富安陽子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
おもしろい!シリーズの幕開けを感じさせる終わり方がとてもよかった。またこの人たちに会える。少し先の未来に楽しみができる。富安陽子さんの作品にはそういうあたたかさがある。わたしたちはここにいるから、またいつでも会いにおいで、と言われているようでホッとするのだ。
物語は東京・上野にできたばかりの博物館を中心に繰り広げられる。明治時代の歴史や文化に詳しくないわたしでも、主人公イカルが働く博物館の古蔵、道具屋や天主堂へ向かう通りの情景が目に浮かび、街の喧騒や行き交うひとびとの話し声までも聞こえてくるようだった。おかげでぐいぐいと物語の世界に引き込まれ、一気に読みきってしまった。次作もすでに入手してい -
Posted by ブクログ
存在は知っていましたが読んでこなかった本。
おもしろかったです!
ヌラリヒョンの礼儀正しさ、我慢強さに頭が下がりました。
「妖怪のいない町なんて、つまりませんからね」
「妖怪がいなくなって、人間が、おそれることも、不思議がることもわすれてしまったら、世の中、どんなにつまらないか。妖怪がいるから町は面白いんです。
光があるから影があるように。夜がくるから朝が明けるように。冬がくるから春がくるように―。人間がいるから妖怪がいて、妖怪がいるから人間がいるんだとこのごろ私は思うんですよ」
市役所の「地域共生課」に採用された今後のヌラリヒョンの活躍も楽しみです。
4年生ぐらいからからおすすめ