あらすじ
明治16年、文明開化の東京にやってきた、大阪の古物商の娘・花岡イカルは、親戚のトヨの用事で上野の博物館を訪れた際、館長に目利きの才を認められ、博物館の古蔵で怪異の研究をしている織田賢司(= 通称トノサマ)の手伝いをすることになる。トノサマの指示で蔵の整理を始めたイカルだったが、台帳と収蔵品の照合を終えた後、黒手匣(くろてばこ)という品物だけが何者かによって持ち去られたことが発覚した。いったい誰が、何の目的で盗んだのか? 隠れキリシタンゆかりの品とも噂される、この匣に隠された秘密とは?
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Posted by ブクログ
途中別のものに浮気して止まってましたが、1/3くらいから一気に読んでしまいました。
とても面白かったです。最初アキラ怪しいとおもってたんですが、素っ気ないけどいい人(?)でした。ただ、やっぱまだトノサやアキラの素性が知れないような気します。イカルがお世話になってる家が躾けにうるさい家なのですが、別に悪い人ではなく、そういうちゃんとした教養も必要ではないかともうだいぶ大人なので思いました。なんか赤毛のアンのマリアみたいだなと思いました。
Posted by ブクログ
冨安陽子さんと言えば、昔々に読んだ『キツネ山の夏休み』実に久方ぶりにこの著者の作品を読ませてもらった。
大阪の古道具屋の娘イカルが、両親を亡くし、上野の遠縁のもとへ身を寄せる。河鍋暁斎の娘、おトヨと友達になり、それがきっかけとなって、博物館の古蔵にお勤めすることに。
貸してくれた方も言っていたが、とてもしっかりした少し不思議ミステリー。なかなか知識が要求されるので、大人でもしっかり楽しめる。上野博物館の横の古蔵って、寛永寺の持ち物だったのねぇ。確か今でもあったような…
トノサマ御用達の鰻屋さんもいいけれど、お豆腐屋さんにも行ってみたいのです。
3歳で不老不死はやっぱりやだなぁ。
五島列島への憧れは強まりました。