posted by ブクログ
もう少し怪異を匂わせてくれるともっと迫ってきた感じ。窃盗の謎解き要素が強くて、物語の主軸であるはずの怪異の読みごたえがサラリとしているというか個人的に物足りなさがあった。
でも最後まで一気読みしてしまう面白さで続編もぜひ読みたいし、史実と重なる部分を調べてみるのも面白そう!(創作に史実を織り交ぜる時は、大きくハッキリと断り書きは欲しいところだけど…)上野の博物館にも行きたくなる。
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明治時代、東京の遠縁の家に引き取られたイカルが、いわくつきのものも置いてある博物館の古蔵から最近なくなった収蔵物の捜索をする話。
明治時代に大阪から東京にやってきた主人公が、博物館とか街並みを珍しく見ているのを楽しんでいたらだんだんきな臭い感じになってった。
終盤まで怪異ってタイトルついてるのすっかり忘れてたから、怪異起こった話の部分すごいびっくりした。
びっくりはしたけど、こわい感じじゃなかった。
…続編は日中に外で読もうかな笑
Posted by ブクログ
なかなかに面白かった!
時代ものが好きだけど、明治が舞台は割とはじめてかもしれない。
登場人物も魅力的。
話途中まではふつうの時代ものっぽかったのに、途中で雲行きが一瞬怪しくなり、さいごにぞわっとした。
幼児向けの富安さんでは見られないこの感じがとても好き。
Posted by ブクログ
物語の舞台は明治時代初期の「上野の博物館」、つまり現在の東京国立博物館とその界隈で、現在も営業している伊豆滎も登場。
主人公の花岡イカルは架空の人物ですが、「館長」田中芳男氏、「トノサマ」織田賢司氏、河鍋暁斎-トヨ父娘などの実在の人物も出てきます(暁斎は他の登場人物同士の会話のなかに名前が登場するだけ)。
この本、ジャンルは「児童書」ですが、その割に舞台や実在組の登場人物のチョイスが渋く、収蔵品の横流し事件や隠れキリシタンなど、重めの題材の謎解き譚風味ですので、大人が読んでもそれなりに楽しめる作品だと思います。
Posted by ブクログ
ジャンル分けの難しい、少しだけ大人向けのミステリー時代小説?
上野博物館、猿楽町はあの会館?鰻の伊豆榮、所々に実名が出てくることでイカルが歩く街の風景が目に浮かぶ。
富安陽子さま、続き書いてくださいますよね⁉︎
#中高生
Posted by ブクログ
何かで評判をきいて手に取る。
富安陽子さんで、明治モノ、博物館+少女、これは気になるー、となった。
最後のほうが少しダラダラ続くかんじで疲れたけど、おおむね楽しく読めた。
河鍋暁斎、永遠にニアミスし続けて、名前しか出てこないパターン?ぜひ登場してほしい。
探偵役?の上司・トノサマのひととなりも気になるけど、運命の予言をした町田さんが一番気になる!
明治モノ、博物館モノということで、それらの蘊蓄ももっと出てきてほしい。
主人公のひたむきさがとても良い。
2作目以降も楽しみ。
Posted by ブクログ
大阪の古物商の娘・イカルは父と母を立て続けに亡くし、遠縁を頼って文明開花の東京へやってきた。遠縁の少女トヨの用事で上野の博物館にお供した折、館長に目利きの才を認められ博物館の古蔵で働く織田様(トノサマ)の助手を命じられる。少し前に古蔵に盗みが入っており、収蔵品を調べたところ目録にある「黒手匣」の紛失がわかり…。
『怪異研究事始め』というタイトルから怖いものかなと思っていたけれど、特に怖い系統の話ではなかった。児童書だからか。どことなく不思議な話という感じだった。
Posted by ブクログ
道具屋の娘イカルが、怪異研究をしているトノサマと呼ばれている人と出会い、怪異な事件に巻き込まれる。日本で博物館がまだ珍しかった時代の話なので、時代背景が面白かった。
Posted by ブクログ
主人公は、古物商の家に生まれ育ったイカル、13歳。相次いで両親を亡くし、東京の遠縁を頼って上京するところから、彼女の人生が動き出します。
そして、その遠縁で、河辺暁翠こと15歳のトヨと出会います。
しずくさんに紹介していただき、「星落ちて、なお」のトヨに、再会しました。他の作品で、出会うって、新鮮な感じですね。ありがとうございました。
時代は明治中頃、舞台は上野美術館界隈。
イカルは、古物商で養われた目利きをかわれて、博物館で、働けることになります。二人の少女は、目まぐるしく変化する東京で自分仕事を得て、元気に生活していきます。
タイトルにもあるように、ちょっと不思議な現象があったり、盗難事件のミステリーを物語に入れたり、子供達に興味を持たせてくれています。もちろん、大人も楽しく読めます。
日本画、骨董、キリシタンと内容は豊富です。歴史好きな女の子に読書好きにもなって欲しいなあ。