富安陽子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
富安陽子先生の物語と五十嵐大介さんの絵による1巻から続いた大長篇も、いよいよ本巻で完結となった、このシリーズは、神からのメッセージを如何に理解するかが鍵となった頭脳戦の面白さと、最初はあれだけいがみ合っていた中学生たちの心の成長を実感しながらの熱い友情とが、見事に融合された独特さが魅力となっております(2016年作)。
天ツ神から選ばれたアレイを始めとした七柱のカンナギたちと、黄泉ツ神率いる得体の知れない故の怖さがある影たちとの戦いについて、『古事記』だけではなく、世界に散らばる不思議を贅沢に盛り込んであるのが、それらに興味を促せてくれるという点に於いても素晴らしいと思って、それはドイツ -
Posted by ブクログ
ただ今、富安陽子さんの作品を読み続けて、不思議な物語の魅力を知りたい期間中です。
「盆まねき」とは、『八月のお盆の三日間にみんなでご先祖さまの供養をする行事』のことで、既にご存知の方にとっては、あまり得るものは無いと思われるかもしれないが、本書に関しては富安さん自身の実話が重なることによって、改めてお盆について考えてみようという気持ちにさせてくれるのではないかと思った、本書は『野間児童文芸賞』受賞作品である(2011年)。
毎年、主人公「なっちゃん」(小三)の家族は、母の父にあたる「ヒデじいちゃん」の家で盆まねきをするのが通例となっており、これまでは帰省ならではのイベントや遊びを楽 -
Posted by ブクログ
いゃあ、面白かった〜!
明治の東京を闊歩する少女の姿が見えるようだった。大阪の道具屋の娘、花岡イカル(13歳)は両親を亡くし一人で東京へやってきた。母の遠縁にあたる大澤家で暮らし始めたイカルだが、河鍋暁斎の娘、トヨと訪れた上野の博物館で館長に目利きの才を認められ…。
文明開化(馬車鉄道etc)、上野寛永寺、東博、烏の絵師・暁斎…と興味惹かれる用語や、禅之助さんの装画も素敵で、あっという間に物語に引き込まれた。
イカルを始め、登場人物がとても魅力的。
田中館長、織田賢司(トノサマ)、河鍋暁斎、
娘のトヨも実在の人物なので、物語がよりリアルに感じられた。
トノサマの助手になり古蔵の整理中に発 -
Posted by ブクログ
ネタバレ先に読んだ娘が、「今までのまとめみたいな感じ」と言っていましたが、たしかにその通り!
なつかしののっぺらぼうや、子どもが大好物の鬼、座敷わらしなどが登場します。
雪女やガイコツと協力して鬼の腹痛を治療するシーンは本当に楽しいです。
雪女もガイコツも、だからこの場に居合わせたのか!と作者の冨安さんの創作力に感心してしまいました。
相変わらず強引な鬼灯先生と、振り回される恭平、そして前々作で親の顔が見てみたいと思ってすぐに登場した鬼灯先生のお母さん。
笑いあり、じーんと感動する展開ありで大満足です。
このシリーズもっと読みたかったです。
終わってしまってさみしいです。 -
Posted by ブクログ
3年生に、図書の時間を6回分使って、まるごと読み聞かせして楽しんだ本。学校や通学路で3年生に会うと、「スズナ姫」のことを話題に出してくる子が多くて、手応えを感じられた。
「先生、明日はスズナ姫の続きを読むんですよね? やったあ!」と声をかけてくる子。「今はモッコウギツネと会ったところまで読んで、これから木の葉染めだよね。スズナ山がどんな色に染まると思う? 秋だから黄色とか赤とかかな? 楽しみ!」と友達と話している子。本を読んでいないときにも、こんなふうに物語を楽しみにしてくれることに感動した。
小さな子ども扱いされて反発するスズナ姫に、子どもたちは自分とのつながりを感じるんだろうな。子ども -
Posted by ブクログ
手には錫杖、腰にはひょうたん、背中にどっさり壺をかついでオバケやが やってまいります・・・。
「オバケおるかね、おらんかね。おるなら とらえて しんぜましょう」
そんな口上をくちずさみながら、村から村へめぐり歩く〝オバケや〟さん。
錫杖を持つ反対側の手には、糸にくくられまとめられた、たくさんの〝風船〟?? しかし、それは風船ではなくオバケやさんが捕まえてきたオバケたち・・・。
オバケやさんの、オバケの捕まえ方がとても面白いww
なんと、オバケの好物は「おかかのにぎりめし」だそうですw そしてそして・・・オバケの好物と言ってたおかかの握り飯はどうやらオバケやさんの好物でもあるみたい・・